こんにちは。
ワンちゃんが亡くなられたこと、本当にお気の毒に思います。
パルボウイルス感染症だとすると、お庭の消毒はとても大変(かつ難題)です。
パルボウイルスは通常のウイルスと異なり、非常に乾燥に強く、それにより環境 下において半年から2年程度感染能力を保持します。家の中などの限られたスペースであれば、塩素消毒などである程度消毒が可能になりますが、お庭全体となるとなかなか難しいです。また、乾燥した土と下痢の糞便などが混合した土埃などが靴について家の中に入り込んでしまうこともあります。消毒法としては塩素系漂白剤などを5%程度に調整して十分な量を散布します。お庭の消毒は何回か繰り返してください。(ご家庭の日用品は色が落ちたり、さびたりしますが・・)また、子犬が使用していたおもちゃなどは処分したほうが無難です。
さて、お庭に遊びに来るワンちゃんたちですが、接触していたとなるとパルボウイルスに感染している可能性があります。潜伏期間は2-14日間くらいです。血便、嘔吐、食欲不振などの症状からでてきます。まず、お庭や子犬がいたところをできるだけ消毒し、できればお庭には立ち居りできないようにしてください。
7か月令のワンちゃんですが、今の時点でワクチンを接種することはお勧めできません。感染してしまった場合、免疫力が弱っていて、ワクチンによってかえって発症させやすくしてしまったり、ワクチンによる副作用を起こすリスクの方が高いからです。この年齢であれば発症したとしても脱水の治療(点滴など)、インターフェロン治療(エチオピアで手に入るかどうかはわかりません、スミマセン)、抗生剤、(タミフルが効果があると最近では使われています)、制吐剤などの治療を行うことによって、助かる可能性があります。
2週間経っても症状が出ないようでしたら、ワクチンを打ってあげてください。できたら、初年度は1か月後にもう一度接種してください。(免疫効果を上げるためです)ワクチン接種後2週間たてば、パルボの感染・発症のリスクがかなり下がりますので、危険度が下がります。その間に何度か塩素系で消毒しておけばその時点でお庭に入れてもリスクは少ないと思います。
また、母犬は妊娠中とのことなので、パルボの感染があ ると流産、死産を起こす恐れが高いです。また、妊娠中は基本的にワクチン接種ができません。パルボに感染していなかったとして、無事に出産した後も、子供たちのリスクは高いです。通常母親からの移行免疫によって6週令~12週令くらいまでは守られますが、ワクチン接種を行っていない母親の免疫力は弱いので、子供たちの免疫も弱い可能性があります。母犬、子犬(生まれたとして)はそれぞれ出産後1・5か月くらいからワクチンを接種し、母犬は2回、子犬は3回(最後はできるだけ4か月令)の接種をすると、その後は遊びに来れるようになります。
同居の猫ちゃんはパルボに関しては感染の心配はありません。しかし、便にいる寄生虫(回虫など)などは犬猫共通のものがありますので、便の状態は気を付けておかれたほうが良いと思います。
放し飼いのわんちゃんで、お庭に入れないようにする処置はなかなか大変かと思います。また、ワクチン接種も各犬1回で済む、というものでもないので、金額的な負担も大きいことと思います。しかし、パルボウイルスであったとすると、かなりの注意を行って、消毒・管理をしても、プロでさえ再感染をさせてしまうことがある恐ろしい感染力を持っている病気なのです。
最後に、もし、子犬を新たに導入するのであれば、上記の理由から非常に神経質に消毒を行わなくてはいけません。できれば1年以上は期間を開けたほうが良いと思います。