こんにちは。猫山と申します。精神科医です。
相談者様のアルコールの問題に敢えて診断を付けるならば、「複雑酩酊」ということになるでしょう。婚約者のご家族に対して許せない感情がある方が皆お酒を飲むと荒れるわけではありませんから、原因は主に相談者様の性格や体質の問題でしょう。
【酩酊の分類】
http://www.sapporo-ohta.or.jp/ohta/C/C-3.htmこの複雑酩酊が、相談者様と婚約者様の関係を崩壊させるような類のものならば、アルコール性の精神疾患に準じた治療的アプローチがなされるべきでしょう。
その目指すところは、仰るように、節酒ではなく完全な断酒です。
アルコールで問題を起こす方、ストレスをお酒で発散するタイプの方に「適量」はありません。
一口飲めば、際限なく飲みます。
「毎日飲酒しますが通常は楽しく飲んで終わりです」とのことですが、何回かに1回、問題が起こり、それがいつ起こるかわからない場合、やはりすべての飲酒機会をなくするしかありません。
また別の角度からは、パキシルとデパスを服用されているならば、飲み合わせが悪いので(特にデパス)、飲酒は禁忌になっているはずです。この点からも、毎日の飲酒はそもそも不可とされるはずです。デパスとの飲み合わせで悪酔いしている可能性もございます。
断酒をご希望されるならば、アルコールの専門外来を受診されてカウンセリングを受ける必要があります。集団療法に参加することで断酒の成功率が高くなることも知られています。
具体的には「断酒会」のような組織に所属することです。
一方で、相談者様の場合、「彼に対して荒れる」原因がわかっているわけですから、しらふの状態でそれをテーマに彼氏様と話し合う機会を設ける必要もあろうかとございます。
以上、ご参考になれば幸いです。