>高リスクの前立腺癌に陽子線治療は有効でしょうか?
高リスクの場合にホルモン療法と陽子線を組み合わせる治療は有効です。
>陽子線治療と放射線治療では、体の負担の違いが有るのではないかと思いますが、いかがでしょうか?
陽子線も放射線の一種ですので、どちらも同じような副作用になります。
問題になるのは、前立腺以外の部位にどうしても放射線が当たってしまうことによりそれらの部位に障害がおこるのですが、陽子線は、線量分布が優れているため、直腸や膀胱など周囲正常組織に対する影響を増やすことなく標的への線量増加を図ることができ、結果的に周囲の組織への副作用を抑えながら、より高い効果を得ることが期待できると考えられています。
しかし、周囲組織への影響はやはりありますので、副作用としては照射部位の皮膚の日焼け様変化と、排尿回数の増加、排尿時違和感などの排尿障害などがあります。これらは、照射が終了すると、すこしずつ元にもどっていくことが多いとはされていますが、実際には症状に困っている方も少なくありません。
陽子線治療後、半年から2年程度経ってから起こる副作用として、便に血が混じる直腸出血や、尿に血が混じる膀胱出血があります。いずれも発生率は5%以下と報告されています。また、非常に稀ですが、尿道狭窄、さらには尿道閉塞の危険性も0ではありません。
副作用の比較、とのことですが、同じ内容の副作用が起こるが、陽子線の方が程度が低いとは言われています。