ご返信ありがとうございます。
直接診察できませんので、一般的な回答になってしまいますが、ご理解下さい。
まず、腹部大動脈瘤は一般に5cm以上になると手術適応となります。おそらく、お父様も今回、大きくなったため手術の話になったのだと思います。しかし、手術をするということは手術に耐えうる全身状態である必要があります。おそらく、狭心症の既往があるとのことですので、おそらく血が固まりにくくする薬を内服中だと思います。この薬を飲んでいると、手術中に出血がコントロールできず、大変危険 な状態になるため、前もって薬を止める必要があります。また糖尿病のコントロールが悪く、高血糖状態で手術を行うと、感染症のリスクや脳障害のリスクが高くなるため危険です。おそらく、主治医の先生はそのような事から手術は危険といわれたのだと思います。
また、手術以外の方法としては、ステントグラフト内挿術というカテーテル治療があります。腹部大動脈瘤の治療としては比較的新しい術式です。 開腹手術と異なり、腹部を大きく切開することなく治療することができるので、患者さんへの負担が少なく、ご高齢の方や他に病気のある方でも安全に行うことができると言われています。しかし腹部大動脈瘤では、腎動脈との位置関係、下肢動脈の硬化性病変、動脈瘤の数や形が症例ごとに異なり、適応に制限があったり、血管損傷や動脈塞栓の危険性、遠隔期に動脈瘤が拡大するなど将来も破裂の危険が残る可能性もあると言われています。
医療においては主治医と患者の信頼関係が一番大切です。ぜひ、明日主治医の先生に分からない事は遠慮されずに何でも質問されて、納得の行く治療方針を主治医の先生と一緒に決められて下さい。 お父様の回復をお祈りしています。お大事にされて下さい。