法律上、契約というのは双方の意思の合致により成立します。
つまり重要なのはお互いの意思であり、契約書というのはその結果を書面に残して証拠とすることで後日の紛争を防止するという性質のものに過ぎず、契約書の記載よりも合意した内容が優先します。
したがって、今回は120万円で買い取ることで合意しているのですから、契約書の記載ミスで220万円となっていてもその金額で買い取る必要などないのです。
問題は220万円という金額について契約書という証拠が残っているのに対して、120万円であるというのは口約束で明確な証拠が無いという点です。
新車定価が250万円で4年落ちの車に220万円の買値を付けるというのは特別の事情が無い限り客観的に見ても不合理と言えますから、万が一お客様が始めから220万円で買い取る契約だったと主張して裁判で争うことになっても勝ち目が無いわけではありませんが、契約書が残っていることは不利に働きます。
いまのところ120万円と聞いたことは認めているようですから、お客様のお話のなかで120万円だったと認める内容の発言を録音し証拠を残しておけると安心でしょう。
もちろん、契約書で極めて重要な金額の部分を書き間違うという重大なミスをしたのは事実ですから、その点は謝罪した上で、それでも無理な要求をするようであれば不当な要求には応じられないとハッキリ言うべきです。
先方も契約の破棄には応じる意思があるようですので、そのようなお客様と無理に契約を維持するよりも、破棄した方が知人にとって有益でしょう。