私は埼玉県で行政書士をしている者です。
専門は民事法務で予防法務と呼ばれる、紛争(裁判)を未然に防ぐという業務も行っております。
今年もあと数時間で終わり、また新たな年を迎えることになりましたが、この時期にもめごとが生じるのはご心労極まりないと思います。
お察しいたします。
さて、今、土地を借りているということですが、まずは、契約の種類を考える必要があります。
地主さんがおっしゃる使用借地とは、つまり使用貸借契約のことを指しますが、使用貸借契約というためには、民法593条で定める要件を、全て、満たす必要があります。
以下にその要件を示します。
①当事者の一方が無償で②使用及び収益をした後に③返還することを約して、④相手方からある物を受け取る ことによって成立します。
それぞれの要件について考えてみましょう。
①について
これには、固定資産税程度を負担していた場合でも、その負担が使用の対価であると認めるにありる特段の事情がない限りは使用貸借になります。
ご相談者様の場合には、地代が固定資産税程度の額とは考えにくいので、その負担は使用の対価として認められる可能性が高いです。
よほど地価の高い地域にお住まいでない限りは、年間の固定資産税額は、借りているものは土地だけなので、10万円程度で収まるのではないかと思います。
年のため、市役所で固定資産税課税台帳という、所謂「名寄帳」を取得して考えてみるのも良いかと思います。
地方公共団体によりますが、1通あたり200円程度で取得できます。
この際、所有者本人でない場合には委任状が必要となりますので、もし市役所に行かれるのであれば、委任状をご用意なさった方が良いでしょう。
また、その委任状に記載された受任者と窓口に来ている人とを照合するために、本人確認書類が必要となりますので、公的な身分証明書をご用意ください。
②について
この要件については現に使用収益をしていますので満たします。
③について
契約の締結当時において、「借りる」と言ってその土地を使わせて貰っていることと、相手方に対価を支払っていることから考えると、客観的にも「借りてる」ことが明らかになり、この要件も満たします。
④について
この要件も満たします。
上述のように、要件の一つである、無償であることが満たされていないので、この契約は使用貸借契約ではありません。
次に、賃貸借契約を考えてみましょう。
賃貸借契約は、使用貸借契約の要件のうち、有償で借りていること必要になります。
この点、先ほども述べましたように、有償である可能性が高いので、賃貸借契約になり、この目的物が土地なので、ご質問者様は借地権にもとづいて、この土地を使用収益していることになります。
さらに、この土地の上に、借りている人と同じ名義で、建物が存在し、さらに建物について、不動産登記法上の権利部登記が入っていれば、借り手は法律的にかなり優遇されます。
民法の特別法であるところの、借地借家法の適用があり、この借地借家法は、借り手を保護するために制定された法律なので、必然的にい借り手が優遇されることになるのです。
具体的にどのように優遇されるかと申しますと、貸主に対して、土地を返還する際に、建物の買取請求ができます。
通常は、賃貸借契約の場合は、借主は、返還の際に原状回復義務といって、契約当初の状態に戻して返す必要があります。
そして、植木等に関してでありますが、植木等は土地の附合物であると一般に解されておりますので、この植木に関しても建物と同様に買取を請求できます。
そして、ご質問者様も頭を抱えていらっしゃるであろう、即時の契約の解除ですが、双方の合意による合意解除でない限りは、契約を解除した側の人は相当の期間を定めて催告する必要があります。
この相当期間は、その契約の態様によって判例も様々ですが、一般的に法は不可能を強いるものではありません。
代わりの住まいを見つける程度の期間と現金で買い取れと相手方言うのであれば、それ相応の時間が必要であると考えられます。
よって、すぐに契約を解除し、立ち退くことを相手方は主張できないものと考えられます。
相談機関に関しては、金銭的に負担がかからない法テラスという国の期間に相談すると良いかと思います。
ここでは、無料で、一般的な法律相談に乗ってくれたり、また弁護士等を紹介してくれたりもします。
裁判となれば、金銭の貸し付けをしてくれる場合もあります。
最近は、司法制度改革もあり、弁護士さんも初回相談無料で相談に乗ってくれたりしますし、司法書士という登記を代理してくれる法律家もかなりの専門知識を持ち合わせておりますので、司法書士さんに相談するのも手段の一つです。
また、契約書の作成などでは、行政書士に依頼するのも手段の一つです。
いずれの期間も、初回相談は無料の場合が多いので、ご相談なさってみてはいかがでしょうか。
それでは、良いお年をお迎え下さい。