ご返信ありがとうございます。
摂食・飲水を説明しうる身体的な問題が無いという前提で回答しますが、ご主人はうつ病を呈されている可能性が高いと考えられます。
高齢者のうつ病は、しばしば身体疾患を引き金に発症し、発症後は身体症状を前面に出した病像を呈しがちです。
行っていただいたQIDSは、うつ病の診断や重症度評価のための質問票としては信頼性が高いもので、厚生労働省の研究でも使用されています。
インターネット相談では相談者様を直接診察できませんのでこのような方法をとらせていただきましたが、 QIDSにおける15点は、一般的にはうつ病の診断基準を満たす可能性がきわめて高く、可及的速やかな治療を要すると判断される結果(重度に近い中等度)です。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/kokoro/dl/02.pdfもちろん、ご主人を直接に診察できないインターネット相談で確定診断を下せるわけではありませんが、相談者様がご記載になられている現在のご主人のご様子は、うつ病の症状によるものと考えて矛盾しません。
精神科、それも老年精神医学の専門医療機関を受診されることをお勧めいたします。
先頃まで入院されていた病院で相談し、紹介状を作成してもらうとよいでしょう。
老年期の精神疾患(うつ病、認知症、その他)は、「老化」を抜きに考えることはできません。
第一に、脳の器質的な変化による心身の機能低下は、ストレスに対する耐性の低下につながり、小さな変化や刺激でバランスを崩しやすくなります。
第二に、社会生活の面では「喪失」を余儀なくされる年代にあたり、退職、重要なポスト(役職)からの引退、収入減少、配偶者や友人の死など、体力の衰えなど、失うものの多さ、大きさに愕然となることが多くなります。
一方、治療する側からみれば、老化の程度は人によってさまざまだということが診断や治療を難しくしています。
こうした患者様では、症状の現れ方も多様なものとなり、薬物療法、精神療法も個々のケースごとに異なる対応が求められます。
身体機能の低下に伴う副作用の現れやすさも、高齢者の治療を難しくする要素の一つです。
こうした側面があるために、一般の精神科・心療内科では、一定以上の年齢の患者様には十分な対処ができない場合が少なくありません。
老年精神医学の専門医療機関受診をお勧めしたのはそのためです。
下記のサイトから、日本老年精神医学会認定の専門医を検索することができますので、専門医が勤務している、通いやすい場所の医療機関を探していただければ、お困りの症状についてレベルの高い診療を受けられる可能性が高いと考えます。
【日本老年精神医学会認定 こころと認知症を診断できる病院&施設】
http://184.73.219.23/rounen/H_sisetsu/r-H.htm以上、ご参考になれば幸いです。