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カテゴリ: 特許・商標・著作権
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SNS投稿を組織が印刷して保管する行為に違法性はないのか伺いたいです。 東京都です,

質問者の質問

SNS投稿を組織が印刷して保管する行為に違法性はないのか伺いたいです。
JA: 了解しました。お住まいの都道府県を教えていただけますか?
Customer: 東京都です
JA: ありがとうございます。上記の他に、法律の専門家に事前に伝えておきたいことはありますか?
Customer: 内部通報制度を用いて、組織(相手は独立行政法人です)に伝えましたが、違法性はないと顧問弁護士が言っているとのことです。
投稿: 7 日 前.
カテゴリ: 特許・商標・著作権
専門家:  patent777 返答済み 6 日 前.
知的財産権を専門とする者です。
著作権法の制限規定(30条〜49条)が適用できる場合あるいはその投稿が著作物でない場合には違法性はありませんが、それ以外ですと違法性があり得ます。
詳細につきましては、本日の午後の早い時間帯にご説明させていただきますことご了承ください。
専門家:  patent777 返答済み 6 日 前.

 SNSの投稿文が「著作物」であれば著作権が生じていますので、これを無断で複製しますと、原則として、著作権のうちの複製権の侵害となります(著作権法21条)。

 「(複製権)第21条 著作者は、その著作物を複製する権利を専有する。」

 そこで、SNSの投稿文が著作物かどうかが重要になるものと思われます。

 この著作物とは、著作権法上、次のように規定されています。

 「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう」(著作権法2条1項1号)。

 要するに「創作的」な「表現」について著作物であるとされ、著作権が生じます。そのため、「創作的な表現」でないものは著作物とはならず、著作権は生じません。

 この「創作性」とは、完全な独創性までは要求されておらず、また、学術性や芸術性の高さも求められてはおらず、何らかの個性が現れていればよいとされています。もう少しくだけた言い方をしますと、他人の著作物の「模倣」でなければ、創作性は認められるといった程度のものといえます。

 ただし、いくら先行する他人の著作物の模倣ではなくても、人事異動や死亡記事などの事実の伝達にすぎない雑報や、単なる日々の社会事象をそのまま表現したに過ぎない時事の報道については、著作物とは認められません(同法10条2項)。

 また、「思想又は感情」の「創作的な表現」が著作物として認められますので、例えば、「東京タワーの高さが333メートルである。」といった事実そのものを表現したにすぎないものや、月の軌道データのような自然科学上の事実、電車のダイヤ等のデータ、時刻表、理科年表などデータをほぼそのまま記載しているにすぎない文章は、「思想又は感情の創作的な表現」とはいえず、「著作物」には該当しません。

 さらには、日常の挨拶文(時候の挨拶文、転居通知、出欠の問合せなど)、商用文(物品の発注、代金の督促など)、スポーツやゲームのルール自体(ルールの解説書は除く)、題号(映画、書籍、CD等のタイトル)のような短い文も「思想又は感情の創作的な表現」ではないといえます。

 長さが長い文ほど著作物として認められる可能性が高まるものとなろうかと思われます。もっとも、短い文でも俳句のような創作性のあるものであれば著作物となり得ます。

 そして、SNSの投稿文が「著作物」であれば、それを著作権者の許諾なく複製しますと、原則として、複製権の侵害となります。

 一方、制限規定(同法30条~49条)を適用できる場合には、許諾なく複製しても著作権の侵害とはなりません。例えば、私的使用を目的とする複製などの場合です(同法30)。ただし、組織が複製する場合には私的使用の目的とはなりません。

 また、最近、著作権法が改正されて新たに設けられた制限規定(30条の4)があり、その組織がこの制限規定に該当している可能性があろうかと推察されます。

 「30条の4 著作物は、次に掲げる場合その他の当該著作物に表現された思想又は感情を自ら享受し又は他人に享受させることを目的としない場合には、その必要と認められる限度において、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる。

 ただし、当該著作物の種類及び用途並びに当該利用の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。

  1. 著作物の録音、録画その他の利用に係る技術の開発又は実用化のための試験の用に供する場合
  2. 情報解析(多数の著作物その他の大量の情報から,当該情報を構成する言語、音、影像その他の要素に係る情報を抽出し、比較、分類その他の解析を行うことをいう。・・・)の用に供する場合
  3. 前二号に掲げる場合のほか、著作物の表現についての人の知覚による認識を伴うことなく当該著作物を電子計算機による情報処理の過程における利用その他の利用(プログラムの著作物にあっては、当該著作物の電子計算機における実行を除く。)に供する場合 」

 この規定のうち2号の「情報解析」に利用するためにSNSの投稿文を複製して保管している場合には、著作権の侵害にはならないこととなります。

 したがいまして、本件では、その組織がどのような目的でSNSの投稿文を複製しているかは不明ですが、推察するに、この30条の4第2号に該当する可能性はあろうかと思われます。それ以外の制限規定は適用がないものと思われますので、その複製して保管している目的がどのようなものであれのかが判明しなければ侵害の有無は断定できないものと思われます。

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