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カテゴリ: 特許・商標・著作権
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お世話になります。 私はLINEというサービスにてスタンプを作成し、販売して利益を得ております。

ユーザー評価:

お世話になります。
私はLINEというサービスにてスタンプを作成し、販売して利益を得ております。
先日、私が既にリリースしているスタンプに酷似したスタンプがリリースされているのを発見しました。その方はもちろんそれで利益を得ておられます。
キャラクターの特徴や色使いが似ているのはもちろん、
ポーズやセリフまで酷似しているものがいくつも見受けられます。
要は、誰が見ても盗作だと分かるものです。
即刻LINEに著作権侵害の申し立てをしましたがまだ返答はありません。
LINEには当然、強制排除をして頂きたいのですが、
それ以外にこの場合、損害賠償請求などは相手に請求できますでしょうか。
請求できる場合、金額はどのように計算されますか?
また、LINEはスタンプをリリースする際にLINEの審査があり、本来であればその段階で著作権侵害のイラストはリジェクトされるはずなのですが、スタンプは何万個もあるため、審査から漏れてしまったようです。
相手の方がもし反論されるとしたら、「LINEの審査はクリアしている」と言われるかもしれません。その場合、LINEにも話をしないといけませんか?
また、トラブル回避のため、私から直接その方にコンタクトを取るのは避けたほうが良いでしょうか。
宜しくお願い致します。

知的財産権を専門とする者です。

結論から先に申しますと、損害賠償請求は可能であると思われます。

損害額の算定方法は著作権法114条で規定されていますが、必ずしもその方法で算定しなければならないというわけではありません。

LINEの審査から漏れているからといって相手方がそれを理由に反論することはできません。審査に盛れようが漏れまいが実際に著作権侵害をしていることには変わらないからです。

相手方に直接コンタクトをとるのも一つの方法です。

とりあえず、概略だけ先にお答えさせていただきました。

明日(お昼頃までに)、更に詳しくご説明させていただきますことご了承くださいませ。

昨日に引き続きご説明させていただきます。

損害賠償請求が認められるには、以下の要件をすべて満たす必要があります(民法709条)。

ⅰ)故意または過失の存在

ⅱ)権利等の侵害

ⅲ)損害の発生

ⅳ)侵害と損害との因果関係

そこで、まず著作権の侵害が存在しているかどうかについてですが、相手方(以下「乙」とします)のスタンプは、質問者様(以下「甲」とします)のスタンプに酷似しており、キャラクターの特徴や色使いが似ており、誰が見ても盗作だと分かるものということですので、乙の行為は複製権(著作権法21条)ないし翻案権(同法27条)を侵害しているものと思われます。

さらに詳述しますと、複製については、複製概念を確立した有名な最高裁の判例では、複製とは「既存の著作物に依拠し、その内容及び形式を覚知させるに足りるもの」と判示しています。そのため、乙が甲のスタンプに依拠して作成し、その作成したスタンプから甲のスタンプの内容や形式を覚知させるものであれば複製となります。

一方、翻案とは、乙が自分より先に創作した甲のスタンプに修正増減を施し、新たに創作性のある表現を付加しても、乙の創作したスタンプが、甲のスタンプ(原著作物)に依拠し、かつ、原著作物の表現上の本質的な特徴を直接感得することができる場合をいいます。そして、そのように翻案されたのであれば、乙のスタンプは二次的著作物となり、乙の行為は翻案になるということになります。

すこし、ややこしい表現で理解し難いかもしれませんが、大雑把に言いますと、複製といえるほどには原著作物と近似していないが、全く別の著作物ともいえない著作物。あるいは、複製といえるほどではないが、それでもなお、二次的著作物から原著作物を直接想起させるほどに似ているといったようなものです。

実際には、どのような行為が翻案に該当するかは、著作物の種類や表現態様などによって異なり、確定的な基準は存在せず、ケース・バイ・ケースで判断せざるをえません。また、複製と翻案の厳密な境界も存在しないのが実情です。

しかし、乙のスタンプが甲のそれと酷似しているということですので複製または翻案のいずれかに該当すると思われ、そうであれば甲の権利行使という点においては変わりがないので、いずれかに該当するのであれば、構わないわけです。

なお、乙のスタンプが、甲のスタンプを翻案して作成された二次的著作物に該当する場合には、乙はその二次的著作物の著作者(著2条1項2号)となり、その二次的著作物について著作権等を有します。

しかし、二次的著作物については、原著作物の著作者である甲にも同様に著作権等が生じます(著18条、19条、20条、28条)。そのため、乙は自己が製作したスタンプ(二次的著作物)を利用するに際しては、甲の同意を得なければなりません。

また、第三者である丙が乙のスタンプを利用する場合には、乙の他に甲の同意を得る必要があります。同意を得ずに利用した場合には、甲の著作権等を侵害することになります。

さらに、乙は複製ないし翻案したスタンプをネットに掲載していますので公衆送信権(同法23条)をも侵害し、それを販売していますので、譲渡権の侵害ともなります(同法26条の2)。

以上から、乙は甲の複数の著作権を侵害しているため、ⅱ)の権利侵害の要件を満たしすこととなります。

また、乙のスタンプの販売行為によって、甲に損害が発生している場合には、ⅲ)の損害の発生及びⅳ)の侵害と損害の因果関係の要件も満たすものと推測されます。

したがいまして、乙に故意または過失があったことを証明することができれば、ⅰ)の要件も満たしますので、損害賠償請求が認められることになります。

なお、故意または過失につきましては、乙としてはLINEの審査に通ったので自分には故意や過失はないという反論をしてくることも考えられますが、そもそも審査以前の問題として、乙は他人である甲のスタンプを模倣しており、その時点で、自己の行為が著作権を侵害する可能性のあることは、現代におきましては十分に予想できたはずであると思われますので、乙には故意や過失が存在していたと主張することは十分に可能であると推測します。

続きまして、損害額の算定方法ですが、わが国の損害賠償請求制度は、実損の補填を原則としており、それに制裁的な金額を加算するといったことはしません。

現に最高裁の判例(平成9年7月11日判決)では、「我が国の不法行為に基づく損害賠償制度は、被害者に生じた現実の損害を 金銭的に評価し、被害者が被った不利益を補てんして、不法行為がなかったときの状態に回復させることを目的とするものであり・・・、加害者に対する制裁や、将来における同様の行為の抑止、すなわち一般予防を目的とするものではない。・・・不法行為の当事者間において、被害者が加害者から、実際に生じた損害の賠償に加えて、制裁及び一般予防を目的とする賠償金の支払を受け得るとすることは、右に見た我が国における不法行為に基づく損害賠償制度の基本原則ないし基本理念と相いれないものであると認められる。」と判示しています。

そのため、基本的には、実損分の損害賠償を請求することになります。

本件の場合、乙の販売により甲にどの程度の損害額が発生したのかを、甲が証拠を提示して主張立証することになります。算定方法は自己の損害額を立証できるのであればどのような方法でも構いません。

しかし、著作権侵害などの「無体物」を保護の対象とする知的財産権侵害におきましは、実際に生じた損害額を認定するのは相当に困難であることに鑑み、法律において損害額の算定規定を設けて、その算定規定に基づいて、権利者は損害額を主張立証することになるのが一般的です(著作権法114条)。
 著作権法に規定されている損害額の算定方法としましては、
 ① 公衆によって受信された本件スタンプの数量に、受信複製物の単位数量当たりの利益額を乗じた額を基本とし、その額から著作権者(質問者様甲)が販売することができない事情があるときは、その事情に相当する数量に応じた額を控除した額を損害額とする方法(同法114条1項)。
 なお、「著作権者甲が販売することができない事情」とは、他の競合製品が存在するとか、権利者甲が大量に生産する設備、資金等がない等といった事情です。
 ② 侵害者乙が侵害行為によって利益を受けている場合は、その利益額を損害額と推定する方法(同法114条2項)。

③ ライセンス料相当額による方法(同法114条3項)。これは甲が乙に対してライセンス契約をした場合における、乙の甲に対するロイヤルティ相当額を損害額とするものです。このロイヤルティ相当額は一般的なスタンプの相場を参考にして算出されるのが一般的であるといえます。
 このような算定方法が規定されています。
 権利者は、これらをの算定方法を複数組み合わせて損害賠償請求をする場合もあります。
 この算定方法によりますと、ユーザーが受信した回数を立証することができなければ①による算定方法は利用できなくなります。
 また、甲が乙の利益額を主張しても乙が甲の実損損害額を立証した場合には②による方法での損害額は認められなくなります。
 そのため、③のロイヤルティ料相当額を損害額とする場合が多いというのが実情です。
 そしますとそのスタンプの小売価格、配信価格などの一定の販売価格の5%程度の額に、スタンプが購入された回数などを乗じて得た額を損害額とするといったことになる可能性もあります。

もちろん、甲が実損分を立証できればその額が損害額となることはいうまでもありません。
 続きまして、今後の対応方法ですが、いきなり相手方乙に対して損害賠償請求をするというよりも、まずは、法的根拠を記載した警告をし、和解により解決するための交渉をするのが賢明ではないでしょうか。訴訟となりますと、判決までの期間が長く、労力や費用も掛かりますので、できれば裁判をせずに解決できるのがベストです。

相手方が法律の専門家と相談している場合には、質問者様も専門家に相談して対応なされた方がよろしいかと思われます。

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質問者: 返答済み 1 年 前.
12362;世話になります。大変勉強になりました。とりあえず私の主張はある程度認められそうで良かったです。
愛着をもって描いてるキャラクターを簡単に真似され、侮辱された気分でいました。相手はまだ何も知らずに描き続けておられるようなので、最寄りの弁護士さんに相談して、手続きを進めたいと思います。
心強いご意見をありがとうございました。

こちらこそ評価をしていただきましてありがとうございます。

また何かございましたらご質問してください。

それではご健闘をお祈り申し上げます。

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