ご質問有難うございます。
まず外貨の取引の際の換算レートについてご説明します。
・ドルを円にする場合:銀行から見てドルを買って(受取る)、円を払うという行為になる
のでTTB(銀行買入レート)というレートが適用されます。
・円をドルにする場合:銀行から見てドルを売って、円を買う(受取る)という行為になる
のでTTS(銀行売りレート)というレートが適用されます。
例えば、当日の為替相場中値が1ドル=80円だとした場合、TTSは81円、TTBは79円と
なります。中値に対して1円づつの差異が、銀行手数料という形になります。
次にドル建保険金をドル・円どちらで受取った方が良いかという点についてですが、
双方にメリット・デメリットがありますので、一概にはどちらが有利という事は言えません。
■ドルで受取る場合
・メリット:ドルを円に換算する際の換算手数料を差し引かれることなくドル口座に入金
出きる。また、為替相場の円高が続くようであれば、ドルで保有していることで
為替損が回避できる。
また現在の相場より円安になった時点で円に転換することで、現時点で円転
するより多くの円貨を受取る事が出来る。
・デメリット:ドルで保有したままの状態では日本国内で使用出来ない。
■円で受取る場合
・メリット:円口座に入金させれば、いつでも引き出す事が可能である。
また将来更に円高となった場合の為替損を回避することが出来る。
・デメリット:換算レートがTTB(銀行買入レート)適用となるので、手数料を銀行に支払う
こととなる。また現時点で円貨に換算した場合、将来円安になった場合の為替
差益を享受することが出来ない。
またドル建て保険金の相続税評価については、どちらの通貨で受取るにせよ、金融機関
が公表するTTBレートにて評価するという「財産評価の基本通達」があるようです。
為替相場の先行きについては、確定的なことは誰にも解りませんので、上記のメリット・
デメリットを基にどちらで受取るかはご質問者ご自身で判断頂くしかありません。(現在の
為替相場はユーロの問題や、米国経済不透明感から円が消去法的に買われている
という傾向はあります。一方日本も政治の不安定、財政赤字問題等多くの課題を
抱えているため、現在の為替相場レベルがいつまでも続くとは考えにくいという説も
ありますので、参考にして頂ければと思います。)
以上長くなりましたが、ご納得頂けましたでしょうか。