雇用・労働
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すでにご存知かもしれませんが、再雇用により給与が75%未満に減額になった方については、高年齢雇用継続給付金という制度があり、雇用保険から給付金がもらえる制度があります。これは、老齢年金の支給年齢引き上げにあたり、減額しての再雇用を国が推奨してきた際にできたものですが、安くてもいいから定年後も従業員を再雇用してください。その分、少額ですが国が補填しますということから始まった経緯があります。
このような経緯もあり、定年再雇用による待遇の変化については、一定程度の減額については最高裁判例でも許容しているところです。
しかし、まだ法律が施行されたばかりでもあり、事例が少なく、また、定年再雇用の位置づけ自体も企業によって異なることもあり、何パーセントならアウトで、どこまでが許容範囲という境界線ということをお示しすることは残念ながら難しいですが、月額給与のの75%は許容範囲内の可能性が高いものの、賞与不支給により年収ベースで50%程度になることが見込まれるということであれば、こちらについては問題がある可能性が高そうです。ただし、賞与については現在のコロナ禍における特殊情勢もありますので、この点は別途考慮する必要があるかもしれません。
なお、契約の成立についてですが、契約は申込と承諾で成立します。
まず、最初にご質問者様が【継続雇用を希望】したわけですが、会社はそれに対して【給与等条件の提示】をしています。したがって、ご質問者様がこれを承諾することで、契約が成立することになります。会社から求められた期日までに書類を提出しなければ、会社からの契約の申し込みを拒絶したと解される可能性があります。一方で、定年後もご質問者様が引き続き出勤をした場合には、書面未提出であっても、会社の提示した条件をご質問者様が承諾したと解される可能性もあり、非常に不安定な状況になってしまいます。