雇用・労働
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雇用・労働カテゴリ担当の特定社会保険労務士です。質問をご投稿いただき、誠にありがとうございます。
懲戒解雇が有効となるには次のような相当厳しい要件を満たすことが必要です。そう簡単には有効となりません。
①懲戒事由や懲戒の種類が就業規則に明記されていること②就業規則が周知されていること③懲戒規定の内容が合理的であること④就業規則の懲戒事由に該当した事実があること⑤平等な取扱いであること⑥処分の重さが相当であること⑦適正な手続きを踏んでいること
また、運転の態様(飲酒に至った経緯、運転に至った事情、飲酒運転を避けようとした態度、飲酒量、飲酒運転の前歴、普段の勤務態度など)も考慮されます。
貴方の場合ですと、「しばらく酔い覚ましをして4時間くらい経過」は飲酒運転を避けようとしています。また、検査で基準以下だったのでしたら飲酒量もそれほど多くなかったのではないでしょうか。
懲戒解雇が有効かどうかを判断するためのポイントは上記の通り数多くあり総合的に判断するものですし、しかも、ご相談内容の限られた情報で判断することは困難ですが、参考として回答しますと懲戒解雇は有効にならない可能性のほうが高いと考えます。
判例でも、佐賀県立高校の元教諭が飲酒後に運転をして(基準値以下の飲酒)懲戒免職となったのが訴訟により、懲戒権の濫用と判断されています。つまり、免職は取り消しです。
懲戒解雇が有効にならなければ、会社を自ら辞める場合は自己都合退職となります。すると、会社の就業規則に退職金の規定があって、自己都合退職の場合に退職金を支払う規定があれば、その規定通りに支払う義務が会社にあります。