歯科
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ご質問ありがとうございます せっかくのインプラント治療がうまくいかず とてもお困りのご様子ですね 心中お察し申し上げます ご質問にあった内容からするとインプラントの治療と言うよりは そのあとに作製した義歯の問題という印象を受けます
インプラントの埋入がうまくいったとしても そのあとに作製する義歯を十分注意深く噛み合わせを作ること 義歯完成後も その患者様の状況に応じて 義歯を調整したり 埋入したインプラントに過重な負荷がかからないように義歯の裏側をくり抜いておいたりすることなどが必要です そのあたりがうまくいっていないとご質問にあるように義歯が出来上がってからせっかくのインプラントが抜け落ちたりすることがあります
通常 上あごの場合にはインプラントを埋入して6ヶ月経過してから上部のマグネットを装着するのですが 手術時に大変しっかり固定できていると執刀医が判断した場合には3ヶ月以内に装着するケースもあります(筆者は原則6ヶ月以降にしています)
当院でも同じようなケースが1度過去にありましたが 先ほど申し上げたとおり 4本再度埋入し直して半年経過後に 十分注意深く義歯を作製やり直して 通常通り磁石を装着して義歯を完成いたしました 2年経過した現在も問題なくお使い頂いております
ご納得いかないのも最もなことです 再度相談をしたい旨 文章にして一度申し入れてみてはいかがでしょうか それでもお返事がなく取り合って下さらないのであれば文書を内容証明にするなどして 相手方の歯科医師に意思表示をすることも必要かと思います
早速 貴重なご回答をいただき、ありがとうございました。ご指摘の内容を担当医に申し入れてみます。お蔭様で今後の対応に希望が持てました。心から御礼申し上げます。一つだけ教えてください。インプラントの磁力の弱いのは如何でしょうか?
またこれからも疑義が生じた際には、ご指導を宜しくお願いします。
マグネットの磁力は製造されたばかりの新しいものでは最大になっております 出荷されたばかりのものであれば 製造当時の磁力を維持できているはずです
磁力の低下の原因としては磁性体の取り扱いに問題があったか 磁性体の取り付けに問題があったか 装着後にメンテナンスに問題があったか 義歯に取り付けた磁性体に劣化する原因があったかのいずれかだと思われます 磁性体は接着させるレジン(樹脂)の発生する熱でも磁力が低下しますが 口にするような飲食物による熱には耐えられるように作られています
磁性体の磁力は近年大きく改善されており 最近は厚さ3ミリでも800ガウスという大きな磁力を得られるものも発売されています もし再度作り直しと言うことになればそういう薄くて磁力の大きなものに換えて頂くことも解決への1つの方法ではないかと思います
磁性体と義歯に取り付けた磁性体との向きがどうであったかもポイントになります 4カ所に取り付けられた磁性体の向きがほぼ均等に応力がかかるように正しく位置づけをして取り付けをしないと磁性体が本来の力を発揮できずに脱落することもあります
また磁性体の磁力が十分であっても その上に装着される義歯の噛み合わせが強すぎたり 偏っていたりすると 義歯の動揺を起こし 当然その上に載る磁性体も破壊力が働いて 磁性体が脱落したり インプラント自体が脱落するということもあります
私自身もこれまでにインプラント4本埋入して磁性体をつけ その上に磁性体付きの総義歯を作製しているケースはたくさんありますが 失敗してやり直したケースは噛み合わせの調整がうまくいってないものでした やはり患者さんから学ぶことはたくさんあります せっかくの治療ですから あきらめず根気よく最後まで頑張って下さいね