こんにちは。
18歳の猫ちゃんで食欲低下のため病院に連れて行ったら慢性腎不全、その後に肝臓の数値も高くなったということですね。
もし看取る覚悟であれば、このままなにもしないで猫ちゃんのそばに付いていてあげればよろしいかと思います。
一番問題なのは、飼い主様が猫ちゃんをどのように看護されるおつもりか、ということです。
18歳の猫ちゃんの今 の状態としては、腎臓病を患っておりそれは慢性的なもので、治療の目標は完治ではなく、コントロールにあります。点滴(状況に応じて皮下点滴や静脈点滴)、食事療法、ビタミンb群の補給、が一般的な維持治療です。もちろん検査として血液検査、レントゲン、エコー、尿検査、をして腎臓の状態や機能低下の程度を評価することが必要です。どの程度悪いのか文章だけでは分かりかねますが、ある程度しっかり治療することで維持管理が可能な場合も多いです。人であれば週2回位人工透析をするというような治療で維持していくような治療になりますが、猫の場合は人工透析はしません。猫自身の腎臓で点滴によるろ過量を増やし尿量を増やす治療をします。
肝臓はなぜ悪くなったのか、これは腎臓病で食事がしばらく食べれなくなったために脂肪肝になったため、2次的に肝機能低下を生じたためと思います。猫は人と異なり肉食動物なので食事による蛋白の摂取ができませんと肝臓に脂肪が蓄積してしまい脂肪肝による肝障害が起きます。治療は経口的に食事を与え蛋白を摂取させることと点滴による水和、です。そのため主治医の先生は経鼻カテーテルでの強制給餌をご提案されました。
猫ちゃんの状態から考えますと、本来は入院が必要なレベルになっていると思います。
静脈点滴しつつ、経鼻カテーテルにて食事を強制的に摂取させて、腎臓の治療をしつつ、食欲不振からくる肝障害の治療をしっかりしなければなりません。どの程度助かる見込みがあるかは治療をしてみてその反応がどの程度あるかを観てみないと分かりかねますが、積極的な治療が必要な状況であるのは間違いないです。
今の飼い主様のされている治療は、飼い主様の意図がどうかは別にして、明らかに死を覚悟して看取る治療になっています。もし辛くてもそれでいいのであれば、このままその治療というより看護をしていただき、猫ちゃんのそばについていてくださればよろしいかと思います。
そうではなくて、どうにかして猫を助けたいんだ、ということであれば先ほど私がご提案したように猫ちゃんを直ちに入院させて治療をすることをお勧め致します。
腎臓は慢性疾患の急性増悪期、肝臓は腎臓病からくる2次的な障害、なので入院治療の目標は点滴による腎臓の数値の改善(腎臓病は治らない病気で生涯治療が必要)をしつつ、肝障害の完治(これは治療により治る病気)を目指すことになります。
高齢なので治療の効果をモニタリングしつつ、治療に反応しない場合には、ご自宅で看取ることになるかもしれません。治療してみないと分からない部分はあると思います。
飼い主様がどういう意図で治療方針を決められたいのか、によって治療の方法が違います。
看取る覚悟であれば、延命のためのチューブは必要なし。
助けたいのであれば、入院治療。
ということです。
お大事にして下さい。