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猫山司
猫山司, メディカルアドバイザー
カテゴリ: 精神科
満足したユーザー: 14367
経験:  医師。国立大学医学部卒業後、臨床と研究に10数年間従事
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弟がアルコール依存症で精神科に入院しています。離脱症状で救急車で病院に運ばれ、精神科にまわされ、、鍵のかかる病棟にい

解決済みの質問:

弟がアルコール依存症で精神科に入院しています。離脱症状で救急車で病院に運ばれ、精神科にまわされ、、鍵のかかる病棟にいます。本人は依存症とは自覚していません。院長先生は、否認してしまうから、病気のことを理解するのは無理と言われました。本人に恐ろしい病気だと知ってもらい受け入れてもらうには、どうしたらいいでしょうか? 何の解決もされてなく、まもなく退院させられてしまいます。なのでどうにか、本人自ら治療するという気持ちを芽生えさせたいのですが。どうぞよろしくお願いします。
投稿: 3 年 前.
カテゴリ: 精神科
専門家:  猫山司 返答済み 3 年 前.
こんにちは。猫山と申します。精神科医です。

ご記載を拝読するする限り、弟さんは今後、アルコール依存症専門の精神科に通って断酒会で活動をするという適切な治療を受ける意思は無いのだと理解してよろしいでしょうか?

まず以上、確認させていただけますと幸いです。
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質問者: 返答済み 3 年 前.

今の時点ではそうです。自分は過労で入院して、治ったと言っています。アルコール依存症の話をすると、否認するそうです。

専門家:  猫山司 返答済み 3 年 前.
ご返信ありがとうございます。

アルコール依存症の治療のゴールは断酒になります。
「適量で済ませられるようになる」という治療ゴールは絶対に達成できないとお考え下さい。
まずこのことを患者様ご本人に理解していただき、治療意欲を持っていただくことが治療のスタートになります。
しかし、アルコール依存症の場合、一般的には、周囲は困っていたり心配したりするものの、患者様ご自身はご自分が病気であることを認めたがらないため、治療に導入できないことが少なくありません。

結局のところ、患者様ご自身がお困りにならなければなかなか治療には繋がりません。
肝機能障害や膵炎を起こして身体的につらくなる、仕事に支障が及ぶ、家族生活に支障が生じて離婚を迫られる、警察のお世話になる、といった切迫した状況になって(そういう経験を繰り返して)初めて患者様は治療の必要性を感じ始めます。

治療を行う場合、外来治療も入院治療も行われますが、患者様の治療意欲が無い段階ではどちらにせよ長続きはしませんし、効果も現れません。
強制的に入院させても退院すれば再飲酒しますから、入院治療を受けられるとしても、これはご本人がそれを望んだ場合ということになります。

アルコール依存症の治療は、風邪をひいた時のように、一定期間病院に通えばよいとか、一定期間入院すればよいというものではありません。再飲酒のリスクは生涯続きますから、アルコール依存症の治療もまた生涯続きます。
必然的に、治療は、最終的にはどの患者様でも外来治療になります。
入院治療は初期の治療導入のための教育入院か、再飲酒時の治療立て直しのための入院となることがほとんどです。
教育入院は一般的に3ヶ月程度です。

また、アルコール依存症の治療は、失敗を繰り返すものだとあらかじめご理解ください。
一回の入院で断酒の意思を固め、その後は外来通院しながら生涯断酒を貫ける患者様は皆無です。
全ての患者様が、何度も再飲酒をし、外来通院を中断し、または再入院をして……といった過程を経て、ようやく断酒に行く着くという経過をたどるといっても過言ではありません。

従いまして、ご家族が治療導入からその後の定期的通院に至るまで、一貫して患者様を説得し、必要ならば病院に連れて行くことを繰り返さなければなりません。
それがアルコール依存症の治療の現実です。

つまり、相談者様が弟さんに今後も関われるのであれば、近道はありません。
率直に申し上げて、不愉快で腹立たしい経験を重ねながら、気長に気長に、弟さんを説得し、宥めすかし、医療へと繋げろ努力を、弟さんと共に継続していく必要がございます。

以上、ご参考になれば幸いです。
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