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猫山司
猫山司, メディカルアドバイザー
カテゴリ: 精神科
満足したユーザー: 14290
経験:  医師。国立大学医学部卒業後、臨床と研究に10数年間従事
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21歳、重度知的障害を併せ持つ自閉症男児の母親であります。5歳頃からドーパミン投与を、頭たたきなど自傷行為が強まって

解決済みの質問:

21歳、重度知的障害を併せ持つ自閉症男児の母親であります。5歳頃からドーパミン投与を、頭たたきなど自傷行為が強まってきた10歳頃から主治医を変えオーラップ、リスパダール、テグレドールなど数種類を変遷し、現在ではアキネトン、セレネース、エビリファイ、レポドミン、ジプレキサと多剤併用療法で情緒の安定化を図っています。過去において、てんかん発作も起こったことはなく、脳波検査でも毎回異常なしと言われております。穏やかな時期が続く時も、突然の激しいパニックを度々起こす時期もあり、明確な効果を感じられません。
1年前からジプレキサの投与が始まりまし たが、学校への不登校、緩慢な動作、1日3~4回の軟便、常に不安を抱えているのか手を握る腕を組むなど依存傾向が強化、強い眠気等が見られ、特に1年で10キロ以上の体重の増加が見られ、先月血液検査をしました。ALT値が基準値を超え、中性脂肪値も基準値上限ぎりぎりの明らかにメタボリック症候群になってきていると思われます。肉が嫌いで野菜・魚中心、炭水化物も控えめにしておりますので食事が問題でないように思われます。10年来の主治医で話をよく聞いて下さっていますが、思い切ってこの異常な体重増加は薬のせいではないかと訴えたところ、5mgを2錠服用していたレポドミンを1錠に処方変更されただけです。
昨日、偶然、新聞で向精神薬の多剤併用療法の問題点というのを見つけ、自分なりに調べ心配になり、こうしてセカンドオピニオンを伺うべく投稿いたしております。
長期にわたって観察されなければ診断は下せないものと存じておりますが、主治医が治験担当の主任もされており、薬価単価の高い飲んでもいないジプレキサが不穏時分として毎回処方されているところにも疑問を感じております。
てんかん発作も成人まで未発作であれば、今後それがあ起こる割合も少なくなると聞いております。ならば、状態も変わらず、いろいろ副作用の多い薬剤療法をもっと軽減するか最終的に無くしたいと考えております。
薬物治療を長期にわたって続けている者が、それを止める方向に進路を変えることは状態悪化などリスクの大きいものなのでしょうか?

ご回答、よろしくお願い致します。
投稿: 4 年 前.
カテゴリ: 精神科
専門家:  猫山司 返答済み 4 年 前.

こんにちは。猫山と申します。精神科医です。

向精神薬の多剤併用は、日本の精神科臨床における悪弊の一つです。

そもそも知的障害や自閉症をお持ちのお子様の鎮静目的に抗精神病薬を用いること自体、適応外処方(厚生労働省が認可した用法・用量以外の用い方)ですが、これは慣例的に許されている、臨床においてしばしば認められる処方です。
しかしセレネース、エビリファイ、レポドミン、ジプレキサという4つの抗精神病薬を併用することは全くのナンセンスです。「多剤併用療法で情緒の安定化を図」ることができるという医学的事実はありません。

向精神薬はどれも多かれ少なかれ体重増加を伴いますが、時間的な前後関係からは、ご子息の体重増加、メタボリック症候群は、ジプレキサによるものと考えて矛盾しないでしょう。ジプレキサは、もっとも高頻度に、高度の体重増加を引き起こす抗精神病薬です。
また、ジプレキサは効きはじめるまでの時間が長く、作用時間も長いので、不穏時の頓服薬としては全く向いていないお薬でもあります。

脳が未発達のお子様に対する向精神薬の投与は慎重であるべきであり、この問題は既に複数のメディアで取り上げられていますが、解決は遅々として進んでいません(よろしければ、相談者様がお読みになられたという新聞名を教えていただけないでしょうか)。

「“薬漬け”になりたくない - NHK クローズアップ現代」
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3213_all.html

「学校と精神科(3) 女子中学生の死」
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=59547


「状態も変わらず、いろいろ副作用の多い薬剤療法をもっと軽減するか最終的に無くしたい」というお考えはごもっともなものですし、それがなされるべきであると考えます。

ただ一方で、処方を開始するのは易く、中止するのが難しいのが向精神薬の特徴でもあります(それ故に、処方を開始する時点で慎重であらねばなりませんし、処方を開始するならば、いつどのように中止するのか、という「出口戦略」をもって臨むべきなのです)。

ご子息が服用されている抗精神病薬には依存性はありませんが、脳内の種々の神経伝達物質を過剰に抑制している状態で、それに対応して脳が多くの機能的変化を遂げてもいます。
ここで急に抗精神病薬を減らしてしまうと、「抗精神病薬が大量に投与されていた状態で安定している」ご子息の脳の機能に多大な変化・混乱が生じ、「状態悪化などリスク」が大きくなります。

「薬物治療を長期にわたって続けてい」ても、それが必要無いのであれば(統合失調症で抗精神病薬を服用しているのであれば生涯の服薬が必要ですが、ご子息の場合はそれにはあたりません)、「それを止める方向に進路を変える」べきです。
ただし、長期間服用した抗精神病薬を減量するには、病状の変化を慎重に観察しながら、お薬を、徐々に、徐々に(そのペースには個人差があります)減量していくべきでしょう。

もちろん、それには、適切な知識と技術をもった主治医の理解と協力が不可欠です。

以上、ご参考になれば幸いです。

質問者: 返答済み 4 年 前.

早速のご返信、また参考文献を教えて頂き有難うございました。向精神剤併用療法云々というのは、新聞記事ではなく、4月7日付け朝日新聞朝刊下段の本の紹介欄で目にしたものです。


星和書店出版で、加藤隆一監修、鈴木映二著、タイトルは〈向精神薬の薬物動態学〉です。この本を購入し、抜粋して読みました。


 


ひとつ関連した質問ですが、薬物投与の減量に際し観察するために入院することは可能なのでしょうか?


 

専門家:  猫山司 返答済み 4 年 前.
ご返信ありがとうございます。
また、書籍名をご紹介いただきありがとうございます。購入し、目を通してみたいと思います。

入院ですが、ご子息の場合は若干の工夫が必要かもしれませんが、入院しての減薬が可能であれば、それがベストです。
減薬による病状の変化の有無を細やかに観察できますから、外来で行うよりも早く、そして安全に減薬が行えるからです。

工夫が必要というのは、知的障害や自閉症をお持ちのお子様の場合、入院を含めた環境変化によって不安定になることが少なくありませんので、十分な入院期間をとって、入院環境に慣れた後に減薬を開始するなどの配慮が必要な場合がある、という意味です。
猫山司をはじめその他名の精神科カテゴリの専門家が質問受付中
質問者: 返答済み 4 年 前.

猫山先生のご意見をセカンドオピニオンとして、先日出た血液検査の結果を持って総合病院の消化器官科を受診しました。血液検査の結果と、さらに過去の投薬情報、体重の増減、全身のかゆみなどの本人の状態から、素人なりに非アレルギー性肝障害(薬剤性脂肪肝)ではないかと疑い、専門医の診断を以て精神科の主治医に進路変更を強くお願いしようと思ったからです。


しかしながら、消化器官科では、「持参した血液検査と比較すべき過去のデータがないので、なんとも言えない。精神科の薬剤は専門外なので、やはり主治医に相談してもらって、そこからの指示を仰いでください。」と、CTなどの科学的検査も行ってもらえませんでした。


 


精神・神経科に通院する患者が、治療方針の違いから主治医を離れるというのは難しい事を実感。でも猫山先生の様に、多剤併用に関してそのコントロールが重要であると説かれる先生もいらっしゃる訳で、関東圏で多剤併用を治療方針の核としない病院もしくはクリニックがあれば教えていただけないでしょうか?


 


宜しくお願いします。

専門家:  猫山司 返答済み 4 年 前.
病院紹介のご要望は多いのですが、JustAnswerでは、特定の医療機関の紹介・推薦を行っていません。

医療カテゴリの専門家が、日本全国の病院の内情を把握できているわけでもありませんし、相談者様を実際に診察しているわけでもありません。医師と相談者様の相性の問題もあります。そういう状況で、こうしたサイトを通じた病院紹介は、病院側、相談者側の両方からクレームを受ける可能性があるからです(実際、そういったトラブルは、他の専門家が手がけた事案も含めて過去に何回か起きています)。

これに関してはご了承いただけますと幸いです。
猫山司をはじめその他名の精神科カテゴリの専門家が質問受付中
質問者: 返答済み 4 年 前.


猫山先生、お忙しいところ即答頂きまして有難うございました。多分。固有の意思や病院名は出ないだろうと思っての投稿でした。今後、主治医とも治療方針について、さらに話し合いを重ねていきたいと思います。

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