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猫山司
猫山司, メディカルアドバイザー
カテゴリ: 精神科
満足したユーザー: 14137
経験:  医師。国立大学医学部卒業後、臨床と研究に10数年間従事
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私の母(73歳)は現在、躁鬱病で精神科に入院していますが、脊髄損傷下半身麻痺でもあり、寝たきりで気力が無く非常に弱々

解決済みの質問:

私の母(73歳)は現在、躁鬱病で精神科に入院していますが、脊髄損傷下半身麻痺でもあり、寝たきりで気力が無く非常に弱々しい状態が続いています。
医師からは症状が安定(固定?)しているので本人のためにも介護施設などへ移すことを勧められています。せかされてはいませんが。
家族としては何とかリハビリが出来るほどに気力を向上させ、リハビリで身体機能を少しでも回復、生活の質を向上、可能であれば父(79歳、元気)と自宅である程度自立した生活を送らせてあげたいと願っています。
これに対して何か良い手だて(精神科の病院を変える、療養型の病院に移す など)はございませんでしょうか。どうしたら母に父に少しでも幸せになってもらえるのか悩んでいます。

以下、これまでの経緯などです。
・母が躁鬱病を発症してから7年余り経っています。その間、鬱と躁を繰り返し、現在が3回目の入院です。最初の入院は躁の後重度の鬱になり半年ほどの期間でした。電気治療も行っています。退院後リハビリの病院に入院し機能の回復をしています。2回目の入院も躁の後の鬱で3ヶ月ほどの期間。それ以外は自宅から精神科に通院していました。
・2回目の入院ではセロトニン症候群を発症しており、その後の抗うつ剤の投与の制限になっていると医師より聞いています。
・3回目の入院(現在)の前は躁状態(余り重くない)で動き過ぎで転倒し腰が曲がったため躁の治療として精神科に入院させましたが、脊髄損傷が後で判明し下半身不随となってしまいました。外科手術を行い背骨に3カ所金具が入っています。
・3回目の入院から現在で2年2ヶ月経過しています。
・下半身の現状での機能について、車イスの座った状態で膝をわずかに上げることができる程度です。
・病院での母の日常は、ずっと寝たままで誰とも話をしない状態であると医師から聞いています。
・ベッドの上で下半身が動かないため、褥瘡が出来やすい状態でした。高機能の褥瘡マットを購入しましたが完全に抑えることはできず足の甲の脇に出来た褥瘡を現在別の病院に通院して治療しています。とても痛がっています。
・受けさせたいリハビリをしては、東京にある脊髄損傷専門のj-workoutというところで、一昨年に説明を聞きに行きました。ここでリハビリを行うためにはある程度のモチベーションとトレーナーとのコミュニケーション能力が必要だと感じました。
・これまでの入院では鬱から正常に戻ることが出来たのに今回戻れないのは、“寝たきりの弊害”ではないかと考え、その弊害の解消に効果があるとされる“腹臥位療法”を病院にお願いしたことがあります。一旦は取り入れてくれたものの本人が嫌がるとのことで現在は行っていただいておりません。
投稿: 4 年 前.
カテゴリ: 精神科
専門家:  猫山司 返答済み 4 年 前.
こんばんは。猫山と申します。精神科医です。

少し補足情報を下さい。

①「2回目の入院ではセロトニン症候群を発症しており、その後の抗うつ剤の投与の制限になっている」という部分がややひっかかるのですが、現在のお母様の処方内容と、それぞれの1日量を教えていただけますか?

②介護認定は受けておられるでしょうか。

以上、確認させていただけますと幸いです。
質問者: 返答済み 4 年 前.

①については現時点では把握していません。ただ、半年ほど前に新しい薬(認可されて間もない)に変えたと聞いています。これにより、症状がある程度改善された(面会でほとんど話さなかったのが少し話せるようになった)ように記憶しています。処方は、病院に問い合わせれば教えてもらえるかもしれません。ただ、私は病院および実家から遠方のため、電話をするか父に対応してもらうことになるため少々時間がかかるかもしれませんが。

②介護認定は、手続き中だと思います。3日前に病院に市役所の担当者が調査に来られて、それに立ち会ったと父より聞いています。

専門家:  猫山司 返答済み 4 年 前.
ご返信・追加情報ありがとうございます。

まず、主治医が仰られた「症状が安定(固定?)」というのは、常識的に考えれば下半身麻痺のことだと受け取りたいところです。
躁うつ病に関しては、認知症ではありませんので、良い方向に症状が動く可能性は常にあります。
ただし、「これまでの入院では鬱から正常に戻ることが出来たのに今回戻れないのは、“寝たきりの弊害”」だけではなく、お母様の加齢という要素も考えなければならないでしょう。歳を経るごとに、身体と同様、脳の自然治癒力は低下し、うつ状態は治りにくくなっていきます。
身体の問題があり、これは慢性のストレスでしょうし、脳の老化のせいでそもそもうつからの回復力も衰えつつある、というのがお母様の現状でしょう。

病院にとっては手のかかる患者様でしょうし、長期入院に対する行政からのプレッシャーは年々強まっていますので、「医療から介護へ」という昨今の風潮に従っての介護施設入所の勧めなのだと思われます。

ただ、介護施設に移ってしまいますと、うつ状態に対する積極的な介入はなされなくなりますから、事実上は「躁うつ病の症状も固定」ということになります。
この場合はj-workoutでのトレーニングも困難ということになるでしょう。

現時点でとれる手立ては限られていますが、恐らく「処方の最適化」がもっとも現実的な手段でしょう。
「療養型の病院に移す」ことは相談者様の考えられるお母様にとってのプラスにはならないと考えます。既に2年2ヶ月も一般病棟に入院されているのであれば、病院側としてはむしろ療養病棟に移ってもらいたいところでしょうが、患者様ひとり当たりの看護スタッフや医師の数が減り、「治療」は積極的には行われなくなるのが療養病棟ですから、精神状態も褥瘡も悪化する可能性が高いでしょう。

可能性があるとしたら他院への転院です。
と申しますのは、前述したとおり、現在の病院における薬物療法に疑義を持たざるを得ないからです。

双極性障害(躁うつ病)の患者様の7割がうつ状態で発症し、それは普通のうつ病と臨床上区別がつかないため大多数の患者様は当初はうつ病と診断されます。
しかし経過中に躁状態が現れると躁うつ病に診断が切り替わり、治療方針も変わります。
躁うつ病とうつ病は全く異なる病気であることが分かっており、病像が似ていても、躁うつ病の患者様のうつ状態に抗うつ薬を投与しても効果がありませんし、むしろ躁転や急速交代化、難治化といった、病状の複雑化を招きます。
躁うつ病の治療は薬物療法が中心で、気分安定薬と呼ばれる、気分の幅を一定に収めるお薬が用いられます。薬剤名としては、リーマス、デパケン、テグレトール、ラミクタールなどが気分安定薬にあたります(お母様が半年前に服用を開始されたのはラミクタールであろうと推測します)。これらのお薬は躁うつ病の躁状態にもうつ状態にも有効で、継続的な服薬を続けることで病相予防効果もあります。

しかしながら、相談者様がご記載くださった経緯を拝読しますに、主治医は、お母様が躁状態を呈し、診断が躁うつ病と定まってからも抗うつ薬を処方し続けていたのではないでしょうか。「2回目の入院ではセロトニン症候群を発症しており、その後の抗うつ剤の投与の制限になっている」のではなく、セロトニン症候群が起こる前に、お母様に対する抗うつ薬の投与は中止されるべきでした。
躁うつ病の確定診断以降に投与された抗うつ薬は、現在のうつ状態の難治性に少なからず影響を及ぼしているかもしれません。

つまるところ、現主治医には、躁うつ病の適切な薬物療法を行う知識や技術がなく、現在のお母様の処方には改善の余地がある、もしくは試行錯誤の余地がある可能性は低くありません。
したがって、「精神科の病院を変える」ことは、数少ない光明になりうるでしょう。
ただし、躁うつ病の薬物療法を適切に行える精神科医は全体の10%に満たないと言われていますから、転院先を決定するのには慎重であらねばなりませんが(JustAnswerでは特定の医療機関の推薦・紹介を行っていません。ご了承ください)。

以上、ご参考になれば幸いです。
猫山司, メディカルアドバイザー
カテゴリ: 精神科
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経験: 医師。国立大学医学部卒業後、臨床と研究に10数年間従事
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