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猫山司
猫山司, メディカルアドバイザー
カテゴリ: 精神科
満足したユーザー: 14344
経験:  医師。国立大学医学部卒業後、臨床と研究に10数年間従事
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昨年8月よりうつ病で、あるクリニックにかよっています。 下記の薬を飲んでいますが、あまり効果が出てないように感じま

解決済みの質問:

昨年8月よりうつ病で、あるクリニックにかよっています。
下記の薬を飲んでいますが、あまり効果が出てないように感じます。
薬づけ、副作用も心配です。薬が適正かどうかご意見を聞かせてください。
なにとぞよろしくお願いいたします。
デパス0.5mg毎食後1錠京3錠  サインバルタカプセル20mg朝2錠
ジェイゾロフト50mg寝る前2錠  サイレース1mg寝る前2錠

船橋市 向田
投稿: 5 年 前.
カテゴリ: 精神科
専門家:  猫山司 返答済み 5 年 前.
こんばんは。猫山と申します。精神科医です。

双極性障害(躁うつ病)の患者様の7割がうつ状態で発症し、それは普通のうつ病と臨床上区別がつかないため大多数の患者様は当初はうつ病と診断されます。
しかし経過中に躁状態が現れると躁うつ病に診断が切り替わり、治療方針も変わります。

躁うつ病とうつ病は全く異なる病気であることが分かっており、病像が似ていても、躁うつ病の患者様のうつ状態に抗うつ薬を投与しても効果がありませんし、むしろ躁転や急速交代化、難治化といった、病状の複雑化を招きます。

相談者様の処方は、ジェイゾロフトとサインバルタという2つの抗うつ薬が併用されている点が気になりますが、少なくとも、日本の精神医学の平均以上の水準の処方だとは思われます。
これが効果を発揮していないこと、また、「気持ちが常にざわつき物事に面白味を感じない」一方で、「ちょっとしたことで娘に暴力を振るってしまう」、「業者の対応を巡って3時間ほど怒りをぶつけてしまう」というエピソードからは、相談者様に双極性障害の素養があり、抗うつ薬の使用によって混合状態(うつ病と躁病が混じった状態になること)に陥っている可能性が疑われます。

主治医とこの件について相談され、必要と判断されれば、抗うつ薬を減らして、代わりに、双極性障害の治療薬である気分安定薬(精神安定剤ではありません)を処方してもらうことをお勧めいたします。

【躁うつ混合状態
「躁病」と「うつ病」の両方の特徴をもち、気分が高揚(ハイ)虚脱(ロー)の状態を同時に併せもつ状態です。
気分が落ち込んでいながらも、焦燥感があり、ひどくイライラすることもあります。
http://www.tokai-mental.jp/bipolar_disorder.html より引用。

******************************
現在、精神科領域でもっとも一般的に用いられているDSM-IV-TR(精神疾患の診断・統計マニュアル)における躁病エピソードの診断基準を以下にお示ししておきます。

本来、精神科疾患の診断はこのようなチェックリストに当てはめて考えるべきものではありませんが、このようなネット相談では使い勝手がいいので。あくまでご参考まで、ですが。

躁病エピソード

A. 気分が異常かつ持続的に高揚し、開放的または易怒的ないつもと異なった期間が、少なくとも1週間持続する (入院治療が必要な場合はいかなる期間でも良い)

B. 気分の障害の期間中、以下の症状のうち3 (またはそれ以上) が持続しており (気分が単に易怒的な場合は4)、はっきりと認められる程度に存在している。

(1) 自尊心の肥大、または誇大

(2) 睡眠欲求の減少 (例えば、3時間眠っただけでよく休めたと感じる)

(3) 普段よりも多弁であるか、しゃべり続けようとする心迫

(4) 観念奔逸、またはいくつもの考えが競い合っているという主観的な体験

(5) 注意散漫 (すなわち、注意があまりにも容易に、重要でないかまたは関係のない外的刺激によって他に転じる)

(6) 目標志向性の活動 (社会的、職場または学校内、性的のいずれか) の増加、または精神運動性の焦燥

(7) まずい結果になる可能性が高い快楽的活動に熱中すること (例えば制御のきかない買いあさり、性的無分別、またはばかけた商売への投資などに専念すること)

C. 症状は混合性エピソードの基準を満たさない。

D. 気分の障害は、職業的機能や日常の社会活動または他者との人間関係に著しい障害を起こすほど、または自己または他者を傷つけるのを防ぐため入院が必要であるほど重篤であるか、または精神病性の特徴が存在する。

E. 症状は物質 (: 乱用薬物、投薬、あるいは他の治療) の直接的な生理学的作用、または一般身体疾患 (: 甲状腺機能亢進症) によるものではない。

: 身体的な抗うつ治療 (: 投薬、電気けいれん療法、光療法) によって明らかに引き起こされた躁病様のエピソードは、双極I型障害の診断にあたるものとするべきではない。

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