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猫山司
猫山司, メディカルアドバイザー
カテゴリ: 精神科
満足したユーザー: 14357
経験:  医師。国立大学医学部卒業後、臨床と研究に10数年間従事
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付き合って半年の彼について相談です。長文ですみません。先月はじめの明け方に動悸、吐き気があり、自分で内科

解決済みの質問:

付き合って半年の彼について相談です。長文ですみません。先月 はじめの明け方に動悸、吐き気があり、自分で内科を受診、マイスリーとパ キシルが処方されています。いずれも10mgで、一日一回です。パニック障害かと思いますが、以前から 被害感が強く(メールに絵文字がないと「怒っている」と決め付け追求する、自分で「お金を貯めるから飲み会を控える」と言いながらやめられず、指摘すると「お前のために我慢していた」と話が変わり、修正も効かなくなるなど)、パニック障害以外にも何かあると見ています。薬は二週間分処方されましたが、4日ほどのんで、あとは気が向いたときに飲み、今も残薬がある状況ですが、動悸、吐き気の症状は現在はおさまっているようです。。薬を飲むこと、お酒を控えては?と、伝えたところ、怒鳴りはせず、静かな対応でしたが、「お酒は唯一のストレス発散」「そんなことを言うなら一緒にはいられない」「今までだってお前のためにお酒を我慢してきた」と言われ、その後、かなり気まずい状況です。暴力はないですが、わたしのせいだと話す他罰的な発言が増えています。彼は一人暮らしで、薬や病気のことは家族にも伝えておらず、人にどう見られるかが気になる性格なので、他の人には普段通りで、攻撃対象はわたし一人です。自分の対応のまずさもありますが、彼も内科しかかかっていないので、正式な病名は誰も知らず、仕事や友人と飲みに行くのはこれまでとかわらずなので、ただのうつではなく、非定型うつかな、と思いますが、対応が分かりません。体の重さと疲れやすさ、眠くなる時間が早くなったなどの変化もあります。付き合って半年と浅いので、どこまでが性格か病気か、どこまでわたしに転嫁している意識があるのか、判断がつかず、相談できる人もいません。どのような対応が、彼にとって最適なのか、教えていただければと思います。よろしくお願いします。
投稿: 5 年 前.
カテゴリ: 精神科
専門家:  猫山司 返答済み 5 年 前.
こんばんは。猫山と申します。精神科医です。

正直なところ、情報が十分ではありませんが、

①動悸、吐き気を訴えて内科を受診したが、処方されたのはマイスリーとパキシル⇒身体的な病気は無い

②パニック障害かと思いますが、以前から 被害感が強く⇒もともと性格的に問題がある人である

③体の重さと疲れやすさ、眠くなる時間が早くなったなどの変化⇒しかしある時点で状態の変極点はある

という仮定に基づけば、可能性が高いのは、仰るように非定型うつ病ということになろうかと存じます。

非定型うつ病とは、現在臨床・研究でもっとも広く用いられている「精神障害の診断と統計の手引き(DSM)」では「大うつ病性障害、非定型の特徴と伴うもの」と分類されます。
最近、テレビなどで話題になる「新型うつ病」という概念とほぼ重なるようにも思われますが、これはまだ精神医学上の疾患単位として認められたものではないので、私はあまり使わないことにしています。

非定型うつ病の特徴は、
1) 典型的なうつ病(定型うつ病)では変動はありながらも1日中気持ちが塞いでいるのに対して、楽しいことや自分の好きなことをしている限りは気分が明るくなります。これを「気分の反応性」と呼びます。

2) 典型的なうつ病(定型うつ病)では食欲低下・不眠が見られるのに対し、むしろ過食と過眠が認められます

3) 他者からの拒絶に敏感で、しばしば人間関係上のトラブルを起こします。定型うつ病が自責的になるのに対し、非定型うつ病では他罰的になると言われることもあります。

非定型うつ病は、そもそもが1950年代に、「従来の抗うつ薬が効かないが、モノアミンキシダーゼ阻害薬というタイプの薬(現在日本にはありません)が効くうつ病の一群」として報告されたのが始まりです。

以後、非定型うつ病が定型うつ病と同じ病気なのかどうかは論争の的でしたが、現在に至るまでその結論は出ていません(新型うつ病に関する最近の議論は、古くて新しい問題なわけです)。

ただ、臨床的にはやはり定型うつ病と同じ治療では効果が上がらない印象はあります。
薬物療法にも工夫が必要であり、また、精神療法や環境調整が必要となる事例が大半です。

できるだけ自らの責務を回避させない方がよいですし、過眠・過食を矯正するために規則正しい生活を心がけることが重要です。定型うつ病では「励ましてはいけない」「頑張らせてはいけない」とよく言われますが、非定型うつ病の患者様に対しては叱咤激励が必要な場合が少なくありません。

精神療法としては認知療法が有用ですし、環境調整としては、仕事をされている方なら移動や転職が回復のきっかけとなることもあります。

非定型うつ病の忘れてはならないもう一つの特徴が、負荷をかけられると衝動的に自殺行為に走ることがあることで、この点に対しては一定の注意が必要です。

敢えて誤解を恐れずに私見を申し上げるならば、治療が必要な「病気」であることは間違いないのだが、アメとムチを使って生活指導をしながら、結局は本人が好む方向に環境調整を図ることになることが多いという点で、釈然としない感触が残る疾患です。

身近な方々にとってはストレスフルな人物になりうるでしょう。うんざりしながらも、「うつ病」だからと、腫物を触るように患者様に接することを強いられる(感情と行動の不一致)からですが、これは周囲の方にとっても患者様ご本人にとってもいいことではありません。

上述したように、ご家族が患者様を叱咤激励してあげることも必要です。
ただ、相談者様のお立場は微妙で、ご結婚されているわけでもありませんし、法的に彼氏様に何かを強要したり責任を取れる立場でもありません。

精神科/心療内科受診を勧められるべきですが、強く拒まれるようならば、少し距離を置かれて、今後のことを考えられるのも1つの選択肢ではないでしょうか。

以上、ご参考になれば幸いです。
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質問者: 返答済み 5 年 前.
早速のご回答、ありがとうございます。

自分が予想した病気である可能性があることがわかり、何も見えなかった状態から、一歩進んだように感じます。

本当に優しい人 で、被害感がやや強めな以外は問題のない人で、発症をきっかけに態度が変わったので、
病気の影響を疑いましたが、人間関係の問題ととらえて良いのでしょうか?

わたしが不安を感じたり、生活や病気のことで彼に指摘をすることがストレスになったのかもしれないと感じるところもあり、
また、先生の仰るとおり、立場も微妙であるため、好きな気持ちはありますが、叱咤激励も感情的な思いもあり、彼が受け入れる可能性は低いと感じており、わたしは彼にとって、役に立てない、必要がない存在なのでは、とも感じてしまい、自分も辛いです。

わたしのような立場の人が、継続的に相談ができる場など、ご存じでしたら、教えていただければと思います。
距離をとることもふくめ、同じ立場の方の話なども聞いてみたいです。
居住地は彼は東京、わたしが埼玉です。


よろしくお願いします。



専門家:  猫山司 返答済み 5 年 前.
おはようございます。

> 病気の影響を疑いましたが、人間関係の問題ととらえて良いのでしょうか?
これに関しては彼氏様がうつ病だったとして、その発症に伴う環境が不詳ですので何とも判じかねます。

残念ながら、相談者様のような立場の方が、継続的に相談ができる場は無いと思います。
統合失調症ですと家族会があったりするのですが、うつ病ではそこまでの組織はありませんし、あっても、相談者様のお立場(法律的には他人)では、患者様の個人情報の問題もあって参加は難しいでしょう。
同じ立場の方ではなくて、相談員による相談ならば、あるいは地域の精神保健福祉センターの精神保健相談の枠で受けてもらえるかもしれません。

【全国精神保健福祉センター一覧】
http://www.acplan.jp/mhwc/centerlist.html

以上、ご参考になれば幸いです。

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