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猫山司
猫山司, メディカルアドバイザー
カテゴリ: 精神科
満足したユーザー: 14133
経験:  医師。国立大学医学部卒業後、臨床と研究に10数年間従事
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毎日飲む訳では無いのですが、無性にお酒が欲しくなり飲み出すと妻に隠れて多量に飲んでしまいます。飲酒運転のトラブルも数

解決済みの質問:

毎日飲む訳では無いのですが、無性にお酒が欲しくなり飲み出すと妻に隠れて多量に飲んでしまいます。飲酒運転のトラブルも数回経験しました。三年間ほど鬱状態の治療と、後頭部打撲による前頭葉損傷のため通院服薬を続けています。服用中の薬とお酒の相互作用 だとお医者さんはおっしゃいますが、何回か全く意識不明状態になり、ついに先日は救急車で運ばれ点滴を受ける状態になってしまいました。このままでは家庭崩壊も寸前ですし、世間の付き合いもまともにできそうにありません。なんとか完全断酒したいのですが自信が有りません。
 またこの際禁煙もして自己改善を図りたいのですがアドバイスお願いします。
投稿: 4 年 前.
カテゴリ: 精神科
専門家:  猫山司 返答済み 4 年 前.
こんにちは。猫山と申します。精神科医です。

方針としては、まず禁酒から始めるべきであろうと考えます。
飲酒による社会的地位の失墜が甚大で、家庭生活に及ぼす影響も甚大だからです。

少し補足情報を下さい。

■後頭部打撲による前頭葉損傷はいつどのようにして起きたのでしょうか? どの程度の症状があるのでしょう? これに対して用いられているお薬の名前と1日量を教えてください。

■うつ状態はいつからでしょう? 何かきっかけがあったのでしょうか。これに対して用いられているお薬の名前と1日量を教えてください。

■現在かかられているのは精神科だけですか?

■差し支えなければ相談者様の後生行を教えてください。

■アルコール依存症の患者会への入会や専門施設への入院は考えられていますか?

以上、確認させていただけますと幸いです。
質問者: 返答済み 4 年 前.

■約2年半前ですが、頭葉損傷は斜面で後部に転倒し石か木で打撲した。外傷は特になく現在も頭蓋骨右頭頂部に突起状の瘤が有るくらいで特に自覚症状無し。しかし数日は猛烈に頭痛がし9日間入院治療を受けた。MRIの検査によれば前頭葉の一部に白い陰が残っており、てんかん症状を予防するためデパケンR錠200 200㎎を朝夕2錠ずつ服用

■うつ状態は約3年半前頃から。母の事故死や妻との精神的な齟齬だったと思う。

スルピリド錠50㎎「アメル」 リボトリール錠0.5㎎メチコバール錠500㎎朝夕食後各1錠

寝る前 塩酸リルマザホン錠2㎎ セパゾン錠2 2㎎各1錠

■精神科と脳外科

■差し支えなければ相談者様の後生行を教えてください。の質問の意味が分かりかねますが、性格の事でしょうか。 それでしたら生真面目で実直な方だと思います。一方熱しやすく冷めやすいと思います。妻に言わせればプライドばかり高くて自分に甘いそうです。

■アルコール依存症の患者会への入会は考えていますが、近隣になく車のキーも妻に取り上げられているので通う方法に困っています。また専門施設への入院も考えますが、農業をしているため、特に水稲栽培期間の長期入院は不可能です。冬場ならかなり長期間可能だと思います。

専門家:  猫山司 返答済み 4 年 前.
ご返信・追加情報ありがとうございます。

複数の事情が入り組んだ状態のようですので、質問を重ねさせてください。

■相談者様の性格は前頭葉損傷の前後で変わったとお思いになりますか? もしくはそのように周囲から指摘されることがあるでしょうか。

■相談者様のお酒の飲み方は前頭葉損傷の前後で変わったとお思いになりますか? もしくはそのように周囲から指摘されることがあるでしょうか。「一度お酒を口にすれば酔う程飲まなくては止ま」らないのは、前頭葉損傷の以前からですか? それとも以後でしょうか?

■前頭葉損傷後に心理検査は受けられましたか? 受けられていた場合、その結果はどのようなものでったでしょうか?

以上3点、追加で確認させていただけますと幸いです。
質問者: 返答済み 4 年 前.

■ 前頭葉損傷後特に性格は変わっていないと思います。周囲からも指摘はありませんが積極性は少なくなったような気がします。

■ お酒の飲み方はそんなに変わっていないと思います。ただ意識不明状態にはなっていなかったと思います。

■ 心理検査とはどんな物かよく分かりませんが、精神科での診察は月1で受けています。

専門家:  猫山司 返答済み 4 年 前.
おはようございます。ご返信ありがとうございました。

私が質問を繰り返させていただいたのは、相談者様のアルコールの問題と前頭葉損傷に関係があるのではないと考えているからです。

前頭葉は人間の理性を司る部分ですから、ここが損傷を受けることで抑制が聞かなくなったり、自発性が低下したりという性格変化が起こります。これを前頭葉症候群といいます。

【前頭葉症候群(説明サイトにリンクしてありますので、下記ホームページアドレスをクリックしてください)】
http://www.dr-yagi.com/qa/answer_118_kokoro.htm

「兎に角一度お酒を口にすれば酔う程飲まなくては止まりません」というのは、この前頭葉症候群のために抑制が効かなくなっている結果なのではないかと思われます。
前頭葉損傷をこうむった前後でお酒の飲み方に変化はないということですが、少なくともこの要素は考慮に入れておいた方がよろしいかと考えます。

一方で、過量のアルコール摂取によって、前頭葉に障害が蓄積されていくことが知られていますから、相談者様の場合においては、前頭葉障害⇒アルコール過剰摂取⇒前頭葉障害の悪化⇒……という悪循環が生じている可能性があります。

よって、まず相談者様の病態が単なるアルコールの問題なのか、前頭葉機能障害が関与したものなのかを鑑別する必要があります。
そのためには前頭葉機能に着目した心理検査が行われるのが理想的です。

【前頭葉に関連した高次脳機能障害と評価】
http://www.nivr.jeed.or.jp/download/houkoku/houkoku52_02.pdf

まずは、こうした検査を受けて、前頭葉機能の評価を受けることが必要であると考えます。
これに関しては脳神経外科の主治医に相談されるべきでしょう。

次に、(前頭葉機能検査が行えないのであれば最初からでもやむを得ませんが)精神科主治医に、アルコール専門施設への紹介を依頼されることです。
ご記載を拝読する限りは、いま通われている病院の主治医はアルコールの専門医ではないようですが、アルコール依存は抗酒薬を服用すれば治るといった単純なものではありません。個人の努力で治すことも不可能であると考えられてよいでしょう。
専門施設での治療が必要ですし、相談者様がお住まいの地域にそうした施設が無ければ、通院は難しいでしょうから、入院を前提とした受診が望ましいでしょう。

ただし、入院の必要性や時期に関しては、相談者様のお仕事の季節性とも関係する部分ですから、受診されてから相談されるべきでしょう。秋口まで外来治療を行い、冬になったら入院、という方法をとることもできるはずです。

現在の精神科主治医が情報を持っていない場合は地域の保健所や精神保健センターに問い合わせれば情報が得られますし、そうしたところでアルコールの患者会をもっている場合もありますから、これについても相談されてみるべきでしょう。

最後に、禁煙についてですが、禁酒も禁煙も患者様にとって大きなストレスを伴う試みであり、これらを同時に行うことは相当な心的な負担になると考えます。
まずは相談者様の家庭において大きな問題となっているアルコールの問題を解決してから禁煙に挑まれるべきでしょう。
禁煙については、最近は多くの病院で禁煙外来をもっていますから、禁酒よりはハードルは低く、成功率も高いと思われます。

以上、ご参考になれば幸いです。
質問者: 返答済み 4 年 前.

今度脳神経外科を受診時に、心理テストについて相談してみます。

先生の説明で前頭葉損傷と自己抑制等との関連はある程度理解できましたが、アルコール依存もやはり前頭葉損傷に起因して過剰になるものでしょうか。

  

 精神科のDrは抗うつ薬がアルコールに敏感に反応し意識不明になったりすると言われるのですが。また自分自身の気持ちとしては既にうつ病では無くなったような気がしています。勝手に服薬を中止すれば障害が発生するものでしょうか。

 

 幸い自宅から車で30分程の会場で断酒会例会が開催されていることを知りました。妻が送って行ってくれるそうなので、今月の例会に参加しようと思っています。

 

 しかし私の症状が前頭葉損傷に大きな原因が有るとすれば、断酒会に参加しても無意味なような気もします。冒頭にも述べましたように毎日お酒が欲しくて仕事も手につかない状態でも有りませんし、飲まなくても心身とも大きなプレッシャーにはなっていないのですが。

 

禁煙についてはアルコールの問題が解決してから取り組むことにします。

 

専門家:  猫山司 返答済み 4 年 前.
ご返信ありがとうございます。

> アルコール依存もやはり前頭葉損傷に起因して過剰になるものでしょうか。
過剰になることはありえます。
前頭葉と言っても色々な場所がそれぞれ色々な機能を司っていますから、障害を受けている部位にもよりますが、「飲み始めると止まらない」というアルコール依存症の特徴が、前頭葉の損傷によってさらに増強される可能性はございます。
これはまた、心理検査によってある程度その影響を評価できるでしょう。

> 勝手に服薬を中止すれば障害が発生するものでしょうか。
服用されているお薬のいくつかは、例え現在必要性がなくなっていても、急な断薬によって反跳性の不眠や不安、時には痙攣発作といった重篤な離脱症状を呈します。

服用されているお薬の中では、リボトリール、塩酸リルマザホン、セパゾンが、急に止めてしまうとそのような不都合が生じるお薬です。

一方で、これらのお薬がアルコールとの飲み合わせが悪いお薬ですから(何回か全く意識不明状態になったのは、これらのお薬とアルコールの相互作用だと思われます)、必要を感じられておられないのであれば、精神科主治医と相談して、計画的に減量・中止されるべきでしょう。

 

> 幸い自宅から車で30分程の会場で断酒会例会が開催されていることを知りました。今月の例会に参加しようと思っています。

これは朗報で、是非そのようにされるべきでしょう。

 

> 私の症状が前頭葉損傷に大きな原因が有るとすれば、断酒会に参加しても無意味なような気もします。

まず、無意味ということはないですよ。

前述しましたが、アルコールの飲用そのものでも前頭葉の障害が起こります。アルコール依存症の方はそれだけで既に前頭葉にアルコールによる障害が生じていることになりますが、それでも断酒会等の効果はあります。

相談者様はそこに外傷性の前頭葉損傷の影響が加わっているかもしれないわけですが、だからといって治療の効果が上がらないわけではありません。

何より、「このままでは家庭崩壊も寸前ですし、世間の付き合いもまともにできそうにありません」という状態であるわけですから、やはり考えられる治療はされるべきでしょう。

猫山司, メディカルアドバイザー
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    平成16年 滋賀医科大学医学部医学科卒業 千鳥橋病院初期研修医平成18年 滋賀医科大学精神科後期研修医平成20年 滋賀医科大学精神科助教平成22年 滋賀医科大学地域精神医療学講座特任助教平成23年 滋賀医科大学精神科外来医長(兼任)
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