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猫山司
猫山司, メディカルアドバイザー
カテゴリ: 精神科
満足したユーザー: 14384
経験:  医師。国立大学医学部卒業後、臨床と研究に10数年間従事
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海外在住の日本人友人がタイ旅行中に交通事故にあいました。旦那さんが運転するバイクの後ろに乗っていたところ、トラック

解決済みの質問:

海外在住の日本人友人がタイ旅行中に交通事故にあいました。旦那さんが運転するバイクの後ろに乗っていたところ、トラックにうしろからはねられ転倒。右足をひどく痛め、現地の質素な病院に運ばれましたが6~7時間治療もしてもらえず、医師が来た時には8リットルも輸血。その後、本国送還される まで2週間、5回の手術を受けやっと滞在国に戻りました。滞在国での第1回目の手術で小指切断、あと踵、側面にかなりダメージがある様で、その後4回のクリーニング手術の後培養皮膚移植。その間にバクテリア感染症にもかかる。1回目の皮膚移植後、3回(その間3週間)のクリーニング手術を受けたあと、先日2回目の、今回は自分の腿 の皮膚から移植。などなど、事故以来もうすぐ2ヶ月。病院では絶対安静を命じられ、なるべく動かないようにとの指示。完治はまだまだ遠い話のようです。彼女の今一番の問題は事故当時のトラウマが(事故後の自分の足の状態を見た時のショックプラス想像を絶する痛さ)今だに続いており、医師や看護婦さんに治療の為触られると、触られる前から痛みが蘇り、触られる事に拒絶反応が出るそうです。睡眠もあまりとれないそうです。滞在国でもカウンセリングを2回受けています。彼女曰く日本人と欧米人では精神性が違うので、カウンセリングの意義に疑問があるそうです。こういう事故後の強烈なトラウマに対してどういった治療法をお勧めになりますか?よろしくお願いします。
投稿: 5 年 前.
カテゴリ: 精神科
専門家:  猫山司 返答済み 5 年 前.

おはようございます。猫山と申します。精神科医です。

 

回答前に少し補足情報を下さい。

 

■そもそも、現在まで2回受けられたカウンセリングとは、どのような内容のものだったのでしょうか? 何をテーマとして、どのように話を聞かれるセッションだったのでしょう?

 

■精神科に相当する診療科にはかかられているのでしょうか。

 

■不眠や過敏性があるようですが、精神科的な薬物療法は受けられていないのでしょうか。

 

以上、確認させていただけますと幸いです。

質問者: 返答済み 5 年 前.

時差の関係で少し返事が遅れてしまいすみません。

現在までに受けた2回のカウンセリングと言いましても 1人目のカウンセリング師とどうしてもフィーリングが合わず、(黒人男性だったそうで、人種差別ではありませんが抵抗があったそうです。)2回目は違うカウンセリング師から受けました。内容は2回とも同じような物で、本人のフラストレーションの元を追求する、また死をおそれるかどうかなどの質問があったそうです。フラストレーションの元は事故そのもののショックはさておき、ここ2ヶ月間、ベッドに釘付けになっており、動けない状態に対する物で、それについてははやり、自分の人生を自分でコントロールできない状況に対してであるという見解。

こちらに付きましては本人も自覚があり問題はないのですが、

しかし、今一番の問題は事故当時のショック、とれに伴う痛みに対するトラウマです。

瞬間的に身体ともに受けたショック、トラウマの治療法が知りたいです。こちらでは催眠療法なども使うようですが、どうでしょうか。

 

精神科医に相当する診療は今のところ上記のセラピーだけのようです。

言葉も問題があり、担当のセラピストを見つけるのに時間がかかりました。

 

薬物利用法は受けていません。まだまだ傷の手術が続いていますので、毎日モルヒネにAnriBioticを使っています。

 

回答になったでしょうか?

質問者: 返答済み 5 年 前.

専門科からの回答投稿のEメールが来ましたが回答が見つかりません。。。

専門家:  猫山司 返答済み 5 年 前.
回答が消えてしまったかも知れません。
再度書き直しますのでしばしお待ちください。
質問者: 返答済み 5 年 前.
了解です。
質問者: 返答済み 5 年 前.
了解です。
専門家:  猫山司 返答済み 5 年 前.

ご理解いただきありがとうございます。

長い回答でしたので(届いていないのであればショックです……)、再現に時間がかかるかもしれませんが、今夜中には再送いたします。

 

※このメールには返信せずにそのままお待ちいただけますと幸いです。

専門家:  猫山司 返答済み 5 年 前.

お待たせしました。

 

まず、結論から申し上げるのであれば、現在ご友人が受けられている治療(カウンセリング+催眠療法(?))は、トラウマの治療において最適なものではない可能性が高いと考えます。

これは、ご友人が仰っているような「日本人と欧米人では精神性」の違いに由来するものでは必ずしもありません。

ご記載を拝読する限りは、ご友人は外傷後ストレス障害(PTSD)の診断基準を満たしている可能性が高いと思われます。少なくともそれに準じた状態ではあるでしょう。

 

PTSD、もしくは心的外傷(トラウマ)の最適な治療に関しては、まだ結論付けられていないのが現状です。

トラウマ治療の研究・臨床においては、精神医学と心理学が入り混じり、またそれぞれの中で学派によって主張が異なるため、有効な薬物療法、有効な心理療法、逆に、無効であったり有害であったりする治療的アプローチについても議論百出で混沌としていた時期があり、近年になってようやく一定のガイドラインが作成されつつあります。

 

現在では、PTSDが「脳の病気」としての側面を間違いなく備えていることが判明しており、ある種の薬物が少なくとも対症的には有効で、しかし依然として心理療法が治療の中心を占めます。

 

【心理療法】

狭義のカウンセリング(ご友人が受けられているのはこれだと思われます)はトラウマの治療に有効ではないことが確認されています。

 

有効性が確立していると言ってよいのは、認知行動療法(CBT)とEMDR(Eye Movement Desensitization and Reprocessing:眼球運動による脱感作 と再処理)で、どちらを行うにも治療者側が一定の訓練を積んでいる必要があります。

 

催眠療法(催眠状態で暗示をかけ、深層意識に「トラウマは癒えた」、「あなたはもう安全だ」などと、ポジティブなメッセージを送る)は、行われている施設もありますが、有効性が確立しているとは言えません。

 

【薬物療法】

SSRI(選択的セロトニン再取り込阻害薬)と三環系抗うつ薬、バルプロ酸(抗てんかん薬であり、躁うつ病の治療薬でもあります)、一般的な抗不安薬が、PTSDの症状に、少なくとも部分的には有効であることが臨床研究で確かめられています。

 

 

以上のような知見から、PTSDを治療する場合には、訓練を受けた精神科医と臨床心理士が協働して、体系的・複合的な治療を行う必要があります。

ご友人が現在どちらの国のどのような医療機関で治療を受けられているかどうかはご記載がありませんが、私がご友人の治療を日本で行うとすれば、以下のような方法をとるであろうと考えます。これは国際標準を大きく外れたものではないはずです。

 

①当然ですが、PTSDは精神科疾患ですので、精神科を受診していただきます(身体状況からして精神科医が往診する形になるでしょう)。

 

②まず初めに薬物療法を開始します。心理療法では患者様ご自身がトラウマに向き合わなければなりませんが、夜も眠れず、外傷の治療でも過剰反応を呈するようなご友人の現在の状態ではそれを行うことは困難です。SSRI、バルプロ酸、精神安定薬を十分量投与し、夜間の睡眠を確保し、日中の不安を軽減して、心理療法を行えるだけの土台をまず作っていただきます。

 

③薬物療法の効果が得られるには1~2ヶ月を要します。それまでは臨床心理士の関わりは、本格的な治療を行うまでの良好な関係作りに費やされるでしょう(もしかしたら、現在ご友人が受けられている「カヌンセリング」は、この準備段階であるのかもしれません)。

 

④薬物が一定の効果を発揮し、心理士との信頼関係が出来上がったところで認知行動療法に導入します。患者様にトラウマの元になったエピソードを話してもらい、それに対する認知を修正し、また、そのエピソードを想起させるような現実の場面にしだいに曝露していく治療法です。

 

 

よって、ご友人の治療において足りないのは、まずきちんとした精神医学的治療セッティングと、精神的な苦痛を即効性をもって和らげるための薬物療法ということになります。

何より問題なのは、治療者側が、ご友人のトラウマに対する治療方針を、ご友人に十分に説明していないことでしょう(治療方針が無い可能性もありますが)。

 

以上、ご参考になれば幸いです。

質問者: 返答済み 5 年 前.

個人的な情報は避けていましたので在住国を記載していませんでしたが、スイスに住んでいます。 従って、医療事情は非常にレベルの高いものでありますし、また精神科に関しましても、きちんとしたサポートができていると思います。ただ、やはり国民性の違いで治療法なども事なるのかなという疑問もあり、日本の治療現状をお尋ねしました。

日本でもやはり薬物治療が施されるという事が分かり大変参考になりました。(薬物治療にはやはり抵抗がありましたので。)

先生の治療法からしますと、現段階では、①のところにあてはまると思います。

その後の治療の進め方も詳しい事は私では分かりかねますが、話に聞くところによりますとスイスでも同じようなプロセスをふむと思います。大変丁寧で貴重なご意見ありがとうございました。

 

専門家:  猫山司 返答済み 5 年 前.
少しでもお役に立てたのであれば幸いです。
ご友人のご快癒を祈念しております。
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