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猫山司
猫山司, メディカルアドバイザー
カテゴリ: 精神科
満足したユーザー: 14357
経験:  医師。国立大学医学部卒業後、臨床と研究に10数年間従事
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パニック発作が度々起きるため、現在通院中です。 以前は子育てや離婚問題、仕事の多忙などで抑うつで通院歴があります。

解決済みの質問:

パニック発作が度々起きるため、現在通院中です。
以前は子育てや離婚問題、仕事の多忙などで抑うつで通院歴があります。
現在、抑うつ状態がまたあり、眠れない毎日を過ごしています。

先日、失業の手続 気のために担当医から診断書を書いていただきました。
その病名が「広場恐怖」とあったのですが、これはパニック障害とは異なる病気なのですか。
パニック障害、広場恐怖では程度が軽いのはどちらになるのでしょうか。

広場恐怖という病気は治るものなのですか?お薬を処方され、抗不安剤も頓服で服用していますが、あまり効果が感じられていません。


ご回答よろしくお願いいたします。
投稿: 5 年 前.
カテゴリ: 精神科
専門家:  猫山司 返答済み 5 年 前.
こんにちは。猫山と申します。精神科医です。

広場恐怖はそれ自体が独立した病気で診断基準もありますが、多くの場合、パニック障害の併存症として扱われます。相談者様の場合は「広場恐怖を伴うパニック障害」という診断名になっているのではないかと推察します。

広場恐怖における「広場」とは、広い場所、という意味ではなく、「発作が起きてもすぐには逃げ出せない、助けを求められない場所」という程度の意味です。飛行機などは典型ですし、電車、バス、地下鉄、人ごみなどもこれに当てはまります。

治療は薬物療法が主体になりますが、それだけでは広場恐怖が治りきらないこともあります。

相談者様の場合も、まず薬物療法でパニック発作を一定以上までコントロールした後に、行動療法を用いて行動範囲を広げていく必要があると思います。

パニック障害の薬物療法の定石は、まずSSRIと呼ばれるカテゴリーの薬剤と安定剤を適切に用いて発作をコントロールすることです。つまり、ご懸念の通り、薬物療法のみの現在の治療では治りきらない可能性が大です。

広場恐怖を伴うパニック障害の場合、平素は発作が起こらなくなってきたあたりで、行動療法を並行して行います。

ここでは、もっとも多く見られ、説明もしやすいので、「1人で電車に乗れるようになる」ことを目標とした例をあげますが、これを患者様ごとにアレンジしたものが行われます。

具体的には、以下のように行います。

安定剤を飲んだ30分後に空いている時間帯に各駅停車に1駅分、誰かと一緒に乗る。
⇒これで発作が起こらなければ、同じ条件で2駅分乗る
⇒やはり発作が起こらなければ、安定剤を飲んだ30分後に各駅停車に2駅分、1人で乗る
⇒安定剤は飲まず、しかし持参して(水なしでも安定剤を飲めるようにしておくと便利です。できなければペットボトル持参)、発作の予兆があったら服用することにして各駅停車に2駅分、1人で乗る
……というふうにステップアップしていきます。

元も子のない、というか、ある意味わかりやすいアプローチではないでしょうか。

これを行動療法的アプローチといいます。行動療法で大切なのは「成功し続けること」です。

電車に乗ってパニック発作が起こると、次に乗るときも「また発作が起きるのではないか?」と無意識に思ってしまうでしょう。

これを「予期不安」といいます。

予期不安はパニック発作の呼び水となり、発作を起こしやすくします。そのような状態で電車に乗れば、またパニック発作が起きてしまいます。
すると、「やはり電車に乗ると発作が起きるんだ」という確信が深まってしまい、その次に電車に乗る時の予期不安をより強いものにし、より発作が起こりやすくなります。
このようにして条件反射の悪循環が生じ、電車に乗るのが怖くなってしまうのです。

行動療法はこの循環を逆に回し、電車に乗っても発作が起きない経験を積むことで予期不安を小さくしていきます。

薬物療法だけではなく、行動療法も指導してくれるような心療内科/精神科に通われるのがベストと考えます。
そうした医療機関が見つからなければ、ご自分で行動療法的に行動範囲を広げていく努力をされるようにすべきだと考えます。

くれぐれも失敗しないように、ですが。

パニック障害のような病気は、治療が進むにつれて医者や薬の果たす役割は減っていき、患者様自身の病気との向き合い方が重要な要素になっていきます。

広場恐怖を伴うパニック障害の行動療法の本はたくさん出版されていますので、相談者様に関してはお役に立つと思います。

以上、ご参考になれば幸いです。
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