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猫山司
猫山司, メディカルアドバイザー
カテゴリ: 精神科
満足したユーザー: 14138
経験:  医師。国立大学医学部卒業後、臨床と研究に10数年間従事
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55歳の女性です。幼少の頃から鬱症状があり若い頃は躁鬱が激しく、常に自殺願望があり、結婚できる状態ではありませんでし

解決済みの質問:

55歳の女性です。幼少の頃から鬱症状があり若い頃は躁鬱が激しく、常に自殺願望があり、結婚できる状態ではありませんでした。昔は心療内科の開業医院も無く、精神病院に行く事も出来ず、何とか仕事を続けて一人で生きて来ました。7年前、不眠症で心療内科に受診し冬季鬱病もあるとの事でハルシオンとパキシルを処方されました。不眠は治ったので半年で止め、パキシルは吐き気とふらつきが酷く医師の指示ですぐ辞めました。食事や体操・精神修行等自己流でしましたが、特に冬季鬱が強く、更年期障害もあり、この2~3年は仕事の資格試験や転職もあり、人間関係の複雑な責任の大きい仕事の為、心身の不調が激 しくパニック症状もあり、発作的に死んでしまいたい衝動に駆られたり、体もおかしくなり漢方処方のある心療内科に行き、この10月からレキソタン2mと漢方薬を飲んでいます。少し落ち着きましたが、一時的な鬱では無く、子供の頃からですので、薬を止めたらまた元に戻ってしまうのか?セロトニンの神経関係に障害があるのか聞こうとしたら、医者が「この薬が効くかどうかが必要でで、セロトニンなんか説明する必要ない!と怒鳴られました。友人に薬の常用で急死したり自殺した人がいるので、出来れば早めに止め、漢方やサプリ・食事療法だけにしたいと思いますが、私の場合、生まれつきの体質で完治はしないのでしょうか?閉経後は躁はほとんど無く鬱が主です。女の職場や女の家族や女の友人には特に気を使い、相手が我儘になったり依存してくると疲れてしまいます。一人でいるのが静養となっています。
投稿: 5 年 前.
カテゴリ: 精神科
専門家:  猫山司 返答済み 5 年 前.
こんばんは。猫山と申します。精神科医です。

これはなかなか難しい回答になります。
ご承諾いただけない(=報酬が発生しなくなる)リスクを敢えて冒して申し上げるならば、相談者様の疾患や治療に対する認識は適切なものではなく、症状改善のためには、根底から考え方を変えて治療に取り組む必要があるでしょう。

精神科病院の受診のハードルが高かった時代に発症され、自己流で病気との付き合い方を工夫され、病気についても勉強されてきた相談者様の人生には敬意を表したく思いますが、間違っている部分については間違っているとしか申し上げようがございません。

結論として「躁うつ病は生涯に渡る薬物療法が必要な疾患ですので、お薬を止めることはできません」という回答になりますが、それが受容可能であればご返信ください。詳しく説明し、今後の治療についても助言を差し上げることができます。
その結論に至るような回答をお求めでないのであれば、「オプトアウト」という機能を用いて再質問なさってください。それをもって、私以外の専門家からの意見を求めるというサインになります。
猫山司, メディカルアドバイザー
カテゴリ: 精神科
満足したユーザー: 14138
経験: 医師。国立大学医学部卒業後、臨床と研究に10数年間従事
猫山司をはじめその他名の精神科カテゴリの専門家が質問受付中
質問者: 返答済み 5 年 前.
現在の医者からは中等度の鬱病としんだんされています。
専門家:  猫山司 返答済み 5 年 前.
その診断は間違っていますし、どの診断が正しかったとしたら、処方の方が間違っています。

長い回答になりそうですので、明日以降対応させて下さい。

ご理解のほど何卒よろしくお願いいたします。

なお、この回答に対して返信はしていただかなくて大丈夫です。
猫山司, メディカルアドバイザー
カテゴリ: 精神科
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経験: 医師。国立大学医学部卒業後、臨床と研究に10数年間従事
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専門家:  猫山司 返答済み 5 年 前.
お待たせしました。本格的に回答させていただきます。

まず、うつ病と躁うつ病は異なる疾患であって、必要とされる治療もまったく異なることをご理解ください。
【厚生労働省 みんなのメンタルヘルス総合サイト より】
http://www.mhlw.go.jp/kokoro/disease/bipolar.html

人生のうちに一度でも躁状態を呈したならばその後ずっとうつ病相しか起こらなくても躁うつ病です。「昔は躁うつ病だったけど、いまはうつ病」ということはありません。
そもそも、躁うつ病と言っても躁病相とうつ病相が交互に現れるわけではなく、大半の時期はうつ病相で、稀に躁状態を呈するていどなのです。
【躁うつ病(気分障害)│病気事典│ここカラダ】
http://www.cocokarada.jp/disease/detail/K4170009/index.html

ただし、躁うつ病のうつ状態と、うつ病が、臨床的に全く区別が付かないことも確かです。
従って、診察医が、相談者様が過去に躁状態になったことがあると知らずに治療を行った場合は、うつ病として治療してしまう可能性があります。
その場合の問題点は、まず第一に、うつ病の治療――通常は抗うつ薬が、躁うつ病のうつ状態には効かないことです。
うつ病は、脳の中のノルアドレナリンという物質とセロトニンという物質が足りなくなるために発症するという仮説が有力で、実際、現在臨床で用いられている抗うつ薬はすべて、脳内のノルアドレナリンかセロトニンのどちらか、または両方を増やす作用をもつお薬です。
こうした抗うつ薬が、うつ病には効くけれども躁うつ病のうつ状態には効かないということは、躁うつ病患者である相談者様のうつ状態は、セロトニン欠乏によるものではないということです。
脳内セロトニンを増やすような食事療法があったとしても、相談者様のうつ状態には効果がないことにもなります。

第2の問題点は、抗うつ薬は躁うつ病のうつ状態に効かないばかりでなく、躁うつ病を悪化させることが判明していることです。躁うつ病の患者様が抗うつ薬で治療され続けた場合、難治化したり、「躁転」や「急速交代化」という、患者様にとってきわめて不都合な病態を呈することが知られています。

ではどのような治療が行われるべきか、という点については、項を変えて説明いたします。
猫山司, メディカルアドバイザー
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専門家:  猫山司 返答済み 5 年 前.
続きです。

躁うつ病の治療に用いられるお薬は、「気分安定薬」と呼ばれるものです。精神安定剤とは違うものなのでご注意ください。
具体的なお薬としては、炭酸リチウム、テグレトール、バルプロ酸、ラモトリギンという4種類のお薬が日本で使用可能です。
気分安定薬は躁うつ病の患者様の気分の振れ幅(うつ状態⇔躁状態)を小さくして、うつと躁の両方を防ぐための予防薬で、血圧のお薬などと同じように、生涯に渡って服用し続けることが必要です。

気分安定薬には効果が最大限に出て副作用は最小限で済む「有効血中濃度」があるので、採血をしてお薬がどれくらい血液の中に溶け出しているかを確認しながら、個々の患者様に合った用量を決めていきます。

気分安定医薬を服用していても、ストレスがあったり環境の変化があったりするとうつ状態や躁状態になることはあります。
そうした場合はまず第一に、有効血中濃度の範囲内で気分安定薬を増やします。
それでも病状が治まらなければ、うつ状態であれば抗うつ薬を、躁状態であれば抗精神病薬を慎重に使用します。
躁うつ病の患者様に対して、抗うつ薬や抗精神病薬を単独で使うことは、治療論的に間違っており、短期的には症状の改善が得られても、長期的には躁うつ病そのものが難治化していきます。
猫山司, メディカルアドバイザー
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専門家:  猫山司 返答済み 5 年 前.
従いまして、相談者様の場合、7年前にパキシルを副作用のために服用できなかったことはむしろ幸運であったかもしれません。

ただ、初めに述べたように、治療は必要です。
幼少期から躁うつが認められ、うつには季節性があるとなると、これは心理的要因による「心の病気」というよりは体質的な「脳の病気」という側面が強いと考えられます。もちろんだからといって心理療法的なアプローチが軽視されるべきではありませんが、治療の軸のひとつとして薬物療法は必須となるでしょう。

漢方薬やサプリメントだけで良い状態を維持したいというご意向がおありのようですが、外部から異物を取り入れて脳や体の状態を変えようとする試みであるという点で、漢方薬も西洋医学の薬も考え方に大差は無いと私は考えます。
一般的に漢方薬は副作用が少ない、もしくは無いというイメージが先行しがちですが、これは迷信であると考えるべきでしょう。作用があるということは人体内で何らかの変化を起こすということであって、その変化が望ましくないものであれば副作用として現れます。
http://www.sod-jp.com/page1/sikkanbetu/05/5-8.htm

もう一つの問題は、躁うつ病に効く漢方薬が無いことです。
西洋のお薬と同レベルの水準で治験が行われ、有効性と安全性が確認された漢方薬があればそれを服用してもいいと思いますが、残念ながらそうしたお薬は現在までのところ存在しません。

従って西洋医学のお薬を用いた治療が相談者様には必要、ということになりますが、その治療を現在通われている心療内科で十分な治療を受けられる可能性は低いでしょう。
質問した患者を怒鳴りつける時点で医師失格ですが、相談者様の病歴に基づいて「中等度のうつ病」という診断を下すのも的外れなら、それに対してレキソタンと漢方薬しか処方しないのも問題外と言えます。
病歴からは躁うつ病と診断して然るべきですし、仮に中等度のうつ病ならば抗うつ薬を中心とした治療を行うべきです。
恐らく現在の主治医に躁うつ病を治療するために必要な知識も技術も無いでしょう。「セロトニンの神経関係」の質問をされて怒り出したのは、そもそもうつ病とセロトニンの関係すらよくわかっていないために誤魔化そうとしていたのではないでしょうか。

他の精神科/心療内科に受診され、躁うつ病としての適切な治療を受けられることをお勧めします。

長くなりましたが、以上が私からの回答となります。
少しでもご参考になれば幸いです。
猫山司, メディカルアドバイザー
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