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猫山司
猫山司, メディカルアドバイザー
カテゴリ: 精神科
満足したユーザー: 14198
経験:  医師。国立大学医学部卒業後、臨床と研究に10数年間従事
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31歳 男性 中学校教員です
 休職して1年半が経過しました。症状がなかなか改善しないため,休職延長となりました。平成21年8月にうつ状態と診断されましたが,その後平成23年8月に双極性障害Ⅱ型と診断名が変わりました。デプロメ-ルを飲んで躁状態になったためです。
 思い起こせば20代前半から元気な時とう つ状態のときを繰り返していました。先日、教育テレビで取り上げられていた「若者の双極性障害」をみて,自分にぴったりと当てはまると感じました。

 ここからがお聞きしたいところです。昨日病院で,担当医から双極性障害が治るのは6割から7割。あとの3割から4割はよくなったり悪くなったりをずっと繰り返す…つまり治らないとのことでした。これから先、10年も20年も症状が良くならない可能性があることを知ってとてもショックです。さらに、完治した人でも、再発しない人は2割だと言われました。親や恋人には,自分の体調のこと、診察で言われたことほぼすべて報告してきました。けれど,今回はとてもじゃないけれど話せません。

 わたしは、これから先ずっと仕事ができないのか。経済的に親が70,80,90歳ないになっても世話になるのか。結婚もできないのか。恋人と別れたほうがいいのか。そんな思いが頭を駆け巡ります。

 私の担当医が話したことは本当なのでしょうか?
 
 うつ病についての本やインタ-ネットには,うつ病は、薬と休養で必ず治ると書いてあります。双極性障害も同じだとわたしは思っていました。やはり,うつ病と違い双極性障害は完治しない可能性も低くないのですか?
投稿: 5 年 前.
カテゴリ: 精神科
専門家:  猫山司 返答済み 5 年 前.
こんにちは。猫山と申 します。精神科医です。

まず、主治医の説明が正しいか否かですが、正しいと考えます。
躁うつ病(双極性障害)は、薬を飲まなくてもよくなるという意味での完治はありません。
10割の患者様が生涯に渡る薬物療法を必要とします。そのうちの6割が薬を飲んでいれば躁状態、うつ状態ともにコントロールされ、4割が薬を飲んでいても病相のコントロールが完全にはなされない、ということです。薬でコントロールがついた場合でも、何らかのストレスに伴う再発がありうるのも事実です。

ただ、これはうつ病についても言えることです。
「うつは心の風邪」とか「うつは薬と休養で治る」というのは一昔前の間違った認識で、うつ病もまた完全寛解に至る患者様の割合は6割程度で、生涯に渡る服薬が必要であり、再発も多い慢性疾患であることが認識されるようになっています。

慢性疾患ですから、病気とどのように付き合っていくかを考えていくことが大切です。
その意味では相談者様のご懸念は飛躍しすぎと申しますか、極端に走りすぎているようにお見受けします。
糖尿病や高血圧を持病としてお持ちの患者様の大半が薬をうまく使いながら「普通の生活」を送られているように、うつ病や双極性障害の患者様も適切な維持療法を受けていれば、仕事をし、家庭生活を送ることが出来ます。

これまでうつ病や双極性障害が慢性疾患だという認識が無かったところにその告知がなされたわけなので混乱されていることは理解いたします。
しかしいずれかの時点かで疾患を受容し、疾患とともに生きていく覚悟を決める必要はあるでしょう。

以上、ご参考になれば幸いです。
質問者: 返答済み 5 年 前.

わかりやすく説明していただきまして、ありがとうございます。

担当医の話の意図がわかってきたような気がします。

 

「10割の患者様が生涯に渡る薬物療法を必要とします。そのうちの6割が薬を飲んでいれば躁状態、うつ状態ともにコントロールされ、4割が薬を飲んでいても病相のコントロールが完全にはなされない、ということです。薬でコントロールがついた場合でも、何らかのストレスに伴う再発がありうるのも事実です。」(引用)

 

4割が薬を飲んでいても病相のコントロ-ルが完全にはなされない。ということですが、その場合仕事をするのは難しいのでしょうか。私の第一希望は教師復帰です。第二希望は別の仕事でも収入を得ることです。いずれにしても,経済的に自立し,家庭を築き,慎ましくも平穏な暮らしができればと思っています。しかし,教師復帰ができないどろこか,仕事さえままならないようであると…。4割の人は仕事をして経済的に自立することは難しいのでしょうか。(もちろん4割の人の中にも軽重があるとは思いますが。)

専門家:  猫山司 返答済み 5 年 前.

ご返信ありがとうございます。

 

維持治療の必要性、特にⅡ型に対するそれについては精神科医間でコンセンサスが形成されていない分野なので、私の見解は見解として、改めて主治医と今後の治療方針について話し合われるべきだと思います。

恐らく前回の受診では「治らないかもしれない」という事実を告知されたショックでそれどころではなかったでしょうから。

 

双極性障害の予後研究は、特に日本で遅れている分野です。

長期的にどの程度の社会適応が得られるかどうか、 文献を当たってみましたが、論文等で明確に示されているものはみつかりませんでした、

 

従ってここからは私の経験に基づいた見解になりますが、本当に仕事が出来なくなり、障害年金を受け取るようになるような方は1割に満たないのではないかと思います。

病奏がコントロールされない場合のパターンで一番多いのがうつ病相のコントロールの困難なのですが、こうした症例では十分なパフォーマンスは発揮できないまでも、また時に休職を挟みながらも、お仕事を続けられている方がほとんどです。大変そうには見えますが。

 

躁状態のコントロールがつかないと就労、少なくとも教職を続けることは難しいと考えます。

 

ただ、相談者様はまだこの8月に双極性障害の診断を受けたばかりですし、うつ病の治療から双極性障害としての治療に切り替えられたばかりかと推察します。

最悪の状況を想定しておくことももちろん大切ですが、今は目の前の治療に積極的に関わっていくことが先決かと愚考致します。

猫山司, メディカルアドバイザー
カテゴリ: 精神科
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