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猫山司
猫山司, メディカルアドバイザー
カテゴリ: 医療
満足したユーザー: 14345
経験:  医師。国立大学医学部卒業後、臨床と研究に10数年間従事
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只今、妊娠6周目の妊婦です。妊娠前からパニック障害で、パキシルとワイパックスを服薬していましたが、心療内科の先生から

解決済みの質問:

只今、妊娠6周目の妊婦です。妊娠前からパニック障害で、パキシルとワイパックスを服薬していましたが、心療内科の先生から1日ワイパックス0.5mgを3回にしましょうと言われ、今は動悸と予期不安からつらい状態ですが、なんとか1日ワイパックス0.5mg1回で抑えています。2人目の妊娠で、上の子の育児がなかなか難しい状態です。薬を増やすことは可能でしょうか。
よろしくお願いいたします。
投稿: 4 年 前.
カテゴリ: 医療
専門家:  猫山司 返答済み 4 年 前.

【「評価」「再投稿」「オプトアウト」の使い分けがわからないままこれらの機能を使わないで下さい。回答にご不明点がある場合は、「評価」をせずに 返信機能でご質問下さい。評価は「最終評価」です。マイナス評価を賜った場合には、より有意義に相談を進めていただくために、私はオプトアウトさせていた だきます】


こんにちは。猫山と申します。精神科医です。

ワイパックス(成分名:ロラゼパム)を1日0.5mgから1.5mgに増量することは、可能ですが、一定のリスクは伴います。

ま ず、妊娠4週から妊娠12週にかけては「器官形成期」と呼ばれ、胎児の中枢神経をはじめ、主要な器官の形成時期にあたります。母体が服薬していることで胎 児に奇形が生じるリスクが最も高いのはこの時期であるため、この期間の服薬は可能な限り控えるのが望ましいと考えられています。妊娠6週目の相談者様は、 できればお薬を飲まずに、飲んだとしても最小限に抑えたいところではあります。

次にワイパックスというお薬が胎児に与えうる影響を考える必要があります。
母体が服用する薬物の胎児への危険性は主にFDA Pregnancy Category(米国食品医薬品局による薬剤の胎児への危険度分類基準)によって定められています。これは主に、催奇形性に関する評価です。

分類A:人の妊娠初期3ヵ月間の対照試験で,始児への危険性は証明されておらず,またその後の妊娠期間でも危険であるという証拠もないもの。

分 頼B:動物生殖試験では胎仔への危険性は否定されているが,人妊婦での対照試験は実施されていないもの。あるいは,動物生殖試験で有害な作用(または出生 数の低下)が証明されているが,人での妊娠初期3ヵ月の対照試験では実証されていない,またその後の妊娠期間でも危険てあるという証拠はないもの

分 類C:動物生殖試験では,胎仔に催奇形性,胎仔毒性,その他の有害作用があることが証明されており,人での対照試験が実施されていないもの,あるいは, 人,動物ともに試験は実施されていないもの。ここに分原される薬剤は,潜在的な利益が胎児への潜在的危険性よりも大きい場合にのみ使用すること

分 類D:人の始児に明らかに危挨であるという証拠があるが,危険であっても,妊婦への使用による利益が容認されるもの(たとえば,生命が危険にさらされてい るとき,または重篤な疾病で安全な薬剤が使用できないとき,あるいは効果がないとき,その薬剤をどうしても使用する必要がある場合)

分 類Ⅹ:動物または人での試験で飴児異常が証明されている場合,あるいは人での使用経験上胎児への危険性の証拠がある場合,またはその両方の場合で,この薬 剤 を妊婦に使用することは,他のどんな利益よりも明らかに危険性の方が大きいもの。ここに分類される薬剤は,妊婦または妊娠する可能佐のある婦人には禁忌で ある。

Xは禁忌で、それ以外では、Dに近づくほど危険、Aに近づくほど安全と判断されます。

そして、ワイパックスはこの基準においてDに分類されています(ちなみにパキシル(パロキセチン)もDです)。

http://www.okusuri110.com/kinki/ninpukin/ninpukin_04-090.html
ただし、ワイパックスもパキシルも、そもそもの胎児毒性が高いお薬ではありませんし、類薬もすべてD分類ですから、現状パニック発作の状態が悪いのであれば、ワイパックスを増量されるべきであると考えます。

ワイパックスが0.5mgから1.5mgに増えるリスクよりも、母体の精神状態が安定しないことで胎児に及ぶリスクの方が高いと見込まれるからです。

心療内科だけではなく、産科主治医にも相談されるべきではありますが、ごく軽微ながらリスクはあることを前提に、しかしワイパックスを増量する方向で検討されるべきかと存じます。

以上、ご参考になれば幸いです。

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質問者: 返答済み 4 年 前.
ご回答ありがとうございました。なんとか12週までは減薬したいと思いますが、ワイパックスより安全な薬というのはあるのでしょうか?途中で薬を変更するのは危険ですよね?
専門家:  猫山司 返答済み 4 年 前.
ご返信ありがとうございます。

ワイパックスを含む精神安定剤はほぼ全てがベンジジアゼピン系薬物という化学的なカテゴリーに属します。
化学構造や脳内での作用部位が同じですので、他剤に置換することに危険はありませんが、前述したようにFDA分類ではどれもDですので、胎児に与える影響という意味では違いがありません。ならば、服用しなれたお薬を継続されるのがよいであろうと考えます。
質問者: 返答済み 4 年 前.
何度もご回答ありがとうございました。薬を増やせないことがプレッシャーになり、不安な毎日でした。
なるべく増やさない方向でやっていきたいと思います。
思いきって、こちらに相談してよかったです。
本当にありがとうございました。

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