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猫山司
猫山司, メディカルアドバイザー
カテゴリ: 医療
満足したユーザー: 14261
経験:  医師。国立大学医学部卒業後、臨床と研究に10数年間従事
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はじめまして、60代の母のことで相談です。  約3年前に愛犬が亡くなり、以来体調を崩し、食欲も無く、胃腸科では何の

解決済みの質問:

はじめまして、60代の母のことで相談です。
 約3年前に愛犬が亡くなり、以来体調を崩し、食欲も無く、胃腸科では何の問題も無かったので診療内科を受診したところうつと云われ、薬をのみ始めました。食欲は戻りましたが気力は戻らず、薬の副作用で半日はだるくて寝ている生活で す。本人も寝てばかりで辛いと云っています。
 今年病院の先生が辞められたので他の病院に移った際少し薬を減らしましたが、それでもだるさ、眠気は変わらないようで、また、薬を飲まないと嫌な気分になることもまだあるようです。医師は最低量なので副作用が出るほどではないといいますが、体質なのか本当に辛そうです。
 病院にカウンセラーさんがいるのでカウンセリングも始めましたが、母が自分から話したいタイプではないせいか、ほとんど新しい話もなく、いつもなるべく外に出るように等勧められるだけで、30分枠なのにいつも10分くらいで終わってしまいます。私や父は本当にペットロスだけの問題なのか、他にも問題があるのではと懸念しています。(でも我々が聞いても母も何もないといいます)
 以前は年齢の割にかなり足腰が強かったのが、寝てばかりのせいで最近は目に見えて衰えてきました。父もずっと母と一緒にいるので、気が滅入ってきていて心配です。父はもう一度犬を飼いたいと思っています。私もそれは父の精神的にもいいのではないかと思っていますが、母はまた死ぬから飼いたくないと云っています。病院の先生は本人が望まないことはするなといいます。
 しかし父の気持ちも心配だし、犬は父の支えになってくれると思います。もしかしたら母も実際接してみたら違うのではないかと思っています。
 私は結婚して少し離れたところに住んでおり、今までは母の通院にも付き添い、実家の様子も見てきましたが、このたび妊娠し、今はまだ今までどおりできますが、今後はどうなるかわかりません。また母の病状を知っている親戚に相談しましたが、母が孫が出来ることを知って、うつなのに無理に頑張ろうとして再びひどいうつになる(去年似たようなことがあったため)ことを心配しています。私もありえる気がしています。
 しかし私の体系的にも隠せるのはあと一ヶ月が限度です。そんな時父が気に入った犬を見つけました。父にもうつになられては困るので是非飼うことにしたいのですが、それがいいことなのか、私の妊娠報告もいつしたらいいのか…
犬という生体のこともあり、慎重に考えたいですが、父の望みも叶えたいし…
どうしたらいいのか本当に分からなく、参っています。
うつの母とそれに疲れている父、妊娠中で不安な私、この場合どうしたらいいのでしょうか。三年近く医師に言われたように様子を見守るだけできましたが、周りもいろいろ限界で困っています。どうぞよろしくお願い致します。
投稿: 3 年 前.
カテゴリ: 医療
専門家:  猫山司 返答済み 3 年 前.
こんにちは。猫山と申します。精神科医です。

ご質問を箇条書きにしていただくことは可能ですか?



【「評価」「再投稿」「オプトアウト」の使い分けがわからないままこれらの機能を使わないで下さい。回答にご不明点がある場合は、「評価」をせずに返信機能でご質問下さい。評価は「最終評価」です。マイナス評価を賜った場合には、より有意義に相談を進めていただくために、私はオプトアウトさせていただきます】
質問者: 返答済み 3 年 前.

・うつの母の相手で疲れている父の為に犬を飼うことの是非


・うつの母に妊娠を告げる際の注意点


 


できましたら長文で申し訳ないですが、最初の内容から判断してお答え頂ければ大変助かります。


よろしくお願いします。

専門家:  猫山司 返答済み 3 年 前.
おはようございます。
ご返信ありがとうございます。

まず、犬を飼うのがよいか、妊娠を告げるのはいつにすべきか、を検討する前に、お母様の病状をいかに改善するかを検討することを優先して考えるべきであろうと考えます。

3年間も症状が続いているのであれば、既にペットロスでは説明がつきません。うつ病として対処がなされるべき状態でしょう。それが怠られたために、二次的に足腰も弱り、問題が複雑化してしまっている感は否めません。

適切な対処は、現時点ではカウンセリングではないと考えます。
カウンセリングとは、患者様ご自身が目の前の課題の解決方法を自らみつけるための手助けをする心理療法であって、患者様ご自身の「精神的な体力」が必要となります。よって、一定以上重症のうつ病患者様では、カウンセリングは却って負担になります。
中等症~重症の患者様ではまず薬物療法で症状を抑え、然る後に、必要と判断されればカウンセリングでリハビリテーション的にアプローチするのが一般的です。

お母様は既に薬物療法を施されているわけですが、その内容は十分なものとは言えません。
主剤たるべき抗うつ薬はルジオミール(成分名:マプロチリン)ですが、このお薬を服用されるのであれば、「少し薬を減ら」すのではなく、十分量を服用され続けるべきです。
ルジオミールの用法・用量は「通常成人はマプロチリン塩酸塩として1日30~75mgを2~3回に分割経口服用する。また、上記用量は1日1回夕食後あるいは就寝前に服用できる。なお、年齢、症状により適宜増減する」です。少なくとも75mg/日、必要ならば150mg/日までは増量されるべきでしょう。

う つ病の薬物療法の原点にして頂点は、1つの抗うつ薬による単剤治療です(従いましてお母様が服用されているドグマチールは不要です)。1つの抗うつ薬を最大耐用量か最大承認用量まで増量し、十分期間(4~6週間) をかけて有効性を評価し、もしも効果が無いようならその抗うつ薬を止め、その抗うつ薬とは異なる効き方をする別の抗うつ薬を十分用量・十分期間試みる…… というやり方で、それぞれの患者様と「相性」のよい抗うつ薬をみつけるべきなのです。

実のところ、お母様の治療薬として、ルジオミールが選択されていることには違和感を覚えます。このお薬は1964年に開発された古い抗うつ薬で、眠気やふらつきといった副作用が強く、高齢の患者様への投与が選択されるべきお薬だとは思われません。「副作用で半日はだるくて寝ている生活」「寝てばかりで辛い」というのも無理はなく、そのために十分量(有効用量)まで増やせないのであれば、副作用だけはあり、効果が得られないわけですから、飲むだけ損です。
現在は鎮静系の副作用が少ない抗うつ薬がいくつもありますから、そういったお薬への置換を検討してもらうべきでしょう。

老年期の心の障害は、『老化』を抜きに考えることはできません。老化は精神の疾患の直接的な原因とはなりませんが、精神医学上、いくつかの問題を生じさせることになります。第一に、器質的な変化による心身の機能低下は、ストレスに対する耐性の低下につながり、小さな変化や刺激でバランスを崩しやすくなります。第二に、社会生活の面では「喪失」を余儀なくされる年代にあたり、退職、重要なポスト(役職)からの引退、収入減少、配偶者や友人の死など、失うものの多さ、大きさに愕然となることが多くなります。
(中略)
一方、治療する側からみれば、老化の程度は人によってさまざまだということが診断や治療を難しくしています。人の名前が思い出せない、物を置いた場所を すぐに忘れるなど、医学的になんら問題にならないような変化を自覚するにとどまる人がいれば、深刻な痴呆症(認知症)に進む人もいます。これらの人々で は、障害の現れ方も多様なものとなり、薬物療法、精神療法も個々のケースごとに異なる対応が求められます」(http://www4.zero.ad.jp/dentalian/index-04-04-rounenki.html より引用)

現在かかられている病院・主治医には、お母様の現在の状態について適切な対処を行う知識と技術が不足しているように思われます。
老年精神医学の専門医療機関を受診されることをお勧めいたします。
下記のサイトから、日本老年精神医学会認定の専門医を検索することができますので、専門医が勤務している、通いやすい場所の医療機関を探していただければ、お母様の症状についてレベルの高い診療を受けられる可能性が高いと考えます。

【日本老年精神医学会認定 こころと認知症を診断できる病院&施設】

最後にご質問の点ですが、

・うつの母の相手で疲れている父の為に犬を飼うことの是非

上述のように、お母様の状態は単なるペットロスだとは思われません。犬が死んだことがきっかけで調子を崩されたからと言って、新しい犬を飼えば改善するというわけでもありません。従って犬を飼うことはお父様の負担軽減には繋がらないでしょう。

うつ病であるという前提で申し上げるならば環境変化は望ましくありません。現状、犬を飼うことにマイナスはあってもプラスは無いと思います。

 

・うつの母に妊娠を告げる際の注意点

恐らく、然るべき治療を受けられても、お母様の回復には時間がかかります。妊娠について告げることがお母様の精神状態にどのような影響を及ぼすかは予想しかねますが、比較的調子が良い時を見計らって話を切り出し、その後しばらくは注意深く様子を観察されるべきでしょう。
望むらくは、上記老年精神医学の専門医療機関に転院されてから、専門医にこの件を相談されるのがよろしいかと存じます。

以上、ご参考になれば幸いです。
猫山司, メディカルアドバイザー
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