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CVSURGERY
CVSURGERY, 医師
カテゴリ: 医療
満足したユーザー: 64
経験:  医師歴20年以上、複数専門医資格、指導医資格保有
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脳幹出血後の人工呼吸措置

質問者の質問

脳梗塞から脳幹出血を起こして現在意識不明、70歳の父親について


脳梗塞からのリハビリ期間中(約5カ月)に今度は出血、救急に運ばれ意識不明状態で自発呼吸3日目、 呼吸低下+肺炎をおこしかけている状態で主治医より今後の意識回復見込の確率の低さ、延命治療の説明を受け 、それでも家族の意思により気管挿管(経口)を行いました。


肺の状態などから(?)自発呼吸でいけるまで回復しないようであればずっとこのまま気管挿管を続けるのでしょうか?素人のネット調査で、気管挿管は長期に及ぶと感染症等の懸念から 気管切開に切り替えることが多い、という情報を見ましたが、強制的に切り替えられるのでしょうか?手術なので同意がいるとのこと、拒否した場合は気管挿管を繰り返すのでしょうか?


私としては最初から延命措置を望んでおらず、家族にも延命を行うことを止めてほしいのですが、気管挿管を行った以上、このままずっと人工呼吸をしていかなければならないのでしょうか?それとも切開への切り替えを拒否することはできますか?


よろしくご返答お願いいたします。

投稿: 4 年 前.
カテゴリ: 医療
専門家:  CVSURGERY 返答済み 4 年 前.
心臓外科医として、ご質問いただいたお父様と同じ様な病態の患者さんと接する機会が多い者です。脳梗塞、脳幹出血と、悪性腫瘍のように経過が予想さ れる疾患と異なり、急に予想しない疾患で意識を患者さんが失った状況は、突然の事であり、治療法に関して家族間でじっくりと話し合う間もなくその選択を迫られる病態になることも多く、やはりご家族の間で統一意見が形成しにくいケースもあります。治療法の選択は決まったものがなく、複数の選択肢があるからです。最も重要なのは、患者さんご本人の意識があるときの意志が確認できるかどうかです。リビングウイルとも言われます。お父様のような病態になった時、ご本人が延命処置を一切望まないとおっしゃり、文書があれば、そのご意志は最優先されて問題ありません。尊厳死とも言われます。しかし我々はそのような話し合いを比較的避ける文化にあり、実際にはほとんどの方がリビングウイルを明確にしていません。そのような中で意識を失った場合、優先されるのはご家族の意志です。ここで重要なのは、今の日本ではいったん呼吸器管理となった患者さんの呼吸器を止めたり、期間内の管を抜いたりすることは法的に許されていないということです。議員立法化を図る動きは実際ありますが、現在は積極的安楽死は罪に問われます。皆様は、家族の意志として経口気管内挿管を選択されました。少し誤解があるようです。自発呼吸が出ても、呼吸器から離脱できたとしても意識が無ければ基本的に気道確保は必要です。なぜならば痰が絡んだ時に意識がないとうまく痰が出せずに窒息する可能性があるからです。今は、良い咳ができる場合はトラヘルパーやミニトラックと言って気管切開ほど太い管ではなく、痰取り用の細い管を留置するだけのこともありますが、やはり何らかの吸痰補助のための気道処置は必要です。おっしゃる通り、経口挿管は固定も悪く吸痰もしにくく、入れ替えも気管切開より大変で、呼吸の死腔も多く、肺炎を起こしやすいために長期の呼吸管理には向いていません。どこかで気管切開が必要になることが多いです。気管切開は小さな手術ですから同意書が必要になります。ご家族の同意が必要であるということは、ご家族の意見が一つになることが望ましいのですが、そうでない場合もあります。その場合の対応はケースによります。私たちは、基本的にお一人でも同意しない方がいらっしゃれば、行いません。しかし家族の中のキーパーソン(意見代表者)が、「家族の意見は異なれど私が責任もって同意します。一切医療に関する異議を処置に関しては言いませんので行ってください」と言われれば行うかもしれません。気管切開をしなければ、肺炎の可能性がより高くなり、命にかかわる事態が早期に訪れる可能性があります。関連医学用語として消極的安楽死という言葉があります。大変デリケートな部分です。ぜひご家族間でよく話し合っていただき、お話しできた頃のお父様に、文書は無くてもこのような状態になった時どうしてほしいか日頃の会話にヒントが無かったかも思い返してください。詳細不明な中、あいまいな返答で申し訳ありません。あくまで一般論としてわたくしのお答えが少しでも参考になりましたらと思います。またご質問承ります。難しい事ですが、お父様が尊厳を持って今後の治療を受けられる形を皆様でご相談いただくことが大切だと思います。
質問者: 返答済み 4 年 前.

ご回答ありがとうございます。

説明不足部でありました延命について本人(父)の意思ですが、健常時には明確な意見はありませんでした。おっしゃる通り、そのようなことを話したり考えたりすることをタブー視していたのか避けていたようです。ですので今回はほぼ9割方が意見代表者(兄弟)の意思です。私は立場として下の者なので是が非でも反対できる状態ではありませんでした。

呼吸器についての誤解があるとのこと、

>呼吸器から離脱できたとしても意識が無ければ基本的に気道確保は必要です。なぜならば痰が絡んだ時に意識がないとうまく痰が出せずに窒息する可能性があるからです。今は、良い咳ができる場合はトラヘルパーやミニトラックと言って気管切開ほど太い管ではなく、痰取り用の細い管を留置するだけのこともありますが、やはり何らかの吸痰補助のための気道処置は必要です。

と、いうのは もう人工呼吸器は外せず、切開の手術を拒否してもなんらかの延命措置は続行される、という意味でしょうか?私は直接話を聞いてないのですが、医師から切開処置を明日にも行う予定である、と話があったそうです。同意書については特に聞いていない、と。

知りたいことは、■現時点の気道確保(気管挿管)処置からの変更(切開)や処置をしないことは可能であるか?■それが消極的安楽死、と言われるものにあたるとしても選択できるのか?ということです。まだそれが可能なら延命は止めたい、と思っているからです。

専門家:  CVSURGERY 返答済み 4 年 前.

ご返事遅くなりまして申し 訳ありません。あくまで私が勤務している病院の場合としてですが、気管切開に同意書をいただいています。首の短い患者さんでは気管切開が難しいこともあります。また、甲状腺や周囲の動静脈を損傷するとかなりの量の出血をきたすこともあります。長期の気管切開では、挿入するチューブに着いている空気漏れの風船の圧がかかるために気管に穴が開いたりさらには腕頭動脈という気管に隣接した動脈に穴が開くこともあります。手術と同等に考えています。ご質問の、切開を拒否しても延命措置は続行されるかという点に関しましては、Yesです。現在行われている医療を、withdrawalといって撤退することは基本的にしてはいけないことになっています。現場では、これ以上昇圧剤を増やさないとか、腎機能が悪くなっても透析はしないなどの今後の治療をどこまで行うかという話し合いはなされますが、通常withdrawalはしません。治療は続行されると思います。次ですが、気管切開処置をしないことに関しては、可能です。家族の総意が気管切開を行わないとなれば、できません。医師側は昨日書きましたように定期的再挿管を繰り返し、固定が悪いチューブで、肺炎などの合併症を招きやすい経口挿管を続けることは合併症リスクの高い状態での医療ということでストレスとなりますが、家族の同意がなければ気管切開は行いません。気管切開の拒否が消極的安楽死にあたるかは、今後の経過にもよると思いますが、質問者様のご意見は患者さんの意志が確認できない中、今後の治療に生かされるべきです。90%はご兄弟の意見でも、10%は他のご親族の意見ですから。よく主治医と話し合っていただき、現状と、意識回復の可能性、咳嗽反射の有無と強さ、脳波所見、聴性脳幹反射(ABR)などを十分検討した上で今後の方針を決めていただきたいと思います。DNR:do not ressucitate 蘇生処置を行うかどうか も話し合う必要があるか主治医とご相談いただきたいと思います。では宜しくお願いします。

CVSURGERY, 医師
カテゴリ: 医療
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質問者: 返答済み 4 年 前.

再度のご回答ありがとうございます。

切開拒否をしても挿管の繰り返し等により延命治療は続行とのこと、明確に教えていただき納得いたしました。他親族とは見解が全くの真逆なため、話し合っても歩み寄りが困難な状態ですが、私なりに現状を受け入れ、自分のできる範囲で対処していこうと思います。

重い課題で素人ではどうにも判断が難しく、専門家からの真摯な解説は大変ありがたく感謝しております。

この度はありがとうございました。

専門家:  CVSURGERY 返答済み 4 年 前.

拝読いたしました。重要な問題ですが決まった答えはありません。ご家族間でたとえ意見が異なったとしても、違う意見であることを話し合いで認識できたことに意義があると思います。また、ご家族一人の中でも、経過中に意見が変化することもあります。宜しくお願いいたします。

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