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猫山司
猫山司, メディカルアドバイザー
カテゴリ: 医療
満足したユーザー: 14345
経験:  医師。国立大学医学部卒業後、臨床と研究に10数年間従事
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L L

解決済みの質問:

私の夫のことです。54歳ですが40歳でパーキンソン病と診断され14年たちます
最近10年程Lドーパ配合薬を飲んでます。ネットで知ったことですが40.50代の患者には
Lドーパ薬はできるだけ処方せずに他の薬で治療するということでした。その後国立大阪病院の部長先生からも同じ内容のことを聞きました。 その後国立大阪病院は神経内科はなくなり他の総合病院で治療を受けていますが最初から(10年経ちます)Lドーパ薬を処方され最近では不随運動も出てきました。このままでは大変なことになるのではと思うのです。
Lドーパを飲まず日常生活が送れるような薬の組み合わせがあれば教えてください。
薬を服用しない場合歩行したり寝返りをうつのにも不自由しています。

現在処方されている薬(1日分)

マドパー4錠、コムタン100mg 4錠、ビ・シフロール0・5g8錠
投稿: 5 年 前.
カテゴリ: 医療
専門家:  猫山司 返答済み 5 年 前.
こんばんは。猫山と申します。神経内科医です。

それほど「大変なことになる」リスクは高くないかもしれないのですが……

5段階で評価される重症度ステージ分類を受けられていると思います。現在のご主人の重症度を教えていただけないでしょうか。できれば発症時(治療開始時)の重症度評価も分かるとありがたいのですが。

よろしくお願いします。

次の回答は夜になるかもしれません。ご了承下さい。
質問者: 返答済み 5 年 前.

早速のお返事ありがとうございます。

現在はヤール2です。発症時はヤール1です。

専門家:  猫山司 返答済み 5 年 前.
ご返信ありがとうございました。

パーキンソン病の治療方法については、作成した「パーキンソン病治療ガイドライン」が標準治療として用いられています。実際、医学的根拠、膨大なデータに基づいて策定された優れたガイドラインになっています。

一方で、L-ドーパ製剤のパーキンソン病における治療的位置づけについては、時代とともに大きく、もしくは少しずつ、変化しています。

上述の「パーキンソン病治療ガイドライン」が発行されたのは2002年のことです。臨床に普及するまでにはさらに今少しの時間がかかったでしょう。
ご主人が治療を開始されたのは、きっちり10年前だとすれば2001年、「パーキンソン病治療ガイドライン」が世に出る以前だったことになります。

「パーキンソン病治療ガイドライン」2002年版では、たしかに、高齢者(1つの目安として70~75歳以上)および痴呆の合併患者以外はドパミンアゴニストから開始し、L-ドーパ製剤の使用はできるだけ先延ばしにすることが推奨されています。
さらに申し上げれば、ヤール1であれば、生活に支障が無い限りは治療をせずに経過観察することも示されています。

2001年当時は、まだこうした標準化された治療が国内で普及しておらず、早期・若年・軽症のパーキンソン病患者様にL-ドーパ製剤が初めから使われることが少なくありませんでした。

L-ドーパ製剤の問題点は、作用時間が短いために起こるwearing-off現象(薬が切れると急激にパーキンソン症状が悪くなる)と、ジスキネジアの出現です。

wearing-off現象については、L―ドーパ治療開始5 年後には約50% の患者が症状の日内変動に悩むとされています。
ご主人は最近になって(L-ドーパ開始10年がたって)不随運動が出てきたとのことですが、wearing-off現象は無いようですし、「薬を服用しない場合歩行したり寝返りをうつのにも不自由」という重症度からいえば、L-ドーパ製剤の功が罪を上回っているのではないかと考えます。

また、L-ドーパ以外に用いられているお薬がいい仕事をしています。
ビ・シフロールは上述のドパミンアゴニストアゴニストです。つまり、現在であればL-ドーパ製剤の前に用いられるべき第一選択薬とされているお薬です。これがほぼ最大用量用いられています。
コムタンは、L-ドーパ製剤の作用時間を延長する補助剤で、wearing off 現象を起こりにくくし、L-ドーパ使用量を削減することを可能にもするお薬です。
どちらも新しいお薬ですから、比較的最近になって使用を開始されたものでしょう。

もし仮に10年前にガイドライン通りの治療が開始されていたとしてら、まずドパミンアゴニストであるビ・シフロールが用いられ(10年前にはこのお薬はまだありませんでしたが)、症状の進行に合わせて、増量、しかしご主人の症状の進行から判断して、早晩L-ドーパ製剤の追加が必要になったでしょう。そして2007年のコムタン発売後に、L-ドーパ製剤のwearing off 現象を防止、軽減し、かつL-ドーパ製剤の使用量を最小限にするために同薬の併用を開始したのではないでしょうか。
結局のところ、現在の処方内容は同じになっていたと思われます。

いちど始めてしまったL-ドーパ製剤を中止して他のドパミンアゴニストに置換することは技術的にかなり難しいだけでなく、恐らくそれをうまくやれたとしてもご主人のパーキンソン症状は悪化する可能性が大です。

L-ドーパ製剤の使用が比較的長期化することによるリスクの上昇をまったく否定するものではありませんが、ご主人様の長期的なQOLを総合的に考えた場合、現在の処方を続けたほうがメリットは大きいと考えます。

ちなみに今年改訂されたばかりの「パーキンソン病治療ガイドライン」2011年版では、L-ドーパ製剤の効果が見直され、第一選択薬として用いられる幅が広がったと聞いております。
質問者: 返答済み 5 年 前.

最初の質問文に書くのを忘れたのですが一番辛いのがwearing-off現象です。

 

コムタンをマドパーと同時に服用しない場合2時間半ほどで効果がなくなり、マドパーのみの服用の場合は約2時間できれてしまいます。ビ・シフロールに関しては症状が多少緩和されているのかもしれません。ですから薬がすべて効いた場合でも1日に効果があるのは10時間弱ですしアミノ酸を含む食事をとると全く効果が出ずに困っています。特に効果が切れる時は急になくなり、立っている場合も座っている場合も姿勢をうまく保てず、横になっているのもしんどいです。 

それに今の年齢でマドパーを4錠も服用していると、ジスキネジアも進行し、マドパーの効き目も弱くなり、wearing-off現象の回数が多くなることがとても心配です。

すみませんがお教えください。Lドーパ製剤を中止して他のドーパミンアゴニストに置き換えするとパーキンソン症状は悪化する可能性が大とあります。パーキンソン症状がL-ドーパ製剤を使用しないことによりそのときの症状としてLドーパ製剤を使用したときほどの劇的な症状の一時的な回復がないということでしょうか。

それともパーキンソン病の病気そのものが進行するのでしょうか。

 

もし病気自体が進行しないのであれば、ある程度薬の効き目が落ちても構いません。

先生が推奨されるLドーパを使用しない薬の組合せ、服用方法をお教え下さい。

 

日内変動が酷く、日々過ごすのが凄く辛いです。辛いのでついLドーパ製剤を処方箋に記載されている量より多く服用してしまいます。それに以前よりLドーパの効き目が悪くなってきました。

 

ですからLドーパの服用をできるだけ先にのばしたいのです。

本当に勝手なことを申し上げて恐縮です。すいませんがよろしくお願い致します。(主人の依頼で代理で入力しました)

 

専門家:  猫山司 返答済み 5 年 前.
ご返信ありがとうございます。
お気になっている問題点がよくわかりました。

まず、Lドーパ製剤を中止して他のドーパミンアゴニストに置き換えてもパーキンソン病そのものが進行するわけではありません。

「Lドーパ製剤を中止して他のドーパミンアゴニストに置き換えするとパーキンソン症状は悪化する可能性が大」と申し上げた理由は以下の通りです。

1) 通常、ドーパミンアゴニストで治療を開始した場合、承認最大用量もしくは副作用のためにそれ以上の増量が難しい用量(最大耐用量)まで使用し、それでも生活に支障が出るレベルのパーキンソン症状が残る場合、Lドーパ製剤が開始されます。

2) しかし現在、相談者様のご主人は既にドーパミンアゴニストをほぼ最大用量まで使用しています。

3) つまり、現在の処方からLドーパ製剤を除いた場合、ドーパミンアゴニストを増やせる範囲は限られています。マドパー400㎎中止に対し、ビ・シフロールを1錠増やせるだけですから、症状の悪化は避けられません。

日直中で患者様の処置が入りました。
私が考える限りのとりうる対処については後程回答いたします。
専門家:  猫山司 返答済み 5 年 前.
お待たせしました。

事ほど左様な次第ですので、現在のご主人様の状態を鑑みて、Lドーパ製剤を使用しない薬の組み合わせで「ある程度薬の効き目が落ち」る程度で症状を維持することは不可能であろうと考えます。

進行自体が早いようにお見受けしますので、仮にドーパミンアゴニストで治療が開始されていたとしても早晩Lドーパ製剤は開始せざるを得なかったでしょう。

従って、ベターな方法としては、できるだけ今以上にマドパーを増やすことなくwearing-off現象を最小化するを考えるべきでしょう。

考えうる方法としては、マドパーの頻回投与(1回の服用量を100㎎以下にして、1日6~8回服用とする)、ビ・シフロールの増量、シンメトレル(塩酸アマンタジン)の追加併用、FP(塩酸セレギリン)の追加が考えられます。

幸いなことにここ数年、様々な作用機序で色々な方向からパーキンソン症状を改善させるお薬が開発されていますから、それらを上手に使うことがマドパー増量を遅れさせるための鍵となるでしょう。

他には視床下核刺激術・淡蒼球内節刺激術といった非薬物療法、一側後腹側淡蒼球内側破壊術といった手術治療の著明な有効性が報告されていますが、私自身の臨床での使用経験がございませんので、名前を挙げるにとどめさせておいていただきます。

以上、少しでもご参考になれば幸いです。
質問者: 返答済み 5 年 前.

猫山先生、患者の立場に立った誠実で、わかりやすい回答をありがとうございます。

今日から早速実行しています。マドパー半錠でも結構動けますし、wearing-off現象の落込み度が少なくなったような気がします。確かに振幅が小さくなりました。

 

どうかお教えください。お願いします。

以前から知りたかったことなんですが、長期間ドーパミンアゴニストであるところのビシ・フロールを最大耐用量服用した場合、受容体が疲弊して受容体の寿命がちじまったり、受け取る力が弱まるというようなことはないのでしょうか。

 

それと、コムタンとFPは同時服用したほうがいいのでしょうか。

専門家:  猫山司 返答済み 5 年 前.

こんにちは。

 

少しはお役に立てたようで何よりです。

 

ご質問の件ですが、塩酸プラミペキソール(ビ・シフロール)に関しては、むしろ神経保護作用を有する可能性が示唆されており、ドパミン神経機能低下を遅延させることが報告されています。このことはまだ広く受け入れられた臨床的事実ではありませんが、少なくともご心配のように病状進行に働くことはないと考えてよいでしょう。

参考文献:パーキンソン病治療薬, 塩酸プラミペキソール(ビ・シフロール^【○!R】錠)の薬理作用と臨床成績
※日本語部分の最後の2行のみご参照ください。

 

コムタンとFPですが、FPの作用時間が非常に長いので、これらのお薬に関してはあまり服用タイミングに神経質になる必要はないと思います。

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