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猫山司
猫山司, メディカルアドバイザー
カテゴリ: 医療
満足したユーザー: 14381
経験:  医師。国立大学医学部卒業後、臨床と研究に10数年間従事
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解決済みの質問:

2歳10ヶ月の娘がいます。
自閉症なのではないかと疑っています。

言葉が遅く、単語はかなり出るのですが、二語文程度で会話にはなりません。
動詞が少ないように思えます。
ある程度、私の言っていることは理解しているようには感じているのですが…。
『〇〇を持ってきて』と言うと、指定した物を持ってきますし、指示したことはやります。

ただ、コミュニケーションが取れず、目を合わせることを嫌います。
問いかけには答えず、夢中になっていると名前を呼んでも反応がありません。
人見知りはなく、友達の輪には入ろうとするのですが、いきなり友達やそのお母さんに大好きなキャラクターの名前を言ったり、そのキャラクターのまねをします。

癇癪がひどく、頭を床に叩きつけます。回数は減ってはきていますが。

あとは、かなりの偏食で、決まったものしか食べません。ヨーグルトはメーカーが変わったり、お皿に移しかえただけで、食べません。

自閉症の可能性が高く、病院を受診した方がいいでしょうか?

もし自閉症だったとしたら、幼い頃から療育すれば症状が和らぎ、普通の保育園や小学校にも通えると聞きました。
でも、普通の健常な子と変わらないくらいまでになるのでしょうか?
将来は目標を持ち、なりたい職業に就くまでになれるのでしょうか?
投稿: 6 年 前.
カテゴリ: 医療
専門家:  猫山司 返答済み 6 年 前.
おはようございます。
精神科医です。現在は「普通の」精神科臨床に従事していますが、2000年から4年間ほどは児童精神医学の研究・臨床班に在籍していました。

結論から申し上げると、小児精神医学の専門施設か「小児神経内科」を標榜している小児科、もしくは地域の福祉事務所(家庭児童相談室)に相談に行かれることをお勧めします。

これは、質問文のご記載から娘さんが自閉症であることが強く疑われるからではなく、現時点では主に母親である相談者様の精神衛生のためそうした方がよいかな、と思います。

質問文からも、お母様がこれまでに、ずいぶんと自閉症の勉強をされてきたことが読み取れます。
「顔見知りのお母さんに自閉症では無いか?と言われて疑うよう」になった、とのことですが、いちどそういった心配をもってしまうと、いくら周りから助言を受けても、その心配を打ち消すのは難しくなります。
子供をもつご友人に、逆に、「うちの子もそうだったよ」とか「心配しすぎだよ」と言われて一時的に安心したとしても、またすぐに心配の種が出てくるような状態なのではないかと推測します。
自閉症といえば一生の問題ですから、母親として、心配するなと言う方が無理だと思うのです。
しかし一方で、娘さんが「自閉症であってほしくない」「自閉症であるはずがない」とお思いになっている、思いたがっているのも事実でしょう。

多くの場合、お子さんを伴って専門医療施設を受診されるお母様は、上記の2つの感情の間で押し潰されて、かなり疲弊した状態にあります。実際、うつ病を発症されている方すらいます。
風邪気味だから近所の小児科へ、といったノリで受診できる病気でも施設でもありません。ご自分のお子さんが自閉症ではないか、という心配を持ち始めてから実際に専門施設を受診するまでには多かれ少なかれ時間がかかります。
この間に、お母様たちは同年代のお子さんをもつお友達からさまざまな情報を受け取ります。また今はインターネットが普及していますから、そちらからもいろいろな情報・知識を得ることができます。
それ自体、決して悪いことではありませんが、情報の取捨選択は本当に難しく、結局は情報量が多い分だけ心配も増える、という結果になってしまうことが多いようです。

お母様がそういった精神状態で娘さんに接することは、娘さんの養育上プラスには働かないだろうとは思います。

実は現時点で専門医療機関を受診してもすぐに白黒がはっきりすることはありません。
3歳未満のお子さんの自閉症の診断をつけるのはなかなか難しく、重症例でもあれば別ですが、多くの軽症患者様では確定診断までに定期的な複数回の受診を要します。
しかし、専門医の診察を受け、定期的に相談に乗ってもらえるようになるというのは、お母様にとっても、お子さんにとっても、大きな安心に繋がると思います。
もちろん、不幸にして自閉症の診断がついてしまった場合も、早期からの治療的介入が可能となります。

娘さんが「自閉症の可能性が高」いかどうかを、ここで申し上げることは差し控えさせていただきます。
ネットを介した相談一般で言えることですが、コミュニケーション障害を本体とする自閉症において、患児(の可能性がある娘さん)を実際にみることなく、文字情報だけで診断じみたことを言うのは技術的に不可能ですし、するべきでもないでしょう。
逆に、娘さんは自閉症ではありませんよと、言ってさしあげることもできませんが。
ただ、2歳で2語文が使えてヨーグルトを食べられるということはスプーンも使えて、保健師さんにも見てもらっているわけですから、自閉症の可能性は低いだろうな、と個人的には思っております。

> でも、普通の健常な子と変わらないくらいまでになるのでしょうか?
> 将来は目標を持ち、なりたい職業に就くまでになれるのでしょうか?
これらのご質問にも、今、このネット相談でお答えすべきではないでしょう。

長々と述べた割には結局のところ保健師さんや保育士さんと同じことしか言っていないのですが、私としては、ご自分のお子さんが自閉症かもしれない、という心配を抱きつづけている相談者様の精神状態も心配しております。
相談者様のためにも娘さんのためにも、専門の医療機関の早期の受診をお勧めします。

追記 早期の受診といっても、専門施設は予約制で、2ヶ月待ち、3ヶ月待ちであることがほとんどです。予約を取るとともに、前述の家庭児童相談室で相談が受けられないか、問い合わせしてみるといいでしょう。地域によって市が運営していたり区が運営していたりしますが、通常は精神保健センターの中に併設されています。

もうひとつ重要な点です。
ご質問の中にはご主人や、相談者様とご主人のそれぞれのご両親に関する記載がありませんが、ご家族はこの問題についてどのように受け取られているようでしょうか?
一般論ですが、娘さんから見て祖父母にあたる4者はこの手の受診に消極的か否定的であることがほとんどで(これは豊富な子育て経験と、疾患知識が無いこと、孫に障害があるとは信じたくないという感情などに基づくようです)、しばしば受診そのものが家庭内の諍いの種となることがあります。最低でもご主人の賛成は得てから受診された方が、あとあとの不要な消耗が避けられることが多いです。老婆心ながら、ご助言まで。
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