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fplawyer, 弁護士・1級FP技能士・CFP
カテゴリ: 法律
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知人女性が遺言状を残してなくなりました。遺言状は家裁で開けてもらったので正式なものです。 内容は 自分の遺産は 自

解決済みの質問:

知人女性が遺言状を残してなくなりました。遺言状は家裁で開けてもらったので正式なものです。
内容は 自分の遺産は 自分の子どものほかに 3割を妹に もし妹が辞退した場合は いとこに
遺贈する とありました。妹は遺言者より先に亡くなっており、従ってこの文面は無効となると思いますが、辞退した場合はいとこにその分を遺贈する という文面は 別段の規程にあたって 今回
効力があるのでしょうか。
 遺言書には 辞退した場合 とは書かれていましたが、死亡した場合とは書かれていません。

 ご面倒をおかけしますが 弁護士の先生の判断をお聞きしたいとおもいます。
                                   家宇治 弘子
投稿: 3 年 前.
カテゴリ: 法律
専門家:  fplawyer 返答済み 3 年 前.
弁護士・1級ファイナンシャルプランニング技能士です。

お答えいたします。よろしくお願いいたします。

まず、私の結論から申し上げます。

理屈としては、遺言を無効とする、という考えもあり得ると思います。
しかし、私は、民法995条1項ただし書によって、本件遺言は有効ではないかと考えます。なお、本事例にぴったり一致する裁判例は見当たりませんでした。

なぜ、このように考えるか説明いたします。
まず、民法の規定を見ていただきます。

=====================
第994条 (受遺者の死亡による遺贈の失効)
1項 遺贈は、遺言者の死亡以前に受遺者が死亡したときは、その効力を生じない。
2項 停止条件付きの遺贈については、受遺者がその条件の成就前に死亡したときも、前項と同様とする。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。

第995条 (遺贈の無効又は失効の場合の財産の帰属)
 遺贈が、その効力を生じないとき、又は放棄によってその効力を失ったときは、受遺者が受けるべきであったものは、相続人に帰属する。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。

==================

まず、民法994条1項によると、受遺者(本件の妹さん)が死亡した場合、遺贈は効力を生じないとされています。
ですから、本件では、妹さんが先になくなっているので、妹さんへの遺贈に関する遺言は効力が生じません。

次に、995条1項によると、遺贈の効力がない場合、遺贈者が受け取るべきものであった遺産は、相続人のものになるとしています。これは当然の規定と言えます。

ただ、995条1項にはただし書があり「ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。」とあります。

995条1項ただし書は、受遺者(本件では妹さん)に対する遺言は何らかの理由により無効となったり、受遺者が放棄した場合、本来、遺贈された遺産は相続人に帰属するが、遺言者の意思によって、そのようにしないことができる、とするものです。

さて、本件では、遺言者が専ら「辞退(=放棄)」を想定して、995条1項但し書きにいう「別段の意思表示」をした(従兄弟に遺贈する)事例と言えます。

ですから、あくまで、遺言者は「辞退(放棄)」という事態に限定して「別段の意思表示」をしたのだ、と考える余地はあります(遺言者は「辞退」以外の場合のことを書いた趣旨ではない)。
そうすると、死亡によって効力が生じない本件では、995条1項但し書きにいう「別段の意思表示」はないのだ、と考えることができます。
この場合、別段の意思表示がない、のですから、遺言がただ無効となり、遺産はすべて相続人に帰属します。

しかし、遺言者が「無効」か「放棄」という、遺贈の効力を失わせる事由そのものに着目している、つまり、そのような遺贈の効力を失わせる原因の区別を重視して遺言したと考えるのは特別な事情がない限りないのではないでしょうか。

遺言者としては、原因はともかくも受遺者(本件では妹さん)に遺産が行かない場合には、従兄弟にあげる、という趣旨で遺言したと考える方が自然と思われます。

遺言者の通常の意思がこのような場合、本件の遺言の文章の解釈としては、確かに「辞退(放棄)」という文言を使っているが、それは遺贈の効力が生じなかった場合の例示にすぎないと考えられる、ということになります。

そこで、私は、本件の「辞退した場合はいとこにその分を遺贈する」という文言は、この995条1項但し書きの「別段の意思表示」に該当すると考えます。

すると、こうなります。
本件では、受遺者の死亡によって遺贈の効力が生じなかった(944条1項)。
すると、民法955条1項本文によれば、遺贈されるべき遺産は、相続人に帰するはず。
しかし、本件では、効力がなくなった場合には従兄弟に遺贈するという、955条1項但し書きにいう「別段の意思表示」に該当する文言がある。
そこで、995条1項但し書きによって、本件遺言中「従兄弟にその分を遺贈する」という規定は有効である。

以上、長くて恐縮ですが、ご検討ください。
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