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AE, 行政書士
カテゴリ: 法律
満足したユーザー: 748
経験:  民事法務専門
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寺で住職を勤めているものです。檀家との問題です。 Aさんという、一人暮らしのおばあちゃん(子供が別居でいるらしい)

質問者の質問

寺で住職を勤めているものです。檀家との問題です。
Aさんという、一人暮らしのおば あちゃん(子供が別居でいるらしい)が、昨年より隣人の勧誘で創価学会に入ったということでした。昨年のお盆に、「違う信仰のものをいれる訳にいかないから、学会を進行するなら、墓地を更地にして、離檀の手続きをしてくださいね。来年までに答えを出して下さいね。」と行って、今年を迎えました。
すると、学会のお友達が待ち伏せ。「先祖供養は学会でやっているから、帰れ。」こちらもそれなりに反論しましたが、「墓地の管理料だけ払うから後はだまってろ。」との事でした。
寺の名簿からは、離檀扱いにしましたが、困っているのは墓地です。後の代までのこしたくありません。勝手に墓を壊して無縁墓地に移せば、きっと裁判だとかいってくると思います。
寺には檀信徒規約というのがありますが、そこにかかれている墓地に関する規約など、無意味という話も聞きました。
どうにか穏便に、解決したいのですが。
宜しくお願いします。
投稿: 3 年 前.
カテゴリ: 法律
専門家:  AE 返答済み 3 年 前.

そのような事情ではお寺としても困ってしまいますし、離檀してお墓も返してほしいとお考えになるのも無理はないと思います。
しかし、勝手に墓を壊して無縁墓地に移してしまうことはお考えのとおりトラブルになる危険性が高く、また実際に同様の問題について裁判で争われた事例をみると、裁判所はお寺は墓地の管理者として自派の典礼を施行する権利を有するとする一方で、墓地の使用権を持つものが改宗・離檀したとしても墓地使用権の消滅は認めないという結論に至ることが多く、争えば負けてしまう可能性が高いと考えられるため、止めた方が良いでしょう。

 

1つ実際の事件を挙げます。
お寺の墓地に墓地使用権を有していた者が改宗離壇してしまい、そのお寺の典礼によらずに新たな埋葬をした場合に、お寺が墓地使用権の消滅を主張して墓地の返還を求めた事件があるのですが、この訴えに対して仙台高等裁判所は「永代使用権は,祭祀承継者によって代々受け継がれる墳墓の所有権と密接な関係を有するものとして,一代限りや限時的なものではないという意味での永久性を持つものであり,また,墓地埋葬法が,墓地外への埋葬を禁ずるとともに,墓地の経営主体を都道府県知事の許可を受けた特定の者に限定し,墓地管理者には,正当な理由なく埋葬を拒んではならない旨を占め,公衆衛生その他 公共の福祉に合致するように墓地の運営が行われるべきことを定めていること等からすれば,寺院墓地の管理者は,従来から寺院墓地に先祖の墳墓を有する者が改宗理檀の意思表示をしたり,自派の定めによる典礼を受けないで埋葬したからと言って,直ちに,そのことのみを理由として,永代使用権の消滅を主張し,その墳墓の収去を求めることはできず,檀信徒側で改宗離檀を表明したことや,他宗派ないし他宗教からの典礼を受けたことが,真に信仰上,宗教上の考え方とか立場が変わってしまって,当該寺院との関係を断ち切ろうとする意思の徴憑であることか明確になった段階で初めてなしうることと解するのか相当である」という判断を下しました。
改宗離檀してお寺の典礼によらずに新たに埋葬した場合であってもそれだけでは使用権の消滅やお墓の収去を求めることはできず、檀家自らがお寺との関係を断ち切ろうとする意思が明確になって初めて可能であるという判断ですので、今回のように改宗しただけではさらに認められ難いと考えられます。

 

したがって、管理者の権利としてお墓で他宗派である創価学会の典礼による供養などを行うことは拒否することができますが、墓地の返還を求めることまではできないため、おばあちゃんが自ら他の墓地に改葬するよう根気よく説得して促すという対応によらざるを得ないでしょう。相手が拒否する場合に裁判して強制することはできなくても、檀信徒規約があり、それを守ってくださいというのは構いませんし、説得の材料にはなると思います。
お墓の問題、宗教の問題というのは個人の心のあり方と密接にかかわるものですから、法律で強制することは適切ではなく、基本的にはお寺と檀家との話し合いで解決しなければならないため、法律によりすっきり解決することが非常に難しい問題です。

質問者: 返答済み 3 年 前.

詳しく、事例などもありがとうございました。


思っていたとおりではありましたが、実際に詳しく聞けて本当にありがとうございました。


確かに、法で解決するような問題ではありません。檀家との関係を築けなか った私共にも責任があります。わかっているものの、やはり腑に落ちません。創価学会さんとは、話し合いにはなりません。学会の存在はいまや大きすぎて、向こうにとっては、私共の宗派も小寺も、何とも思ってなく、背後には腕利きの弁護士軍団も恐らくいて、悲しいですが、結局泣き寝入りが現状だと思います。宗教は自由であり、他に信仰を持つことは構いませんが、他に教えを求めたならば、綺麗に過去を断ち切って、他の教えの通りに供養するのが筋だと思うのですが。


余計な話ですいません。


返信させて頂いたのは、例えばこのおばあちゃんが管理費を滞納した場合はどうなのでしょうか?寺の規約では、5年以上連絡不能会費未納の場合は、寺で墓地を回収して無縁佛として供養するとうたっているのですが。この規約も役員会でつくり、こちらから送っているだけなのですが。無効でしょうか?


また、今後このようなことが無い為に、対策があるでしょうか?


例えば、現在では入檀届・墓地利用契約書にサインをしてもらってますが、これも無意味なものでしょうか?


宜しくお願い申し上げます。

専門家:  AE 返答済み 3 年 前.

お返事が遅くなって申し訳ありません。

 

多くの墓地の管理規約には、管理費の滞納が3年~5年続くとお寺から使用契約を解除し、永代使用権を失うといった趣旨の定めがありますが、これが法律的にそのまま有効かと言うとそうではなく、滞納があったのみでは解除できないというのが通説となっています。
その理由としては、一方的に使用契約を解除し合祀その他の方法でお墓を収去することを認めてしまうと墓地使用者にとってはご先祖のご遺骨等を永久に失い回復することが不可能な事態になってしまうのに対して、お寺側には金銭的な損害しかなく、また管理料は一般的にさほど高額ではないことが多いことから5年滞納しても大した金額にはならず、損害もそこまで大きいものではないことが挙げられます。
管理費の滞納という契約違反があることを考慮しても、お墓の収居まで認めてしまうと一方の権利が過剰に侵害されて酷であるという価値判断を裁判所は働かせる訳です。

 

もっとも全く解除が認められないというわけではなく、管理費の滞納が何十年とさらに相当な長期間に渡ったり、その他の事情、たとえば改宗・離檀により自ら供養することを放棄し、連絡にも全く応じないといった場合に、それらの事情を総合的に見て収居を認めるのもやむを得ないと裁判官が判断した場合は、解約や墓地の収去も認められると考えられます。この点は本当にケースバイケースで、この事情があれば必ず認められるという性質のものではないため、実際に裁判で争う前に結果を予測するのは非常に難しいですね。

 

あとこれは法律的にかっちりした回答ではなく今回の解決策にはならないのですが、お墓の管理者が一方的にお墓を収去していることも実際には珍しくないようで、これは管理費の滞納だけでなく連絡も取れなくなっている場合に、無縁墳墓として改葬許可を取って合祀していることが多いようです。
法律上は無縁墳墓であれば官報公告と立札を一年間掲示すれば改葬許可が取れるからですが、このやり方ももし遺族が現れて訴えられれば違法とされ損害賠償を請求される可能性は否定できません。もっとも、連絡すら取れなくなっているような場合は遺族が現れてトラブルになる可能性も低いのでしょうし、相当長期にわたって連絡が取れない場合に限っているのだとは思いますが。

 

入檀届・墓地利用契約書にサインをしてもらうことは墓地の使用契約を結ぶために必要なことですし、たとえ相手が強硬に拒否した場合に法律的な強制ができないとしても、その内容をルールとして理解してもらうためにとても大切なことだと思います。
ルールを守るという約束するのですから、道義的にはルール違反をしたのであれば自ら速やかに是正するなりルールに従って退去するなりすべきですし、ほとんどの方はそのようにされるでしょう。

AE, 行政書士
カテゴリ: 法律
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質問者: 返答済み 3 年 前.

大変にありがとうございました。


良く理解できました。


やはり、人と人の関係の中で解決をしていかなくてはいけないのですね・・・それを省いて、法律で裁いて楽?をしようと考えている自分自身の怠慢さが、今の現状を招いたのだと深く反省しました。


どちらにしても、ゆっくりと自分自身の主張をした上で、完全な無視の場合に法によって助けてもらうことを考えなくてはいけないと思いました。


若輩な上、どうしてもすぐに解決を考えてしまい血走ってしまいます。


答えをすぐだしてしまうのは、愚か者と深く反省致しました。


本当に有り難うございました。

専門家:  AE 返答済み 3 年 前.
こちらこそ、評価をいただきありがとうございました。

お墓のこと、信仰のことなので法律による解決が難しいというのももちろんですが、法律によって解決するということは当事者のうち少なくとも一方はその意思に反することを国家権力により強制されるということですから、しこりが残ってしまうことも多いです。
お考えのように人と人の関係の中で、話し合いによって解決できればそれが一番だと思います。

相手の方にもお気持ちが伝わり、円満に解決することをお祈りしております。
質問者: 返答済み 3 年 前.

先日はありがとうございました。


ここにまだ返信して良いのか分かりませんが、ここ数日ずっと考えていたのですが、やはり、どうしても腑に落ちなくて、メール致しました。


法律上は、やはり使用者が有利ということはよく分かりました。


しかし、永代使用権をかざして、墓を作りっぱなし、代が変わり管理費すら払わない、連絡が急に取れなくなった・・・こんな墓地は、どうすることもできないのでしょうか?連絡が取れない、手紙を書いても返事も無い、、、話し合おうともしない、解決がしようがなくなった場合、やはり法に頼るしか無いと思います。


私は、父が早く亡くなり住職となりました。次の住職には出来るだけ、綺麗?な形で、布教がしやすいように、このお寺を継承して行きたく、問題だらけの墓地をどうにかしたい気持ちがどうしてもあります。


宜しくお願いします。

専門家:  AE 返答済み 3 年 前.

墓地の管理者は使用者がどんなに不誠実であっても耐えなければならないということではなくて、数年間の管理費の滞納や、改宗してしまったといった事情だけで、契約に従い一方的にお墓を収去してしまうと違法になる可能性が高いです、ということです。


裁判で判決まで争われる事件も少なく、学説や私見も交えての回答になりますのであくまでも参考として聞いていただきたいのですが、例えば管理費の滞納だけであっても、数十年続き何十万円という金額になってしまえばそれはもう強制的に合祀されご先祖の御遺骨等を失うという不利益を受けても止むを得ないと考えられていますし、管理費の滞納が10年程度でも管理者と全く連絡がつかない、所在もわからないといった状況であればやはり無縁佛として合祀しお墓を収去しても違法とされる可能性は極めて低いでしょう。
ここを超えればお墓を収去して構わないという法律による明確なラインはなく、裁判所も法の基本原則に基づき社会通念や一般常識に従って判断をするので、その時代や社会の意識の変化によっても変わるところが悩ましいところです。

契約にあるからという杓子定規な対応をせずに、お墓の特殊性を考慮し、墓地管理者として使用者にも十分な配慮をすれば紛争になることもほとんど無いでしょうし、仮に争いになっても裁判官も理解してくれると思います。
お墓を収去するときは墓地埋葬法にしたがって官報公告・立札による公示をして改葬許可を取るのはもちろんですが、可能であれば無縁佛として合祀する前に、お弔い上げまでの期間等の一定期間は場所を移して保管しておくなどできると、収去後に承継者が現れたような場合にも対応できて良いのではないでしょうか。

質問者: 返答済み 3 年 前.


何度も丁寧な対応ありがとうございました。


よく、理解できました。


ありがとうございました。


 

質問者: 返答済み 3 年 前.


何度も丁寧な対応ありがとうございました。


よく、理解できました。


ありがとうございました。


 

専門家:  AE 返答済み 3 年 前.

どういたしまして。お役に立てて幸いです。

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