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カテゴリ: 特許・商標・著作権
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相撲甚句の作詞が、各地にあるようですが、普及の目的で本にまとめて紹介したいと思いますが、昔から歌われたものや、昨今作られ

解決済みの質問:

相撲甚句の作詞が、各地にあるようですが、普及の目的で本にまとめて紹介したいと思いますが、昔から歌われたものや、昨今作られたものいろいろです。
編集から印刷まですると、有償となりますが、出版となると著作権の問題は如何考えたらいいでしょうか。
投稿: 11 ヶ月 前.
カテゴリ: 特許・商標・著作権
専門家:  patent777 返答済み 11 ヶ月 前.

知的財産権を専門とする者です。

相撲甚句に著作権が生じているか否かは、それが「著作物」であるか否かに関わってきます。著作物であれば著作権は生じ、著作物でなければ著作権は生じないということになります。

そこで、この「著作物」とは、著作権法上「思想又は感情を創作的に表現したもの・・・」と規定されています(著作権法2条1項1号)。
 すなわち「創作的」な「表現」について著作物であるとされ。著作権が生じます。そのため、「創作的な表現」でないものは著作物とはならず、著作権は生じません。よって、そのような著作物ではないものを無断で利用しても著作権の侵害にはならないことになります。
 この「創作性」とは、完全な独創性までは要求されておらず、また、学術性や芸術性の高さも求められてはおらず、何らかの個性が現れていればよいとされています。もう少しくだけた言い方をしますと、他人の著作物の「模倣」でなければ、創作性は認められるといった程度のものといえます。
 ただし、いくら先行する他人の著作物の模倣ではなく、人事異動や死亡記事などの事実の伝達にすぎない雑報や、単なる日々の社会事象をそのまま表現したに過ぎない時事の報道については、著作物とは認められません(同法10条2項)。
 また、「思想又は感情」の「創作的な表現」が著作物として認められますので、例えば、「東京タワーの高さが333メートルである。」といった事実そのものを表現したにすぎないものや、月の軌道データのような自然科学上の事実、電車のダイヤ等のデータ、時刻表、理科年表などデータをほぼそのまま記載しているにすぎない文章は、「思想又は感情の創作的な表現」とはいえず、「著作物」には該当しません。
 さらには、日常の挨拶文(時候の挨拶文、転居通知、出欠の問合せなど)、商用文(物品の発注、代金の督促など)、スポーツやゲームのルール自体(ルールの解説書は除く)、題号(映画、書籍、CD等のタイトル)のようなものも「思想又は感情の創作的な表現」ではないといえます。
 要するに、模倣ではなく著者独自の何らかの個性が表現されている限りは「創作的な表現」と認められ、「著作物」に該当し、「著作権」が生じていますので、そのようなものを利用した場合には、著作権の侵害になります。ここでいう「利用」とは、その創作性のある箇所を「複製」したり、「翻案」したりといったようなことです(同法21条~28条)。
 相撲甚句につきましては、7、7、7、5の甚句形式を採った日本民謡の一つですので、創作性はあると考えられますので、「著作物」に該当し、著作権が生じているものと思われます。

ただし、著作権の保護期間が経過しているものにつきましては、その利用は承諾なく行うことができます。

著作権の保護期間は、原則として著作者の死後50年までです(著作権法51条)。

また、無名または変名(ペンネーム等)の著作物の場合は、原則として、公表後50年までです(同法52条)。

さらに、法人などの団体が著作の名義を有する場合には、原則として、公表後50年までです(同法53条)。

「(保護期間の原則)

第51条
 著作権の存続期間は、著作物の創作の時に始まる。
2 著作権は、この節に別段の定めがある場合を除き、著作者の死後(共同著作物にあつては、最終に死亡した著作者の死後。次条第一項において同じ。)50年を経過するまでの間、存続する。」

「(無名又は変名の著作物の保護期間)
第52条
 無名又は変名の著作物の著作権は、その著作物の公表後50年を経過するまでの間、存続する。ただし、その存続期間の満了前にその著作者の死後50年を経過していると認められる無名又は変名の著作物の著作権は、その著作者の死後50年を経過したと認められる時において、消滅したものとする。
2 前項の規定は、次の各号のいずれかに該当するときは、適用しない。
一 変名の著作物における著作者の変名がその者のものとして周知のものであるとき。
二 省略。
三 著作者が前項の期間内にその実名又は周知の変名を著作者名として表示してその著作物を公表したとき。」

「(団体名義の著作物の保護期間)
第53条
 法人その他の団体が著作の名義を有する著作物の著作権は、その著作物の公表後50年(その著作物がその創作後50年以内に公表されなかつたときは、その創作後50年)を経過するまでの間、存続する。
2 前項の規定は、法人その他の団体が著作の名義を有する著作物の著作者である個人が同項の期間内にその実名又は周知の変名を著作者名として表示してその著作物を公表したときは、適用しない。
3 省略」

したがいまして、相撲甚句を出版する場合には、保護期間が切れているものにつきましては、権利者の承諾を得ることなくでき、保護期間があるものにつきましては、権利者の承諾が必要となります。

仮に、保護期間がある相撲甚句を権利者の承諾を得ずに出版する行為は、著作権のうち複製権(同法21条)および譲渡権(同法26条の2)と抵触してしまうことになってしまいます。

質問者: 返答済み 11 ヶ月 前.
22522;本的なことは、ある程度理解できましたが、コピーして本にして出す場合、作者が不明の場合は事前に許可がとれません。
判らずに出版等してクレームがついた時は、どのような対処をしたらよいのか、教えていただきたい。
質問者: 返答済み 11 ヶ月 前.
12424;ろしくお願いします。
専門家:  patent777 返答済み 11 ヶ月 前.

そうですね、古い著作物の場合は権利者が不明ということがよくありまして、このような著作物を「孤児著作物」といいまして問題となっております。

将来的には、作者や遺族などの著作権者が見つからない作品の利用に必要な手続きを、著作者団体が代行し、利用者の負担を軽くするといことが考えられているのですが、現在の制度では、孤児著作物を使いたい場合は、権利者の許諾を得る代わりに文化庁長官の裁定を受け,通常の使用料額に相当する補償金を供託するという方法により,適法に利用することができることになっています(著作権法67条等)。

詳しい手続は文化庁のホームページより「著作権者不明等の場合の裁定制度」

(http://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/seidokaisetsu/chosakukensha_fumei/)

をご覧になり、かかる手続をすることで利用することができることとなります。

それ以外の方法としましては、権利者からクレームがきた時点で、相手方と交渉し、継続使用の許諾契約を締結するということも考えられますが、その場合には、相手方が損害賠償請求をしてくる可能性もあります。この場合の損害額は相手方に生じた「実損」以上の額を請求することがでませんので、相手方も質問者様がご使用になっている相撲甚句と同一のものを利用して利益を得ている必要があります。相手方が使用していない場合には、ライセンス契約を締結したとしたならば支払わなければならないロイヤルティ相当額程度の賠償額ということになるのが一般的です(著作権法114条3項)。

それを承知のうえで許可や裁定を受けずに出版するという選択をすることも考えられますが、当方がこの方法を推奨するものではありませんことご了承ください。

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