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カテゴリ: 特許・商標・著作権
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私はインターネットのWikipediaに記事を書いているものです。記事を書く中で不安なことがありますので相談に参りました

質問者の質問

私はインターネットのWikipediaに記事を書いているものです。記事を書く中で不安なことがありますので相談に参りました。
Wikipediaのルールとして「検証可能性」というものがあり、事実に基づいて記載された「文献・雑誌・論文・ネット情報」等を元に記事を書く必要があります。また「中立性」というルールも有り、記事の中で「自説を展開してはならない」というルールがあります。
このルールに基づいて記事を書くと引用に関して最高裁判例等にある
・公正な慣行にもとづくものであること
・引用物と自分の著作とが区別されていること
・著作物が主で引用物が従であること
に抵触するのでは無いかと思っております。
本来引用とは、「自説」が有ってその自説を証明するために「引用」が行われると思います。
また、Wikipediaの記事を見て頂くとよく分かるのですが、自分の著作物は接続詞と修飾語くらいで、引用がほとんどです。(自分の言葉で書き換えたりある程度の工夫は皆さんしておられますが)
当然の帰結として引用物が主で著作物が従になってしまいます。
また「事実の伝達に過ぎない雑報及び時事の報道」は著作物ではないとされるため、新聞記事の引用は自由に出来ると思っていたのですが新聞社は著作権を主張していることを知りました。
また「国や地方公共団体等が公表する広報資料、調査統計資料の類は、自由に複製することが可能」なのは書籍、新聞等の刊行物に関してで有りインターネットはその範囲では無いという情報も得ました。
こういった状況の下Wikipediaは存続できるのでしょうか?また訴訟になったときに勝ち目はあるのでしょうか?
投稿: 1 年 前.
カテゴリ: 特許・商標・著作権
専門家:  patent777 返答済み 1 年 前.

知的財産権を専門とする者です。

内容は分かりました。少し調べてから、本日の午後にご説明させていただきます。

質問者: 返答済み 1 年 前.
12424;ろしくお願いします。ウィキペディアで私が書いた記事で代表的なものとして「モネの池」「根道神社」がありますので、参考にしてください。
専門家:  patent777 返答済み 1 年 前.

先ほどの者です。

ご質問に対する回答につきましては、「著作物」と「引用」の両面からご説明させていただきます。

まず、「著作物」についてですが、

著作権は「著作物」に生じます。「著作物」でなければ著作権は生じません。

ここで著作物とは、著作権法上、以下の様に規定されています。

「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。」(著作権法2条1項1号)。

すなわち、著作物といえるためには、「創作的」な「表現」であることを必要とします。そのため、ご質問にありますように「事実の伝達に過ぎない雑報及び時事の報道」は、創作性がなく著作物に該当しないものの一例として、著作権法(10条2項)に規定されているわけです。

ただし、この規定に該当するのは事件や事故の要点の報道、時事問題の簡潔な報道、死亡記事、叙勲記事等であって、誰が書いてもその内容になるといった創作性のないものについては、著作物とはならないのであり、雑報及び報道記事であっても創作性のあるものは著作物となります。

例えば、単なる事実を述べたに過ぎない文章、「東京タワーの高さは333メートルです」とか、、定型的な挨拶文章、「拝啓 猛暑の候、貴社におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。」など、その文章を作成するに当たり、作者において独自の表現の選択の幅が少ない場合において創作した文章等は、創作性が低く著作物にはならない可能性が高まります。

また、著作物として保護されるのは「表現」であって、アイデアは保護されません。

そのため、実質的には他人の文章と同じことを意味する文章であっても、その表現(文章表現)が異なっていれば、他人の文章の複製や翻案とはならず、別個の著作物として保護されます。

この複製とは、著作権法上、以下の様に規定されています。

「印刷、写真、複写、録音、録画その他の方法により有形的に再製することをいい・・・」(同法2条1項15号)。

また、複製概念を確立した有名な最高裁の判例では、複製とは「既存の著作物に依拠し、その内容及び形式を覚知させるに足りるもの」と判示しています。

一方、「翻案」につきましては、翻案とは、先行する原著作物に修正増減を施し、新たに創作性のある表現を付加しても、それが、原著作物に依拠し、かつ、原著作物の表現上の本質的な特徴を直接感得することができる場合をいいます。(この場合、後発の制作物に創作性が認められると原著作物に対する二次的著作物となります。)

すこし、ややこしい表現で理解し難いかもしれませんが、大雑把に言いますと、複製といえるほどには原著作物と近似していないが、全く別の著作物ともいえない著作物。あるいは、複製といえるほどではないが、それでもなお、二次的著作物から原著作物を直接想起させるほどに似ているといったような感じです。

実際には、どのような行為が翻案に該当するかは、著作物の種類や表現態様などによって異なり、確定的な基準は存在せず、ケース・バイ・ケースで判断せざるをえません。また、複製と翻案の厳密な境界も存在しないのが実情です。

要するに、著作物とは、「創作的」な「表現」をいいますので(同法2条1項1号)、他人の文章を利用する場合であっても、そもそも創作性がなく、著作物と認められないものを利用しても、著作権と抵触することはなく、また、他人の文章と実質的には同じ内容であっても、著作権法ではアイデアが保護されず、「表現」を保護するものなので、先にご説明した「複製」や「翻案」に該当しない程度に改変をした表現であれば、著作権と抵触しないことになります。

ですので、Wikipedia​に、事実に基づいて記載された「文献・雑誌・論文・ネット情報」等を元に記事を書くにあたりましては、それが著作物ではないと判断できるものや、著作物であっても、複製や翻案に該当しない程度に改変して、掲載することで著作権とは抵触しないことになります。

ただし、創作性があるのかないのか、あるいは、複製や翻案に該当しないほどの改変であるか否かの判断は難しいというのが実情ではないかと思われます。

そのため、他人の文章を利用する場合には、本来であれば、創作性がなく著作物に該当しないかもしれず、また、他人の文章が著作物であっても複製や翻案に該当しない程度にまで改変した表現を用いているにもかかわらず、その判断が難しいため、安全策をとって、著作権法上、他人の著作物の利用が認められている「引用」の要件に合致するような態様で利用するというのが実情ではないかと思われます。

そこで、次に「引用」についてご説明します。

質問者様もすでにご存じのようですが、著作権法上、「引用」とは、以下ように規定されています(同法32条1項)。

1.公表された著作物であること。2.公正な慣行に合致していること、3.報道・批評・研究その他の引用の目的上正当な範囲内であること、の3つの要件を満たす必要があります。

この要件を踏まえた上で、裁判上認められた引用基準というものがございます。以下の5つの要件を全て満たした場合です。

①明瞭性→引用する側の著作物(質問者様のWikipediaと、引用される側の著作物との区別が明瞭であること。例えば、引用部分をかぎかっこで括るなどです。記号、図形、写真のように引用した範囲が明確であれば線で囲むなどをしなくても明瞭の要件を満たすと思われます。

②付従性→引用する質問者様のWikipedia上の文章・写真・図形等が主体で、引用される元の著作物が従たる存在であること。要するに引用した文章等の内容部分が質問者様のWikipediaの中に吸収されており、引用部分がメインであるような内容になっていないということです。

③必要最小限→引用の範囲が引用の目的上必要最小限の範囲であること。例えば、美術作品・写真・俳句のような短い文芸作品であれば、全部の引用が可能ですが、学説・論文等については全部の引用はできないというようなことです。

④人格権への配慮→著作者の人格権侵害や名誉棄損とならないように配慮する必要があります。

⑤質問者様のWikipedia内の記事も著作物であることを要します。高度な独創性は不要ですが、説明文などにおいて何らかのご自身の表現を用いていればいいという程度のものです。この要件は満たすものと思われます。

結構、細かい条件ですが、この判例の条件を全部満たすことで引用が可能になると思われます。

また、元の著作物を引用するにあたりましては、出所を明示する必要があります(同法48条1項1号)。

ご質問にある「モネの池」と「根道神社」の​Wikipediaを拝見させていただきましたが、引用した箇所がはっきりしなかったのですが、少なくとも、「根道神社の歴史」に記載されているような、時系列に事実が記載されているだけのような部分につきましては、それが「著作物」と認められる可能性はあまり高くないのではないかとの印象を受けます。

「概要」等におきましても、自己の表現に置き換えても、実質的な内容が同じであれば、「中立性」というルールにも反しないと思われます。

ただし、他人の文章を利用した箇所の特定が難しいのですが、他人の著作物に該当する部分(どの部分かははっきりしなかったのですが)の利用に関してましては、総じて上述したような「引用」の要件のうち、少なくとも区分明瞭性、引用元については、満たしていない感じがしないでもありません。

仮に訴訟となった場合には、著作権法上の「引用」に該当しない場合には、先に述べました、利用部分に創作性はなく「著作物」に該当しないとか、複製や翻案に該当しない程度にまで改変しているので同じ「表現」ではないといった反論を展開していくことになると思われます。

​ 先に述べました「引用」の要件も時代とともに少しづつ変わりつつあるのですが、やはり、この場では、先に述べました引用の要件を満たす形でWikipediaの記事を書いていないと、勝訴を勝ち取るのは難しいのではないかと予想されます。

質問者: 返答済み 1 年 前.
12372;回答ありがとうございました。以下の件についてはいかがでしょうか?Wikipedia自体の存続の危機のように感じるのですがいかがでしょうか?
「国や地方公共団体等が公表する広報資料、調査統計資料の類は、自由に複製することが可能」なのは書籍、新聞等の刊行物に関してで有りインターネットはその範囲では無いという情報も得ました。
質問者: 返答済み 1 年 前.
36861;伸:インターネットでの配布について述べられているのは以下のURLの中『国や地方公共団体等が公表する広報資料、調査統計資料の類は、自由に複製することが可能でしょうか?』をクリックしたときに現れる回答です。
http://www.tokyo-gyosei.or.jp/business/copyright/faq6.html
専門家:  patent777 返答済み 1 年 前.

ご質問の内容は、著作権法32条2項の解釈の問題となります。

同条項は、以下のように規定されています。

「国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が一般に周知させることを目的として作成し、その著作の名義の下に公表する広報資料、調査統計資料、報告書その他これらに類する著作物は、説明の材料として新聞紙、雑誌その他の刊行物に転載することができる。ただし、これを禁止する旨の表示がある場合は、この限りでない。」

この規定では、国等が、一般への周知目的で作成し、その著作名義で公表する広報資料等であって、具体的には政府が発行する白書、新聞発表資料、調査統計報告書、広報紙誌などがこれに該当し、一般の学術文献と同性格の資料は該当しないといわれています(加戸逐条講義)。

さらに、国等の名義で公表され、かつ、転載禁止の表示がない著作物に限られます。

そして、これらの資料の利用が許される行為は「説明の材料として」「刊行物に転載すること」場合です。

「説明の材料として」というのは、32条1項の引用における付従性(主従関係)は要求されず、ある程度の説明文を付けた上で説明文より大量の広報資料等を転載してもいいとされています。

ただし、これらの資料を転載できる媒体は「刊行物」ということになります。

この「刊行物」の解釈にインターネットへの転載を含むかどうかにつきましては、文部科学省の著作権審議会第1小委員会における審議では、不可とされています。

以下に、その審議内容の概要を記載します。

「一方で、『刊行物』をさらに広くとらえて、インターネット上に掲載される場合も含めて考えるべきとの意見もあったが、インターネット上での利用については、複製権のほか、公衆送信権も働くこととなり、『転載』に公衆送信も含めて考えることは困難であること、インターネット上での利用を含む著作物利用に係る権利制限規定の在り方については現在著作権審議会で検討を行っているところであること等から、他のインターネット上での著作物利用に係る権利制限規定とのバランス等に留意しながら、さらに慎重に検討する必要がある。」

そのため、現状では、著作権法32条2項に基づいて、国等の資料をインターネットへ転載することはできないということになってしまいます。

ただし、国等の資料であっても、これを著作権法32条2項に基づきインターネットへの「転載」することはできませんが、これらの資料を同法32条1項に基づいて、インターネットへ「引用」することは可能です。この「引用」をする場合には、先にご説明しましたように、引用の①~⑤の要件すべてを満たす必要がでてきます。

そして、引用する場合には、仮に「禁転載」などの表示があっても、これは、この転載を禁止するもので、引用を禁止するものではありません。また、仮に「禁引用」と表示されていたとしても、引用の要件に合致すれば引用はできることとなります。

そのため、引用の要件に合致させる形で、国等の資料をWikipedia​に記載することは可能であると思われます。

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質問者: 返答済み 1 年 前.
12371;のやりとりを、何が書面のような物(PDF等)にして頂くことは可能でしょうか?
専門家:  patent777 返答済み 1 年 前.

ここサイトにおける回答の内容は、運営サイトに著作権が帰属することになっているはずですので、運営サイトにお尋ねしてください。

質問者: 返答済み 1 年 前.
20102;解しました。
専門家:  patent777 返答済み 1 年 前.

よろしくお願いします。

なお、ご承諾していただきましてありがとうございました。

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