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カテゴリ: 特許・商標・著作権
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お忙しいところ、申し訳ありません。私は、キリスト教会の牧師です。 私たちの教会では、活動の一環として、月一回程度老

解決済みの質問:

お忙しいところ、申し訳ありません。私は、キリスト教会の牧師です。
私たちの教会では、活動の一環として、月一回程度老人施設を訪問して、ボランティア活動をしています。もちろん、無報酬です。
今年は、「はくさい夫人とあおむしちゃん」という絵本(柳川茂作・河井ノア絵)を土台に、劇とナレーションで行おうと思います(約20分程)。そこで、この絵本をパワーポイントに取り込んで、大きくして見てもらいたいと思っています。
こういう場合、著作権に問題はないでしょうか。著作権について調べましたところ、著作権法30条(私的使用を目的とした複製)、同法32条(引用)、同法38条(営利を目的としない上演等)に規定により、問題がないと考えられますが、この判断は間違いないでしょうか。
また問題があれば、どのようにすれば(手続き等)、このことを実現できるのかを教えて頂きたいと思っています。よろしくお願いします。
投稿: 1 年 前.
カテゴリ: 特許・商標・著作権
専門家:  patent777 返答済み 1 年 前.
知的財産権を専門とする者です。 結論から申しますと、絵本を上映したり、その内容を上演することは問題ないのですが、その前提となります、絵本をパワーポイントに取り込む行為が著作権に引っかかると思われます。 とりあえず結論のみを回答しますが、続けて詳しいご説明を記載した回答をお送りしますのでもう少しだけお待ちください。
専門家:  patent777 返答済み 1 年 前.
まず、著作物である当該絵本を営利を目的とせず、かつ、料金を受けないで上演や上映をする行為は、質問者様のおっしゃる通り、著作権法におきまして、許諾なく実施できる旨が規定されています(著作権法38条1項)。ただし、この非営利目的の上演等をする場合には、原作品の内容を変形したり、脚色したりといったようなことをせずに原作品の内容をそのまま上演等することが必要となります(同法43条)。 一方、非営利目的の上映等をする前提として、当該絵本をパワーポイントに「取り込む」という作業をするとのことですが、この「取り込む」行為は、著作権法でいうところの「複製」に該当すると思われます。 著作権法の「複製」の定義は、次のように規定されています。 複製とは、『印刷、写真、複写、録音、録画その他の方法により有形的に再製することをいい・・・』(同法2条1項15号)。 そのため、当該絵本をパワーポイントに「取り込む」ということは、デジタルデータ化された絵本がパワーポイントの記録媒体に記録されること、すなわち有形的に再製されるため「複製」することになると思われます。 一方、当該絵本の著作権者は、複製権を有しています(同法21条)。 複製権とは、原則として、著作権者だけが、著作物を複製することができる権利です。 ただし、質問者様のおっしゃるとおり、私的使用目的で複製する場合(同法30条)や引用に該当する場合(同法32条)には、著作権者の承諾を得ずに著作物を複製することができます。 このうち、私的使用目的の複製につきましては、質問者様も調べられているのでご存じのことと思われますが、著作権法上は次のように規定されています。 『著作権の目的となっている著作物・・・は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とするときは、次に掲げる場合を除き、その使用する者が複製することができる。」と規定されています(同法30条1項)。 この規定を本事案に照らし合わせて考えてみますと、老人施設で上映等することを目的として、複製することとなりますので、「個人的に又は家庭内」で使用する目的でないことは明らかだと思われます。 ここで問題となりますのは「その他これに準ずる限られた範囲内」の解釈ですが、この解釈につきましては様々な学説があるのですが、大方は次のように説明されています。 「複製する者の属するグループのメンバー相互間に強い個人的結合関係のあることが必要で、部数を限定して友人に配布するような場合は私的使用の目的に該当しない。私的使用の目的に該当する典型例としては、社内の同好会とかサークルのように10人程度が1つの趣味なり活動なりを目的として集まっている限定されたごく少数のグループということ」、「これに準ずる限られた範囲内に該当するためには、相手方との間に家族に準ずる程度の親密かつ閉鎖的な関係があることが必要であり、相手方が不特定の者であってはならない。」というものです。 実際には、裁判所におきまして、事案ごとにケースバイケースで判断されることになりますが、上記のような解釈を基にして私的使用の目的となるか否かを判断しておけば、裁判所の判断と大きくことなることはないと予想されます。 そうしますと、老人施設での上映等を目的とする場合には、実際に当該絵本を複製することとなる質問者様ないしはその活動メンバーと、老人施設に入居されているご老人方の間には、「家族に準ずる程度の親密かつ閉鎖的な関係がある」とはいい難いのではないかと思われ、また、老人施設に入居されているご老人方は固定されておらず流動的であるので「不特定の者」(多数か少数かは問題とせず)であるともいえると思われます。 そのため、老人施設で上映等されることを目的とされる絵本の複製は、私的使用目的の複製(同法30条1項)には該当しない可能性がでてくると思われます。 続きまして、「引用」(同法32条)についてですが、 この「引用」に該当するには、①公表された著作物であること。②公正な慣行に合致していること、③報道・批評・研究その他の引用の目的上正当な範囲内であること、の3つの要件を満たす必要があります。 この要件を踏まえた上で、裁判上認められた引用基準というものがございます。以下の6つの要件を全て満たした場合です。 1.明瞭性→引用する側の著作物(質問者様の文章)と、引用される側の著作物(当該絵本)との区別が明瞭であること。例えば、引用部分をかぎかっこで括るなどです。絵や写真のように引用した範囲が明確であれば線で囲むなどをしなくても明瞭の要件を満たすと思われます。 2.付従性→引用する質問者様の文章が主体で、引用される元の著作物(絵本)が従たる存在であること。要するに引用した部分が質問者様の文章の中に吸収されており、引用部分がメインであるような内容になっていないということです。 3.必要最小限→引用の範囲が引用の目的上必要最小限の範囲であること。例えば、美術作品・写真・俳句のような短い文芸作品であれば、全部の引用が可能ですが、小説・学説・論文等については全部の引用はできないというようなことです。 4.人格権への配慮→著作者の人格権侵害や名誉棄損とならないように配慮する必要があります。 5.質問者様の文章も著作物であることを要します。高度な独創性は不要ですが、何らかのご自身の表現を用いていればいいという程度のものです。 6.また、元の著作物を引用するにあたりましては、出所を明示する必要があります(著作権法48条1項1号)。例えば、著作者名(氏名、筆名、雅号、サイン、略称など)、題号、出版社名などの明示が必要です。 以上ご説明した要件を全て満たした場合には、『引用』に該当し、違法とはならないとの判例が存在します。 この基準に照らして本事案について考えてみますと、ご質問内容から伺いますと、当該絵本の全部または大部分をそのままコピーするような態様での複製ということのように思われます。その絵本の一部分のみを質問者様が独自に作成した文章に取り込むという態様ではないようですので、そのような場合には著作権法でいうところの「引用」には該当しないと思われます。 以上から、上映等の前提となりますパワーポイントへの取り込みが複製権(同法21条)と抵触すると予想されます。 そのため、当該絵本を複製することなく、上映する方法があればそのような方法で非営利に上映等する(同法38条1項)か、または、当該絵本の著作権者から利用するための承諾を得る必要があろうかと思われます。承諾を得るには、当該絵本の出版社に連絡するという方法もあろうかと思われます? 以上、一応のご説明をさせていただきました。
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