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カテゴリ: 特許・商標・著作権
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自炊代行業での「複製」の主体の扱いについて、見解を伺いたいと思います。 複製の過程において一番重要な行為は、 本の内容を電子ファイルとして有形的に再製する行為である。として

解決済みの質問:

自炊代行業での「複製」の主体の扱いについて、見解を伺いたいと思います。
複製の過程において一番重要な行為は、
本の内容を電子ファイルとして有形的に再製する行為である。として、
複製の主体は、代行の依頼者ではなく代行業者にある。という判例の説明を読みました。
私はウェブサービスを開発する者ですが、以下のサービスを依頼者に展開した場合、
「複製」の主体は代行業者にあるのかどうか、見解をご教示いただけますか。
<想定する自炊環境提供業(※)のプロセス>
※自炊の環境を提供するが、自炊の実行は依頼者に委ねる。という意味で「自炊代行」ではない。とする。
(1) 依頼者が業者に対し、本のデータ化を申し込む
(2) 依頼者が、業者にデータ化してほしい本を送付する
(3) 業者が送付された本を裁断する
(4) 業者が裁断物をスキャナーに置く
(5) 依頼者がPCの画面上から、「スキャンする」か「破棄する」かどちらかを選択する(ボタンをクリックする)
(6) 「スキャンする」を実行した場合、スキャナーはスキャンを開始する
(7) スキャンされたデータは自動的に依頼者のPCへ送信される(あるいは、依頼者がネット上でダウンロードする)
スキャン・電子化行為が「複製における枢要な行為」であり、
「これを行っているのは業者のみであって、依頼者は全く関与していない。」と判断された。
...のであれば、
上記の(5) の実行を依頼者に委ねた場合はどうか?
という質問になります。
よろしくお願いします。
投稿: 2 年 前.
カテゴリ: 特許・商標・著作権
専門家:  patent777 返答済み 2 年 前.

知的財産権を専門とする者です。

 自炊代行業における「複製」の主体について判断した判決として東京地裁の平成25年9月30日判決および東京地裁の平成25年10月30日判決がありますが、これらによれば、電子ファイル化する行為が複製における枢要な行為であるとして、そのような電子ファイル化をしたのは、依頼者ではなく、自炊業者であるから、自炊業者が複製の主体であり、よって自炊業者は複製権を侵害する、という判断をしています。

 質問者様もこの判例を参照されたのであろうと思われます。

 この判決で重要な要件となる「枢要な行為」に着目して複製の主体を判断する手法はロクラクⅡ事件の最高裁判決に由来するものですが、同最判は、一般論として、「複製の主体の判断に当たっては、複製の対象、方法、複製への関与の内容、程度等の諸要素を考慮して、誰が当該著作物の複製をしているといえるかを判断す」べきであると述べた上で、当該事案の判断として「枢要な行為」を行った者を複製の主体と認定したものです。

 そのため、「枢要な行為をした者は誰か」という基準はあくまで総合的な考慮に基づいて実質的な観点から複製の主体を判断する際の「下位基準」と捉えられられており、「枢要な行為」を行っていない者でも、別の実質的な考慮により、複製の主体と判断されることはありうることになると思われます。

 このロクラクⅡ事件は以下のような内容の事件です。

 放送の送受信が可能な親子機能を有する2台1組のハードディスクレコーダを利用して、遠隔地(海外)に居住する利用者が子機からインターネット回線を通じてサービス事業者の管理する親機に対して録画の指示を出して放送番組を録画し、親機からそのデータの送信を受けて放送を視聴する環境を提供するサービスが、複製権侵害となるか否かが争われた事案です。

 当該事案においては、サービス事業者は放送の録画のための重要な準備行為をすべて行っているものの、利用者が録画の指示を出さなければ録画が実行されることはなく、利用者が録画の指示を出せば、録画が自動的に行われるようになっていたことから、物理的にみれば、録画行為を行なっているのは利用者であり、利用者を複製の主体と解する余地があったものの、最高裁は、利用者の指示で録画が実行されるとしても、サービス事業者が複製の実現における「枢要な行為」をしている以上、形式的に利用者のみを複製の主体と捉えるのは妥当ではなく、実質的な観点からサービス事業者を録画の主体と捉えるべきであると判断しています。

 以上の点を考慮してご質問内容を考えますに、業者自身は、スキャニングをしていませんが、依頼者の本を裁断し、それをスキャナーに置いています。また、ご質問には記載がないのですが、依頼者がPCの画面上から、「スキャンする」ボタンをクリックすると、スキャニングが開始され、スキャンされたデータは自動的に依頼者のPCへ送信される、ことを可能にするためのソフトの提供または利用環境を業者が行っているということであれば、サービス事業者は複製のための重要な準備行為をすべて行っているとして、実質的な観点からサービス事業者が複製の実現における「枢要な行為」をしている、と判断される可能性があるのではないかと推測されす。

 ご質問内容が今までの判例にない事案ですので、断言するのは中々難しいものがあり、侵害と判断されかねないような危険な判断はしがたく、どうしても安全な方向での判断をせざるを得ない点をご了承ください。

 以上が当方の見解とさせていただきます。

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