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カテゴリ: 特許・商標・著作権
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お世話になります。私は、限られたスペースの本棚におさまりきれない書物類を、捨てるわけにもいかず、どうにかしてデータ化

解決済みの質問:

お世話になります。私は、限られたスペースの本棚におさまりきれない書物類を、捨てるわけにもいかず、どうにかしてデータ化したいと思うようになりました。しかしながら、裁断する機械を購入するあるいは保管する余裕もなく、また素早くスキャンするスキャナーを用意する余裕もなく、悩みました。
すると、インターネット上で某社が低額で書籍の電子化(pdf化)してくれることを知り、現時点で、15冊程度データ化してもらい、ダウンロードしてpdfデータを受領しました。
データ化した後は、しっかり削除されているようですので、全く問題意識がなかったのですが、紙ベースの書物のデータ化は違法であるような旨のサイトを見つけてしまいました。
私としては、自らの環境が決してよくないため、本サービスには助けられています
また、当然のことながら、このデータは他者への提供等一切行いません。
以上、ご回答をよろしくお願い申し上げます
投稿: 2 年 前.
カテゴリ: 特許・商標・著作権
専門家:  patent777 返答済み 2 年 前.
patent777 :

弁理士の回答では料金をお支払いいただけないでしょうか?弁理士の試験には著作権も含まれております。また、本件の判例は知っております。いわゆる「自炊代行訴訟」です(東地判平25.9.30)。

Customer:

弁理士の先生は著作権についてプロフェッショナルと理解してよろしいのでしょうか?

patent777 :

理解して構いません。著作権についても日々研鑽を積んでおります。

Customer:

承知しました。では、私の現状はご理解くださいましたものと思いますので、私はいま出来上がったデータをどうすればよいかも含めて、詳細ご指導よろしくお願い申し上げます

patent777 :

分かりました。それでは判例を踏まえてご説明しますので、判例の要点を外さず、かつ、簡潔なご説明としますので、多少お時間をいただきます。もちろん、本日中に御回答いたします。そのため、少々お待ちください。

Customer:

お手数をおかしますが、よろしくお願い申し上げます

patent777 :

結論から申しますと、書籍の電子化をした業者の行為は違法となります。

以下に、本件のようないわゆる自炊代行サービスについての判例についてご説明します。その後、ご質問内容を判例に当てはめた上で、なぜ違法となるのかをご説明したいと思います。




  1. 自炊代行訴訟:東京地方裁判所 平成25年9月30日判決




(1)本件は、小説家、漫画家、漫画原作者である原告が、自炊代行業者である被告に対し、被告が利用者から電子ファイル化の依頼があった書籍について、権利者の許諾を受けることなく、スキャナーで書籍を読み取って電子ファイル化する事業を行うことは、原告の作品について、原告がそれぞれ有する著作権(複製権)を侵害するおそれがあるとして、被告の行為の差止めと損害賠償を請求した事件です。

(2)判決

差止請求を認め、また、損害賠償請求を一部認めました(原告1名当たり10万円)。

(3)判決の要旨

「〔複製過程に複数の者が関与した場合の複製の主体の認定判断〕については、複製の実現における枢要な行為をした者は誰かという見地から検討するのが相当であり、枢要な行為及びその主体については、個々の事案において、複製の対象、方法、複製物への関与の内容、程度等の諸要素を考慮して判断するのが相当である。」

「本件における複製は、書籍を電子ファイル化するという点に特色があり、電子ファイル化の作業が複製における枢要な行為というべきであるところ、その枢要な行為をしているのは、被告であって、利用者ではない。したがって、被告を複製の主体と認めるのが相当である。」

この判決では、誰が複製行為をしたのかということを述べています。

すなわち、被告(自炊業者)であるのか、それとも利用者(自炊を依頼した者―質問者様に当たります)であるのか、を認定しています。

そして、その認定に当たっては、「複製の実現における枢要な行為をした者」が複製行為をした者であると述べて、自炊業者が枢要な行為をしたので、自炊業者が複製者であって、利用者ではないと判断しています。

なぜこのような判断をしたかと申しますと、著作権法30条1項との関係があるためです。

同法30条1項は、私的使用を目的として複製する場合には、著作権のうちの複製権(同法21条)が制限される旨を規定しています。すなわち、複製しても違法とはならない場合を規定しているのが30条1項です。

そして、30条1項は以下のように規定しています。

「著作権の目的となっている著作物・・・は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とするときは、次に掲げる場合を除き、その使用する者が複製することができる。以下、省略。」

この規定では、私的使用を目的とするときは、「その使用をする者」自らが複製する場合には、複製権が制限されるとしています。

そのため、「その使用をする者」である「利用者」が複製しているのであれば、30条1項の規定が適用され、複製権の侵害とはならないということになります。

そのため、「利用者」でない「自炊業者」は、「その使用をする者」に該当するのかどうかが問題となります。

自炊業者は利用者の指示に従って書籍の電子化をしているに過ぎず、利用者の単なる手足に過ぎないとして、実質的には利用者が複製している、という考え方もあります。そのような考え方に立ちますと、電子化をしている者は利用者、すなわち、「その使用をする者」自らが複製していることになり、法30条1項の適用が可能となり、電子化する行為は違法ではないということになります。

しかし、判例では、電子化を行う上で自炊業者が枢要な行為をしたので、自炊業者が複製者であって、利用者ではないと判断していますので、法30条1項で規定しているところの「その使用をする者=利用者」自らが複製していることにはならず、その結果、30条1項に該当しないので、複製権の侵害になるということです。

(4)自炊業者の主張

著作権法では、「複製」を「印刷、写真、複写、録音、録画その他の方法により有形的に再製すること」と定義しています(同法2115号)。

本件で問題となった書籍の電子ファイル化は、著作物の有形的な再製にほかならないので、著作権法上の「複製」に該当すると解することに特に異論はありません。

被告は、「複製」とは、単なる再製行為ではなく、再製の結果、複製物の数が増加することをいうとし、自炊後に裁断済み書籍が廃棄される場合には複製物が増加しないから、「複製」に該当しないと主張していました。

しかし、著作権法における「複製」が「有形的再製」行為それ自体を意味しており、本判決が判示するとおり、有形的再製後の著作物及び複製物の個数によって「複製」の成否が左右されるものではないということになります。

被告の主張は、「有形的再製」が行われても、結果的に著作物及び複製物の個数が増加しない場合には、著作権者に実害がないため、複製権の保護を認める必要はないという実質論から複製該当性を否定しようとしました。

しかし、著作権法は、「有形的再生」後に複製物が消去され、結果的に著作物及び複製物の個数が増加しない場合でも、著作物の「有形的再製」がある限り、「複製」が成立することを前提として、著作権者に実害のない一定の範囲の「複製」について権利を制限する(30条1項)という仕組みを採用していますので、現行法の解釈論として被告の主張を採用することは困難であるということになります。

(5)利用者の責任

本判決は代行業者を複製の主体と認定したことの裏返しとして、利用者が複製の主体にならないと帰結しています。すなわち、利用者は複製していないので、複製権の侵害責任を問われないと判断しています。

.本ご質問への当てはめ

質問者様のご質問内容は、ご紹介した自炊代行訴訟の判例と酷似していますので、この判例に基づいて回答します。

質問者様は判例における「利用者」ということになります。そして、質問者様の書籍を電子化した自炊業者が「被告」ということになります。

そうしますと、複製行為(枢要な行為)をしたのは、質問者様ではなく、質問者様の依頼を受けて裁断、スキャニングをした自炊業者ということになります。

そのため、法30条1項に規定する「その使用をする者」である質問者様が自ら複製をしたとはならず、「その使用をする者」以外の者である自炊業者が複製したこととなるので、同法の適用はされず、自炊業者が複製権を侵害したことになります。

一方、利用者である質問者様は複製をしていないことになりますので、複製権の侵害責任を問われることはありません。

ただし、質問者様がダウンロードして受け取ったPDF化された電子書を自らが私的に使用する分には問題ありませんが、それを更に複製したり、公に上映したり、口述したり、展示したり、譲渡したり、貸与したりすると、著作権と抵触すると思われます。

さらに、著作権法113条1項2号では、いわゆる間接侵害が規定されています。

「 次に掲げる行為は、当該著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権又は著作隣接権を侵害する行為とみなす。
一 省略
二 著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権又は著作隣接権を侵害する行為によって作成された物・・・を、情を知って、頒布し、頒布の目的をもって所持し、若しくは頒布する旨の申出をし、又は業として輸出し、若しくは業としての輸出の目的をもって所持する行為」

そのため、頒布(譲渡+貸与)等の目的をもって所持する行為も著作権の侵害とみなされますので、頒布はしない方がよろしいか思われます。

すでに取得したPDFファイルをご自分だけで個人的に利用するようにした方がよろしいかと思われます。そして、今後、電子化は依頼しないのがよろしいかと思われます。

なお、本判決後、本件原告らが別の自炊代行業者を訴えた別件訴訟において、東京地方裁判所(平成25.10.30)は、本判決とほぼ同様の理由により、自炊代行サービスを複製権侵害とする判決を出しています。

以上、一通りご説明させていただきました。


Customer:

大変ご丁寧なご説明誠にありがとうございました。当然のことながら、そもそも書籍の電子化したデータは私のみ使用し、他者への提供はするつもりはございませんでした。しかしながら、著作権に関わる問題と知り、非常に驚いております。私は、弁理士のような難関ではございませんが、某国家資格を目指して専門学校で学生をしております。その学習のための書籍だったのですが、受験資格が罰金刑以上で失うことになりますため、しっかりと処理したく存じます。最後にいくつかご指導ください。現在出来上がってしまったデータは私的利用しかしませんが、大事をとるならばどうしたらよろしいでしょうか?また、Ki社のように本の裁断だけしてくれる所で裁断してもらい、自宅のスキャナー(買うしかありません……)でいわゆる自炊することはどうなりますでしょうか?本質問のご回答にてお支払いさせて頂きますので、引き続き親切かつ丁寧なご指導をよろしくお願い申し上げます

patent777 :

分かりました。少し検討してから、本日中に回答します。

patent777 :

.すでに受け取った電子書籍を私的使用する分には、問題はないと思われます。

ただし、先にもご説明しましたが、「著作権を侵害する行為によって作成された物を、情を知って、頒布の目的をもって所持し」の場合には、いわゆる間接侵害(113条1項2号)となりますので、頒布する目的で所持していたなどとの嫌疑がかけられた場合には、その反証が必要になります。

反証をする自信がないとか、面倒に巻き込まれたくないということでしたら、受け取った電子書籍を廃棄するのが一番安全かと思われます。

ただし、著作権は親告罪であり、権利者が告訴しない限り、検察は起訴しません。

「権利者は、業者に対しては告訴するでしょうが、その利用者に対して訴える利益はほとんどないので、私的使用をしている限りは、問題は起きないのではないでしょか」

2.判例がないので、断定はできませんが、おそらく、複製権の侵害にはならないと思われます。

この場合の複製行為は、質問者様の単独、あるいは質問者様と業者の共同という考えになるのではないかと思われます。

そして、その場合、先の判例に基づいて考えますと、複製の「枢要な行為」をしているのは、質問者様になるのではないかと考えられます。

業者は質問者様の依頼を受け、質問者様が所有し、提供した書籍を裁断しているに過ぎません。

そして、その裁断され、質問者様が所有し、提供した書籍を、使用者である質問者様ご自身でスキャニング、すなわち、複製しているので、この一連の行為からして、スキャニング行為が判例で言うところの「枢要な行為」に当たると思われます。

そうであれば、著作権の制限規定である法30条1項に規定する「その使用をする者」である質問者様ご自身が複製をしたということになろうかと思われます。

この場合、裁断のみした業者は、裁断だけしかしていませんので、複製行為をしているとはいえないのではないでしょうか。

または、せいぜい実際の使用者である質問者様の単なる補助をしたに過ぎないと判断され、「枢要な行為」はしていないので、違法ではないと判断されるものと思われます。

以下に、ご質問内容と若干異なるのですが、似たようなケースで、学者さんが著名な法律雑誌である「ジュリスト20142/1463号」で次のような見解を述べていますので参考になればと思い、記載させていただきます。

1. 機材提供型

●利用者が業者の店舗内に設置された裁断機やスキャナーを利用して、持参した書籍を自ら複製するという形態。

●利用者が自ら書籍の電子ファイル化を行っているから、利用者が物理的な意味で複製の主体となることは明らかである。

また、スキャナーは3011号の公衆用設置自動複製機器に該当するが、「専ら文書又は図画の複製に供するもの」であるため、同号が適用されず(附則5条の2)、利用者の複製行為は複製権侵害とならない。

●業者は、裁断機とスキャナーという汎用機器を利用者に提供しているにすぎず、自炊される書籍の内容に全く関知していないから、業者は単なる幇助者にとどまり、複製の主体とならないことは明らかである。よって、業者が複製権侵害の責任を負うことはない。

また、利用者の複製行為は複製権侵害とならないため、業者は複製の幇助者としても法的責任を負わない。

2. 機材・書籍提供型

●業者が利用者に裁断済書籍を貸出し、利用者が業者の店舗内に設置されたスキャナーを利用して複製するという形態。

●利用者が複製権侵害とならないことは、機材提供型と同じである。

●業者は、複製の対象となる書籍を利用者に提供し、自己の管理下において自己の意図した複製行為を利用者に行わせていることから、業者を法的な意味で複製主体と捉え、複製権侵害の責任を問うことは可能であると思われる(同旨、小坂=金子・前掲69頁、平成23年度著作権委員会第4部会・前掲78頁〔前渋正治〕、反対、島並・前掲3頁)。

「機材・書籍提供型」は、業者の所有する1冊の書籍から多数の利用者が多数の複製を行うことを可能とするものであるから、書籍の売上に直接影響し、自炊代行サービスと比べて著作権者により深刻な不利益をもたらすものであるため、自炊代行サービスを複製権侵害と解する場合には、「機材・書籍提供型」も複製権侵害になると解するのがバランスの取れた解釈論といえる。」

との見解を述べています。

ご質問内容とは若干異なりますが、「2の機材・書籍提供型」では、業者自らが、その所有する裁断済みの書籍を貸出し、さらに、業者の店舗内にスキャナーを設置して、利用者に複製させていますので、すべて業者の支配・管理の下での利用者による複製ということですので、業者が複製の主体と捉えられる可能性がある、と述べているわけです。

これに対し、ご質問では、使用者である質問者様がその所有する書籍を提供して、業者は単に裁断のみをしているに過ぎないので、「2の機材・書籍提供型」のように、「業者の支配・管理の下」おける利用者による複製ということにはなりませんので、業者は複製の主体と判断される可能性は少ないと思われます。

以上、ご説明させていただきました。

Customer:

誠にありがとうございます。書籍もお金も失って、ただただ悲しいですが、削除いたします。ただ、私のように法律家でないものにとりましては、最後のご説明が非常に難解でございました。どうしても、書籍をpdf化したい場合ですが、自宅で裁断が困難ですのでkink社で裁断いたします。それを自宅に持ち帰り、自宅のスキャナーでpdf化し、そのデータを自分だけで利用するのは問題ないとの理解でよろしいのでしょうか?お手数をおかし誠に申し訳ございません

Customer:

お支払いして、回答を待つ方法がよく分かりません。チャットが終了しますと表示されます。しかしながら、先生に感謝しお支払いさせて頂きます。最後の私の問いにつきまして、ご回答のご準備だけよろしくお願い申し上げます。再度質問の形式にさせて頂きます。よろしくお願い申し上げます。

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