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patent777
patent777, 弁理士資格を取得
カテゴリ: 特許・商標・著作権
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経験:  特に特許法、実用新案法、意匠法、商標法、パリ条約に精通しています。
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海外ブランド品を並行輸入し日本国内で販売しようと考えています。 これにあたり想定される法務上の論点を教えていただけ

解決済みの質問:

海外ブランド品を並行輸入し日本国内で販売しようと考えています。
これにあたり想定される法務上の論点を教えていただけましでしょうか。
当方で把握している論点と対応策は以下の2点です。
①「真正商品の並行輸入」に該当するかどうか
 →商標権者の発行した保証書を確認することで対応。
②商品画像の著作権
 →仕入れた商品を自社で撮影することで対応。

宜しくお願いします。
投稿: 3 年 前.
カテゴリ: 特許・商標・著作権
専門家:  patent777 返答済み 3 年 前.

patent777 :

知的財産権を専門とする者です。



まず①の「真正商品の並行輸入」についてご説明します。



登録商標を付した真正商品である海外ブランド品を我が国に並行輸入する場合、商標権侵害とならない場合の判断基準が、最高裁の「フレッドペリー事件」(平成15年2月27日)で判示されています。



すなわち①当該商標が外国における商標権者又はその使用許諾を受けた者により適法に付されたものであること。



②外国における商標権者と我が国の商標権者とが同一人又は法律的若しくは経済的に同一人と同視しうる関係があることから当該商標が我が国の登録商標と同一出所を表示するものであること。



③我が国の商標権者が直接的または間接的に当該商品の品質管理を行い得る立場にあることから、当該商品と我が国の商標権者が登録商標を付した商品とが、当該登録商標の保証する品質において実質的に差異がないと評価されること。



以上の3要件をすべて満たす場合には、商標権の侵害とはなりません。



これを本事案に当てはめて考えますと、質問者様が輸入しようとしている海外ブランド品に付された商標が、当該国(輸出元の外国)における登録商標の商標権者又はその商標権者から当該登録商標の使用許諾を得た者によって適法に付されたものであれば、①の要件は満たします。



次に、当該国における商標権者と我が国の商標権者とが、同一人又は法律的若しくは経済的に同一人と同視しうる関係があり、海外ブランド品に付された商標が我が国の登録商標と同一出所を表示するものであれば②の要件も満たします。ここに、「法律的若しくは経済的に同一人と同視しうる関係」とは、当該国の商標権者が、日本の商標権者の総代理店であるとか、コンツエルン関係にあるといったような関係です。


すなわち、当該国の商標権者と日本の商標権者との間に上述のような関係があり、かつ、海外ブランド品に付された商標が日本の商標権者の出所を表示するものであると認められれば、②の要件を満たすこととなります。



そして、輸入する海外ブランド品と、日本の商標権者が登録商標を付した同一品とが、品質において実質的に差異がないと評価されれば③の要件も満たします。



そして、上述しましたように、全ての要件を満たしている場合には、商標権侵害には当たらず、輸入することができることとなります。



なお、ご質問には「商標権者の発行した保証書を確認することで対応」とありますが、その意味を誤解しているかもしれませんが、仮に保証書に真正商品の輸入を許可するような内容であれば、輸入しても問題はないことになりますが、そうではなくても、上記の3要件を満たすことで、保証書の内容と関係なく輸入できることになります。



続きまして、著作権についてですが、商品画像が著作物であれば、著作権が生じていますので、それを無断で利用しますと著作権侵害となります。



著作物とは「思想又は感情を創作的に表現したもの・・・」をいいます(著作権法2条1項1号)。すなわち「創作的な表現」であることをいいますので、商品画像がそのような「創作的な表現」であれば著作物となり、著作権が生じます。



現物を見ていないので何ともいえませんが、著作物と考えておいた方が安全ですので、その使用は控えた方がよろしいかもしれません。



そのため、ご質問にありますようなご自身で商品を撮影された方がよろしいかと思われます。



とりあえず、本件に対する回答とさせていただきます。

Customer: ご返信ありがとうございます。
Customer: ちなみにその他の想定される論点があればご教示いただけますでしょうか。
Customer: 宜しくお願い致します。
Customer: 真正商品の並行輸入についてですが、例えば米国のTiffanyを購入し
Customer: その保証書を確認することでそれが本物で有ることが確認できれば(保証書で本物で有ることが確認できるとして)、商標権者より適法に付されたことが確認でき(①)、
Customer: 米国Tiffanyと日本Tiffanyが「法律的若しくは経済的に同一人と同視しうる関係」であればこと②は事足り、
Customer: 最後に米国Tiffanyで取得した本物の同社の商品であれば③品質が満たされるということになりますでしょうか。
Customer: この「真正商品の並行輸入」の考え方の背景をくだいて考えると、「外国でも、日本でも、本物を取り扱ってね」ということかと理解しています。
Customer: 著作権については、その商品自体は著作物で有ること確かですが、それを写した写真に創作的な表現があるか、という点がポイントかと考えています。つまり、ただ写真で撮っただけで、誰が撮っても同じ、ということであれば、著作物はないものと考えています。
Customer: 色々とありがとうございます、大変参考になっています。取り急ぎ確認と御礼まで。
patent777 :

質問者様がご理解されているとおりでございます。

patent777 :

先の説明で、3要件を挙げましたが、何も難しいことを要件としているのではなく、質問者様のおっしゃるとおり、正規に販売されたものをそのまま輸入すれば問題がないということだけです。

patent777 :

そして、並行輸入業者に対して、ちゃんと本物であることを確認して、輸入・販売しなさい、という責任・義務を課したのが、先の最高裁判決の趣旨です。

patent777 :

そのため、保証書で本物であることが確認されるのであれば、①の要件を満たし、米国Tiffanyと日本Tiffanyが「法律上・経済上の同一人と同視しうる関係」であれば、②の要件を満たし、品質に変わりがなければ③の要件を満たすことになります。質問者様のおっしゃるとおりです。

patent777 :

著作権につきましても、質問者様のおっしゃるとおり、誰がとっても同じであれば、著作物ではなく、著作権は生じません。

patent777 :

例えば、プリクラ、防犯カメラの録画写真、自動証明写真などのように機械的に撮影したに過ぎないような写真は当然に著作物とはいえず、著作権は生じません。

patent777 :

一方、被写体の選択、構図、背景、陰影、露出、シャッタースピードなどを工夫して、撮影者の何らかの個性が現されているような写真については、著作物となる可能性が高くなります。

patent777 :

そして、著作物であるためには、芸術性や学術性が高度である必要はなく、何らかの個性が現れている程度でいいとされています。ただし、商品写真については一般的には著作物性が認められる可能性は少ないのですが、多少なりとも個性が出ていれば、商品写真であっても、著作物性が認められ、著作権が生じるとされた判例があります(「スメルゲット事件」知財高裁判決H18.3.29)。

patent777 :

知的財産についての他の論点としまして、本件との関わりから考えられるものとしましては、特許権や意匠権との関係があります。

patent777 :

当該ブランド品について、特許権や意匠権が生じている場合には、その並行輸入が認められるための要件がございます。

patent777 :

当該ブランド品(特許品、意匠品)について販売先ないし使用地域から日本を除外する旨を譲受人との間で合意した場合、また、譲受人から当該ブランド品を譲り受けた第三者及びその後の転得者に対しては、権利者と譲受人との間で右の旨を合意した上、当該ブランド品にこれを「明確に表示した場合」に限り、当該ブランド品を日本に輸入・販売することは許されないことになります。

patent777 :

ここでいう「譲受人」とは、特許権者ないし意匠権者から直接、当該ブランド品を購入した者をいいます。また、「第三者及びその後の転得者」とは、権利者から直接当該ブランド品を購入した者ではなく、権利者から直接購入した譲受人からその後の流通過程のいずれかの段階において当該ブランド品を購入した者をいいます。

patent777 :

そして、真正商品の並行輸入が認められるための要件が「譲受人」と「第三者及びその後の転得者」では多少異なっているということを意味します。

patent777 :

したがいまして、当該ブランド品について、特許権や意匠権が生じている場合には、上記の最高裁判決(「BBS並行輸入事件」最高裁判決平成9年7月1日)の要件を満たす必要があります。

patent777 :

とりあえず以上をもって、回答とされていただきます。

Customer:

特許品、意匠品の定義が分かりませんが、その後の文章を拝見しますと、仮に特許品・意匠品に該当する場合でも、今回の仕入先である譲受人と「販売先ないし使用地域から日本を除外する旨の合意」が無ければ、本論点は無視できる、という理解で宜しいでしょうか。

Customer:

最後に特許権

Customer:

・意匠権についてのアドバイスありがとうございます。

patent777 :

そうです。特許品や意匠品に該当する場合でも、権利者と譲受人との間において「販売先ないし使用地域から日本を除外する旨の合意」がない場合には、輸入・販売しても、権利侵害にはならない、ということです。また、第三者やその後の転得者に対しては、権利者と譲受人との間において、「販売先ないし使用地域から日本を除外する旨の合意」があり、更にそのような合意がある旨を特許品や意匠品に明示している場合には、そのような特許品や意匠品を輸入・販売すると権利侵害になるのですが、そのような合意がない場合またはそのような合意があっても、特許品や意匠品にその旨を明示していない場合には、そのような製品を輸入・販売しても権利侵害にはならないことになります。

patent777 :

特許権は発明品について生じます。発明とは「自然法則を利用した技術的思想の創作」(特許法2条1項)といいまして、主に工業製品について特許庁に出願して、審査に合格した場合に生じます。

patent777 :

また、意匠権は、斬新なデザインがなされた場合にそのデザインについて生じ、著作権が一品制作物に対し生ずるものであるのに対し、意匠は主に多数制作される工業製品に対するデザイン(物品の形状、模様、色彩、これらの結合)を対象としています。この意匠権も特許庁に出願し審査に合格した場合に生じます(著作権は創作時点で自動的に生じます)。

patent777 :

特許権、意匠権、商標権につきましては、特許庁の電子図書館(IPDL)などで検索することで、その存在の存否を確認することができます。IPDLは特許庁のホームページからアクセスでき、無料で利用できるのですが、使い慣れていない場合は、検索漏れなどが生じる可能性が高いので、特許事務所に依頼して調査することをお薦めします。

Customer:

ありがとうございました、大変よく分かりました。ありがとうございます。

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