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はじめまして。 私は、ある博物館で学芸員をしている平野と申します。 この度、館で配布する無料冊子の表紙に、 昭

質問者の質問

はじめまして。
私は、ある博物館で学芸員をしている平野と申します。
この度、館で配布する無料冊子の表紙に、
昭和40年代制作と思われる、「双六」の資料写真を掲載したいと考えています。
ちなみに、資料は当館所蔵物です。

この双六には、出版社も出版年も明記されておらず、
『スーパーマンガ双六』の見出しがあります。
全く説明はありませんが
明らかに、当時人気だった「怪物くん」「巨人の星」「ゲゲゲの鬼太郎」「タイガーマスク」などの
キャラクターと分かるイラストが描かれています。

この資料写真を冊子上に掲載することは
著作権など、何らかの権利に触れるのでしょうか?

ご教示いただければ幸いです。
宜しくお願いいたします。
投稿: 2 年 前.
カテゴリ: 特許・商標・著作権
専門家:  patent777 返答済み 2 年 前.
 知的財産権を専門とする者です。

 ご質問にある「スーパーマンガ双六」の見出しがある双六に描かれている「怪物くん」「巨人の星」「ゲゲゲの鬼太郎」「タイガーマスク」などのキャラクターは、美術の著作物となり得ます(著作権法2条1項、10条1項4号)。

 そのため、キャラクターには著作権が生じており、その著作権者は権利譲渡していない限り、各々の漫画家(藤子不二雄A、川崎のぼる、辻なおき、水木しげるなど)ということになります。

 本件の双六は、元となる「怪物くん」「巨人の星」「ゲゲゲの鬼太郎」「タイガーマスク」などの漫画からキャラクターを複製して作成されたものにすぎないので、双六の制作者には、当該キャラクターの著作権は生じていないことになります。

 著作物(漫画)を創作した者が「著作者」となり(同法2条1項2号)、その著作者が著作権者となるからです(同法17条1項)。

 そのため、冊子の表紙に掲載予定の「双六」の資料写真が、これらのキャラクターである場合またはこれらのキャラクターを一部に含むような態様のものでしたら、これらキャラクターの著作権(複製権)と抵触することになります(同法21条)。

 一方、「双六」の資料写真が、これらのキャラクターを含まないものであるならば、それを掲載してもこれらキャラクターの著作権と抵触することはありません。

 ただし、その資料写真にキャラクターではないが、著作物と認められる程度の何らかの創作的表現がなされているものであるならば、その著作物に著作権が生じていることになりますので、その著作権と抵触することになります。

 すなわち、冊子に掲載しようとする資料写真に写っている被写体が著作物であれば、それを掲載することはその被写体の著作権と抵触し、著作物でなければ著作権と抵触しないということです。

 なお、著作権は原則として著作者の死後50年まで保護期間があります(同法51条)。そのため、いずれのキャラクターもまだ著作権は存続していると思われます。

 そこで、以下に、著作権と抵触する場合であっても、著作権者の承諾を得ないで利用できる場合をご説明します。

 まず、私的使用目的の場合は許諾なく利用できます(同法30条)が、当該冊子が無料とはいえ、博物館で公衆に配布するものなので、本制限規定に該当しません。

 また、引用という形で掲載するときも許諾は不要です(同法32)が、報道、批評、研究等の目的に限られるため、これも本件では該当しないと思われます。

 ただし、本件で適用できそうな著作権の制限規定として、法47条という規定がございます。

「(美術の著作物等の展示に伴う複製)
第四十七条
 美術の著作物・・・により、第二十五条に規定する権利を害することなく、これらの著作物を公に展示する者は、観覧者のためにこれらの著作物の解説又は紹介をすることを目的とする小冊子にこれらの著作物を掲載することができる。」

 この47条の「小冊子」への複製が可能となるのは、

 ①あくまでも展示された作品の鑑賞が「主」であって、それに対して47条の「小冊子」はその解説または紹介を目的としたものとして、鑑賞のために「従」たる性質を有しなければならなりません。したがって、「実質的に鑑賞しうるような立派なもの」は、47条の「小冊子」には該当しません。

 また、②「小冊子」において複製される個々の作品の態様も、観覧者が鑑賞すべき展示作品を「特定」できるような態様であれば十分であり、「小冊子」に複製されたもの自体が鑑賞の対象たり得るものであってはならないということです。

 さらに、③「小冊子」の公衆への譲渡は認められますが(47条の10)、当初の譲渡は展示会場に限られると考えたほうがいいです。

 そして、④掲載される著作物の出所を明示する必要があります(同法48条1項1号)。

 これらの条件を満たす態様で掲載するのであれば、47条により、著作権は制限され、許諾なく利用しても、著作権侵害にはならないということになります。
質問者: 返答済み 2 年 前.

この度は、丁寧なご回答をありがとうございました。


回答を拝読し、さらに質問がございます。


 


この度掲載を考えている冊子は、問題の「スーパーマンガ双六」を展示予定の展覧会を紹介する目的を持った冊子です。これは、「報道」という目的に該当すると考えますが、いかがでしょうか。


 


さらに、双六の写真は全体ではなく、部分写真として使用します。


 


従って、冊子は、展覧会の鑑賞のための従たる性質を有し、かつ複製物が鑑賞の対象たりえるものとはなりません。


 


このようなことから、今回の冊子への掲載は、許諾が不要な事例と考えましたが、いかがでしょうか?


 


また、④に挙げられた出所の明示ですが、これは当館の発行物だということは冊子を見れば明らかなのですが、発行者としての当館の明示という意味ではなく、資料所有者としての当館の明示が必要ということでしょうか?


 


何卒、ご教示お願いいたします。


 

専門家:  patent777 返答済み 2 年 前.
 ①「観覧者のために著作物(双六ないし当該双六に描かれている各種のキャラクターのイラスト)の解説又は紹介することを目的とする」ための小冊子に掲載するものであればよく、「報道」の目的であるか否かは問題とされません。

 ・「観覧者」を対象としていますので、すでに観覧した人は対象とせず、現に展示会にて当該双六を含む美術作品を観覧している人に対してリアルタイムで当該双六の解説または紹介することを目的としているものであればいいということになります。

 ・通常「解説や紹介」とは、美術作品について学術的な説明を加えることであったり、作品の題号、作者、制作年、所蔵場所など展示に至らない程度の情報を伝えたりするものをいいますので、そのような解説や紹介のために掲載することは許されますが、掲載された双六の複製物を鑑賞させるための目的のものは含まれません。

 ・双六を部分写真として掲載して、解説または紹介の文章を加えているような態様であれば、問題はないと思われます。なお、紙質、色調、判型、大きさなどの点であまり立派なものとしない方がよろしいかと思われます。品質の点で市販できるような画集や写真集のような美術作品としての価値があると認定されないようにするための注意が必要となります。

 ・また、掲載できるのはあくまで『「小」冊子』ですので、大型のものやページ数の多いものではなく、「小型の薄い書籍」である必要があります。

 ②出所の明示(著作権法48条1項1号)につきましては、判断が難しいです。法48条1項1号には、「複製又は利用の態様に応じ合理的と認められる方法又は程度により、明示しなければならない。」と規定されており、具体的に明示する内容が規定されているわけではありません。

 抽象的な表現ですので、「合理的と認められる方法又は程度」の判断が難しいのですが、美術作品の場合は、一般的には、著作者名(作者名)、所有者名、題号等が必要といわれていますが、当該双六のように発行されている作品であれば発行者名も必要ではないかと思われます。

 双六の著作者名が不明であれば、双六に描かれているキャラクターの漫画家名を記載し、所有者名が不明であるのでしたら、所蔵者として当館の名称を記載することで代替することになろうかと思われます(ただし、これが出所明示に該当するか否かはグレーゾーンです)。
質問者: 返答済み 2 年 前.

冊子の形態は、今回は全く問題ないと思います。


写真使用の目的は、「スーパーマンガ双六」そのものの個別的な紹介ではなく、展示において出品される資料の中の一つとして、写真(部分)を掲載したいということなのですが、いかがでしょうか?


 

専門家:  patent777 返答済み 2 年 前.
 『専ら』解説又は紹介することを目的とすることまでは求められていませんので、当該双六以外の他の展示作品についての記述や、展示会そのものの全体的な紹介といった内容の記載があっても構わないと思われますが、小冊子に掲載できるのは、「展示作品(著作物)の解説又は紹介をすることを目的とする」場合ですので、少なくとも写真を掲載する「スーパーマンガ双六」について触れている文章が含まれていた方がよいと思われます。

 以上は、著作権法47条の小冊子に掲載する場合の制限規定に基づいてご説明してまいりましたが、これまでのご質問内容を拝見しますと、法47条よりは「引用」(同法32条)により許諾なく利用できるように思われます。

 引用の要件は、法32条の条文上の要件としまして、①公表された著作物であること、②公正な慣行に合致すること、③報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内であること、の3要件を全て満たし、さらに、最高裁の判例におきまして、④明瞭区分性があり、⑤主従関係があること、を要件としています。

 この5要件を全て満たすと引用にあたり、権利者の許諾なく引用することができます。

 まず、①は問題ないと思います。

 美術館や博物館において、数ある展示作品の中から1点ないしほんの数点だけを入館者のための冊子等に掲載することは、この業界の慣行としてよく行われているようでしたら、本件において「双六」だけ冊子に掲載することは②の慣行に合致し、かつ③の必要な範囲内でもあり、これらの要件を満たすと思われます。

 そして、引用した冊子中において、引用された「スーパーマンガ双六」とそうでない部分(オリジナルの部分)が明瞭に区分できる態様(線で囲むか、又は双六の写真を文章の中に入れる形態のようですので、何にもしなくても入館者が引用した双六写真とそうでない部分が明瞭に区別できるようでしたら、特段の区別手段は不要です)であれば、④も満たします。

 さらに、引用されたのが「双六」写真だけであり、その他のオリジナル部分が分量的に大多数を占めているようでしたら、主従関係(引用する冊子が主であり、引用される双六写真が従たる関係)の点から⑤の要件も満たします。

 そうしますと、上記5つの要件すべてを満たしますので、法32条の引用により、許諾なく利用できることとなります。

 したがいまして、利用の仕方によっては、法32条ないしは47条のいずれか、又は双方の適用により、許諾なく利用できることとなります(もっとも、侵害回避のためにはいずれか一方の適用で十分ですが)。
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質問者: 返答済み 2 年 前.

法律には不案内なものにも分かるようにご説明いただき、


大変勉強になりました。



上記を確認し、これで安心して写真を使用できます。



いろいろと丁寧にご回答いただきまして、


本当にありがとうございました。


 



 

専門家:  patent777 返答済み 2 年 前.
現物を見ずに説明するため、実情を把握しきれていない点があり、ご満足いく回答かどうか懸念しておりましたが、ご満足されたようですので安心しました。

また、何かございましたらご質問してください。

ご利用ありがとうございました。
専門家:  patent777 返答済み 2 年 前.
引用(著作権法32条)について少し付け足す点がございますので、追加の説明をさせていただきます。

双六を引用する場合におきましても、47条の場合と同様にその出所を明示する必要がある点にご留意ください(同法48条1項1号)。

以上です。

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