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カテゴリ: 特許・商標・著作権
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特許権侵害控訴で敗訴となっている侵害者の当該商品の 営業倉庫での保管については、違法となるのかどうか 現在弊社は

解決済みの質問:

特許権侵害控訴で敗訴となっている侵害者の当該商品の
営業倉庫での保管については、違法となるのかどうか
現在弊社は営業倉庫で実際保管しているが、
返却したいのですが、どうでしょう
投稿: 3 年 前.
カテゴリ: 特許・商標・著作権
専門家:  patent777 返答済み 3 年 前.
 知的財産権を専門とする者です。

 結論から申しますと、侵害物件の保管は違法となります。

 その根拠となる法律・条文は、特許法100条1項および101条3号です。

 以下に詳述します。根拠条文の特性から、先に101条3号についてご説明し、その後に100条1項の内容についてご説明します。

1.特許法101条3号について

 本条文には、「次に掲げる行為は、当該特許権又は専用実施権を侵害するものとみなす。
1号 省略
2号 省略
3号 特許が物の発明についてされている場合において、その物を業としての譲渡等又は輸出のために所持する行為
4~6号 省略」
と規定されています。

 ここでいう「物」とは、「特許発明⇒特許製品⇒侵害物件」をいい、本件における「侵害者の当該商品」になります。

 また、「譲渡等」とは、「譲渡⇒販売および貸渡し⇒貸与(レンタル、リース)」をいい、「輸出」は字義通りの意味です。

 そして、「所持」には、当然「保管」する行為も含まれます。

 したがいまして、「侵害者の当該商品の営業倉庫での保管」という行為は、特許法101条3号に該当し、いわゆる「間接侵害」となります。

 この「間接侵害」行為は、差止請求や損害賠償請求の対象となり(特許法100条、民法709条)、また、刑事罰の対象ともなります(特許法196条の2、201条)。

2.特許法100条1項

 本条文には、「特許権者又は専用実施権者は、自己の特許権又は専用実施権を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。」と規定されています。

 この規定は「差止請求権」を定めたものです。

 ここでいう「侵害するおそれ」については、「特許製品(侵害物件)」を「保管」する行為を含むとされています。

 前述した「間接侵害」における「所持⇒保管」につきましては、「譲渡等又は輸出のため」という保管の「目的」が条件とされているため、この「譲渡等又は輸出のため」に保管する場合にのみ「間接侵害」となり、それ以外の目的での保管は「間接侵害」となりません。

 しかし、差止請求権は「譲渡等又は輸出のため」という目的以外の目的で保管している場合であっても、その保管が「侵害するおそれ」と認められ、差止請求の対象となります。

3.廃棄と返却について

 特許法では、100条2項において「特許権者・・・は、前項の規定による請求をするに際し、侵害の行為を組成した物・・・の廃棄、侵害の行為に供した設備の除却その他の侵害の予防に必要な行為を請求することができる。」と規定しています。

 いわゆる廃棄・除却請求権についての規定です。

 これにより、権利者は、侵害物件について、廃棄請求をすることができます。(権利者からの廃棄請求がなくても、前述した通り保管する行為が違法であることには変わりません)。

 しかし、権利者には引渡請求権なるものは存在しないというのが学説として有力です。

 これに対して権利者には引渡請求権を有するという反対説というのも存在します。

 いずれにしましても、引渡請求権については特許法には明記されておらず、仮に引渡請求権なるものが存在するとしても、法は、廃棄を禁止しているわけではないので、質問者様は侵害物件の廃棄をすれば十分であって、これを返却する義務はないと思われます(あくまで権利者が廃棄する前に質問者様に引渡を請求してきた場合に、引き渡せばいいのであって、質問者様から積極的に権利者に返却する義務はないと思われます。もっとも、質問者様がどうしても返却したということであれば、それは法定された行為ではなく、質問者様の自由意思に基づく行為ということになろうかと思われます)。

 なお、特許法100条2項における「その他の侵害の予防に必要な行為」には、「執行官に侵害物件を保管させる」といったことも含まれると思われますので、権利者が廃棄請求をした場合であって、かつ、執行官が侵害物件の保管を求めてきた場合には、それに応ずる必要はあります(このような場合であっても、先に質問者様が侵害物件を廃棄しており、応ずることができない状況にあっても、それで質問者様が法的な罪を負うようなことはありません)。
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