JustAnswer のしくみ:
  • 専門家に質問
    知識豊富な専門家があらゆる質問にお答えするために常に待機しています。
  • 専門家が丁寧に対応
    E メールやサイト内オンラインメッセージなど、さまざまな手段で回答を通知。必要に応じてフォローアップの質問をすることもできます。
  • 満足度 100% 保証
    専門家からの回答を確認し評価をすることで、支払うかどうかを決めます。
patent777に今すぐ質問する
patent777
patent777, 弁理士資格を取得
カテゴリ: 特許・商標・著作権
満足したユーザー: 510
経験:  特に特許法、実用新案法、意匠法、商標法、パリ条約に精通しています。
61167350
ここに 特許・商標・著作権 に関する質問を入力してください。
patent777がオンラインで質問受付中

小学校で、児童向けの人権新聞を年2回発行しています。谷川俊太郎氏の詩「ともに生きる」を掲載しました。教育利用では特に

解決済みの質問:

小学校で、児童向けの人権新聞を年2回発行しています。谷川俊太郎氏の詩「ともに生きる」を掲載しました。教育利用では特に問題はないと思いますが、その新聞が人権啓発冊子に資料として掲載されることになりました。200名程度の特定研究者に無料配布されることになりました。谷川氏や詩集発行出版社の著作権侵害にならないでしょうか。どうぞよろしくお願いします。
投稿: 3 年 前.
カテゴリ: 特許・商標・著作権
専門家:  patent777 返答済み 3 年 前.

知的財産権を専門とする者です。

 

1.児童向けの人権新聞への著作物(本事案では谷川俊太郎氏の詩)の掲載について

 

 著作物を著作権者の承諾なく教育において複製等ができる場合としましては、教科用図書等への掲載(著作権法33条)、教科用拡大図書への掲載(同法33条の2)、学校教育番組の放送等(同法34条)、教育機関における複製等(同法35条)、試験問題としての複製等(36条)があります。また、学校教育という目的に限らず、引用の要件を満たす場合にも複製等が可能です(同法32条)。

 

 そこで、本件のように小学校で児童向けの新聞に著作物(谷川俊太郎氏の詩)を掲載する場合は、教科用図書への掲載でも、教科用拡大図書への掲載でも、学校教育番組の放送でも、試験問題でもありません。

 

 また、教育機関における複製等(同法35条)につきましては、「授業の過程における使用に供することを目的とする場合」には、必要と認められる限度で複製できますが、新聞への掲載が「授業の過程における使用」と言えるかはにつきましては、難しいように思われます。

 

 そのため、新聞への掲載が「引用」(同法32条)に該当するか場合に掲載できることになると思われます。

 

引用が認められるためには、①公表された著作物であること。②公正な慣行に合致していること、③報道・批評・研究その他の引用の目的上正当な範囲内であること、の3つの要件を満たす必要があります。

 この要件を踏まえた上で、裁判上認められた引用基準というものがございます。以下の6つの要件を全て満たした場合です。

 ①明瞭性→引用する側の著作物(質問者様の人権新聞)と、引用される側の著作物(詩)との区別が明瞭であること。例えば、引用部分をかぎかっこで括るなどです。


 ②付従性→引用する質問者様の人権新聞が主体で、引用される詩が従たる存在であること。要するに複製した詩が質問者様の人権新聞の中に吸収されており、複製部分がメインであるような内容になっていないということです。


 ③必要最小限→引用の範囲が引用の目的上必要最小限の範囲であること。例えば、美術作品・写真・俳句のような短い文芸作品であれば、全部の引用が可能ですが、学説・論文等については全部の引用はできないというようなことです。


 ④人格権への配慮→著作者の人格権侵害や名誉棄損とならないように配慮する必要があります。

 ⑤質問者様の人権新聞も著作物であることを要します。高度な独創性は不要ですが、説明文などにおいて何らかのご自身の表現を用いていればいいという程度のものです。

 

 ⑥報道、研究、批評その他の引用の目的上正当な範囲内で複製する場合です。

 

 結構、細かい条件ですが、この条件を全部満たすことで引用が可能になると思われます。


 また、元の著作物を引用するにあたりましては、出所を明示する必要があります(著作権法48条1項1号)。例えば、著作者名(氏名、筆名、雅号、サイン、略称など)、題号、出版社名などの明示が必要です。

 

 従いまして、人権新聞への掲載が、引用に該当する場合に許諾なく利用できることになると思われます。

 

2.人権啓発冊子への掲載について

 

 冊子への掲載は、上記の「引用」に該当する場合には問題ありませんが、そうでない場合には詩ないし著作物になると思われる人権新聞の著作権を侵害することになると思われます。

patent777をはじめその他名の特許・商標・著作権カテゴリの専門家が質問受付中

特許・商標・著作権 についての関連する質問