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カテゴリ: 特許・商標・著作権
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以下の様なビジネスを考えていますが、著作権上留意する点はありますでしょうか。どの程度までの学習参考書の独自性が必要なのでしょうか。会計・ビジネス関連資格なので、内容としてはどの参考

解決済みの質問:

以下の様なビジネスを考えていますが、著作権上留意する点はありますでしょうか。どの程度までの学習参考書の独自性が必要なのでしょうか。会計・ビジネス関連資格なので、内容としてはどの参考書も同程度にはなるのではと考えております。

ビジネス概要:
いくつかの資格学校(アビタスやTAC)の教材、海外の参考文献(米国GLEM社やWily社のCIA Review)、自分なりのまとめたアイデアをつかって学習参考書を紙及びデジタル媒体で作成し公認内部監査人(CIA)の資格講座の提供。

以下参考リンク
Tac:
http://www.tac-school.co.jp/kouza_cia/
アビタス:
http://cia.jp.net/?_ga=1.112866564.1077539294.1389606985
Gleim:
http://www.gleim.com/products/productdetails.php/CIA+SET+BSDO
Wily:
http://www.wileycia.com/
投稿: 3 年 前.
カテゴリ: 特許・商標・著作権
専門家:  patent777 返答済み 3 年 前.

知的財産権を専門とする者です。

 

 明確にこの程度まで内容が同じであれば許されるといったものはなく、各事例ごとにケースバイケースで判断されることになります。

 

 とはいいましても、一応の抽象的な判断基準というものが過去の判例の積み重ねによって存在します。それに基づいて以下にご説明します。

 

 まず、元の著作物(本件では、資格学校(アビタスやTAC)の教材、海外の参考文献(米国GLEM社やWily社のCIA Review))の複製となる場合、またはその翻案となる場合には、著作権である複製権(著作権法21条)または翻案権(同法27条)と抵触することになります。

 

 したがいまして、元の著作物の複製や翻案とならないような学習参考書を作成する必要があります。

 

 また、質問者様の作成した学習参考書において元の著作物の一部分だけ取り入れた場合において、その利用態様が著作権法上の「引用」の要件(同法32条)に該当する場合には、著作権と抵触しないことになります。

 

 まとめますと、「複製」でないこと、「翻案」でないこと、一部を取り入れた場合においてそれが「引用」であること、という利用態様であれば著作権の問題は生じないということです。

 

 以下に、場合分けをしてもう少し詳しくご説明します。

 

1.複製について

 

 著作権法上「複製」とは、「印刷、写真、複写、録音、録画その他の方法により有形的に再製すること」と規定されています(同法2条1項15号)。また、、複製概念を確立した有名な最高裁の判例では、複製とは「既存の著作物に依拠し、その内容及び形式を覚知させるに足りるもの」と判示しています。

 要するに、デッドコピーや多少表現を変えてもなお、元の著作物の内容や形式だと認識されるようなものは複製ということになります。

 

 ただし、元の著作物の複製といいましても、元の著作物のうちの「創作性のある部分」(すなわち「著作物」として認められる部分)のみが保護の対象となりますので、「著作物」として認められない部分を複製しても、著作権侵害とはなりません。

 

 ここで、「著作物」とは、著作権法上「思想または感情を創作的に表現したもの・・・」と規定されています(同法2条1項1号)。すなわち、創作性の認められない、単なる事実にすぎない表現部分(東京タワーの高さは333メートル、人事異動などの雑報、公式など)や、ある事柄を表現しようとすれば、誰しもがそのような表現にならざるを得ないような表現部分(季節の挨拶文、一般的な契約書など)は、著作物とはいえないので、そのような表現部分を複製しても侵害にはなりません。

 

 まとめますと、著作物となる表現部分については、デッドコピーや多少変更しても元の著作物の内容が認識できる程度のものは、複製となり、複製権の侵害となる可能性がでてきますが、著作物とはいえない表現部分を複製しても、侵害にはならないということです。

 

2.翻案について

 

 「翻案」とは、「元の著作物に修正増減を施し、新たに創作性のある表現を付加しても、質問者様の創作した学習参考書が、元の著作物に依拠し、かつ、元の著作物の表現上の本質的な特徴を直接感得することができる場合」をいいます。そして、そのように翻案されたのであれば、質問者様の学習参考書は二次的著作物となります。

 少し、ややこしい表現で理解し難いかもしれませんが、大雑把に言いますと、質問者様の学習参考書が、元の著作物の複製といえるほどには元の著作物と近似していないが、全く別の著作物ともいえない著作物である場合。あるいは、複製といえるほどではないが、それでもなお、二次的著作物から元の著作物を直接想起させるほどに似ているといったようなものです。

 

 実際には、どのような行為が翻案に該当するかは、著作物の種類や表現態様などによって異なり、確定的な基準は存在せず、ケース・バイ・ケースで判断せざるをえません。また、複製と翻案の厳密な境界も存在しないのが実情です。

 しかし、現在のところ上記のような最高裁が判示した抽象的な基準しか存在しないのが現状ですので、これに基づいて、翻案か否かの判断がなされることになります。

 もちろん、この翻案におきましても、上述した複製の場合と同様に、元の著作物のうち、創作性のある表現部分(すなわち「著作物」と認められる表現部分)を翻案した場合に、翻案権と抵触するのであって、著作物でない部分を翻案しても翻案権の侵害とはならないということです。

 まとめますと、元の著作物のうち著作物と認められる表現部分を改変してもなお、質問者様の学習参考書から元の著作物を直接想起させる場合には、翻案権の侵害となり、元の著作物のうち著作物と認められない部分を翻案しても、翻案権の侵害にはならないということです。

 また、元の著作物のうち著作物と認められる表現部分の改変の度合いが進み、質問者様の学習参考書から元の著作物を直接想起させず、異なる表現の著作物と認識されるに至った場合にも翻案権の侵害にはならないということです。

3.「引用」について

 元の著作物のうち、その著作物性が認められる部分であって、その一部分を複製した場合に、その複製が「引用」の要件(同法32条)に該当する場合には、複製権の侵害とはなりません。

 この「引用」に該当するには、①公表された著作物であること。②公正な慣行に合致していること、③報道・批評・研究その他の引用の目的上正当な範囲内であること、の3つの要件を満たす必要があります。

 この要件を踏まえた上で、裁判上認められた引用基準というものがございます。以下の5つの要件を全て満たした場合です。


 ①明瞭性→引用する側の著作物(質問者様の学習参考書)と、引用される側の著作物(資格学校等の教材等)との区別が明瞭であること。例えば、引用部分をかぎかっこで括るなどです。


 ②付従性→引用する質問者様の学習参考書が主体で、引用される元の著作物が従たる存在であること。要するに複製した表現部分が質問者様の学習参考書の中に吸収されており、複製部分がメインであるような内容になっていないということです。

 ③必要最小限→引用の範囲が引用の目的上必要最小限の範囲であること。例えば、美術作品・写真・俳句のような短い文芸作品であれば、全部の引用が可能ですが、学説・論文等については全部の引用はできないというようなことです。


 ④人格権への配慮→著作者の人格権侵害や名誉棄損とならないように配慮する必要があります。


 ⑤質問者様の学習参考書も著作物であることを要します。高度な独創性は不要ですが、説明文などにおいて何らかのご自身の表現を用いていればいいという程度のものです。

 結構、細かい条件ですが、この判例の条件を全部満たすことで引用が可能になると思われます。


 また、元の著作物を引用するにあたりましては、出所を明示する必要があります(著作権法48条1項1号)。例えば、著作者名(氏名、筆名、雅号、サイン、略称など)、題号、出版社名などの明示が必要です。

4.まとめ

 ①元の著作物のうち、創作性がなく「著作物」として認められない表現部分の複製ないし翻案である場合、②元の著作物のうち「著作物」として認められる表現部分の改変の度合いが進み、質問者様の学習参考書から元の著作物を直接感得できず「翻案」といえないほどの改変が施されている場合、③元の著作物のうち「著作物」として認められる表現部分の一部の複製であるが、その複製が「引用」の要件を満たす場合、には著作権侵害にはならないということです。

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