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カテゴリ: 特許・商標・著作権
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専属契約を結んでいる作家Aが、契約を交わしている会社Bを仲介せず、ペンネームを使用して会社Cから作品を世の中にリリー

解決済みの質問:

専属契約を結んでいる作家Aが、契約を交わしている会社Bを仲介せず、ペンネームを使用して会社Cから作品を世の中にリリースした場合、契約違反になりますか?作家Aのすべての著作物は、会社Bに委託し受託した形の契約です。別名に関する事項は何も書かれていないものです。
投稿: 3 年 前.
カテゴリ: 特許・商標・著作権
専門家:  patent777 返答済み 3 年 前.

知的財産権を専門とする者です。

 

 AがB社と交わしている委託契約の内容次第で多少事情が異なってきます。

 

 委託契約に基づく利用許諾(著63条)の場合、著作権法上、利用権者が対抗要件を具備する制度は備えられていません。

 

 著作権法上の利用許諾は、著作権者Aが利用者Bに対して自己の有する差止請求権・損害賠償請求権を行使しないことを約束するものであって、利用者Bが有するのは著作権者Aに対して不作為(権利を行使してはならないこと)を請求する権利であり、その法的性質は債権的請求権にすません。

 

 そのため、BはAに対しては債務不履行(契約違反)の損害賠償請求(民法415条)をすることはできると思われます。

 

 しかし、C社に対しては、差止請求や損害賠償請求をすることはできないこととなります。

 

 一方、B社の契約が独占的な利用許諾であれば、事情が少し異なります。

 

 著作権法の分野でも独占的な利用権(ライセンス)が設定されることは多いのですが、その法的性質は、著作権法上の利用の許諾(著63条)に加えて、他の第三者に利用を許諾しない(更に、著作権者自身の利用も行わない)という契約上の特約を付したものとなります。

 

 したがいまして、上記の特約をライセンス契約に付した場合、債務不履行の損害賠償に加えて、不法行為による侵害賠償も請求することができる可能性があります(民法709条)。

 

 独占的利用権者は、著作権侵害ではないのですが、債権侵害として侵害者に対する損害賠償請求を認めた裁判例が存在します。

 

 民法上の不法行為に基づく損害賠償(民709条)として、債権侵害の要件を満たすことにより、独占的な利用権者については、少なくともこの限度での救済は期待することができると思われます。

 

 ただし、独占的利用許諾の場合であっても、C社に対する販売行為を差し止めることができるかは、不可能ということではありませんが、確実に可能であるとも言えず、グレーゾーンです。

質問者: 返答済み 3 年 前.

おおむねの理解が出来ました。


確かにAさんが作品をリリースすることによって、


BはC社には差し止め定かで無いが、


Aさんの債務に関する請求はあるという事ですね?


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 


回答の一部で気になりました部分


 


>一方、B社の契約が独占的な利用許諾であれば、事情が少し異なります。


 


 


契約書の具体的内容として重要な部分を自分の言葉で書いてみました↓


 


著作権者Aは契約期間中、Aが創作した全ての著作物の使用、交渉、プロモーション活動をBに委託し受諾した。契約期間中にAが移籍する場合には、両者で協議する。


 


(特記事項)


双方いづれかの意思により本契約が解除もしくは満了によって、本契約が終了された場合、作品の契約期間は本契約中にリリースもしくはリリース予定とされる作品の代表出版社の契約期間に準ずる。


 


 


その他は報酬に関する事項のみです。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 


※ようするに契約期間中は、B社の独占契約により著作権者Aさんは


他社Cにおいてペンネーム変更による作品をリリースした場合、


C社には差し止めが出来るか分からないが、Aさんには損害した分の請求が出来るという事でいいでしょうか?


 


 

専門家:  patent777 返答済み 3 年 前.

 委託契約が独占的であるか否かにかかわらず、B社との契約範囲内にある作品(著作物)をB社を通さずに、C社からリリースする行為に対しましては、「債務不履行」による損害賠償を請求することができます(民法415条)。

 

 ただし、B社との契約の範囲内にない作品に関しましては、その作品をB社を通さずに他社からリリースしても債務不履行に基づく損害賠償はできません。

 

 そして、B社との契約が、独占的なものであれば、質問者様のおっしゃるとおり、Aに対して、「不法行為」による損害賠償も請求できる「可能性」が出てくるということです(民法709条)。

 

 この不法行為による損害賠償が認められる要件は、①故意又は過失の存在、②権利又は法律上保護される利益の侵害、③損害の発生、④侵害と損害の因果関係、の4つをすべて充たした場合です。

 

 この要件の立証責任は原告である契約当事者のB社が行う必要があります。

 

 ①の故意又は過失の立証は契約が存在していますので問題はなかろうかと思われます。問題は②の立証ですが、B社の契約が独占的であることを立証する必要があります。

 

 この独占性につきましては、契約書に明示されていれば立証は容易です。例えば、「B社以外の者とは契約を結ばないこと」などのようにです。しかし、独占的であることが明示されていない場合は、立証が困難になると思われます。

 

 ③の損害額につきましては、その立証が困難であることから、著作権法には損害額の立証負担を軽減するための損害額の算定方法を定めた規定が存在します(著作権法114条)。

 

 簡略して申しますと、その1項では、販売数量に単品当たりの利益額を掛けたもの、その2項では相手方の利益額を損害額と推定するもの、その3項には、使用料相当額(ライセンス料など)を損害額とするもの、があります(なお、1項と2項の損害額の規定を適用するためには、原告が実際に業務で販売していることが条件とされています)。

 

 そのため、訴訟におきましては、これらの規定に基づいて損害額を立証することも可能となります(もちろん、この著作権法114条の規定を用いずに、実際に発生した損害額を立証できる場合には、その額を損害額とすることも可能です)。

 ご質問あるような「著作権者Aは契約期間中、Aが創作した全ての著作物の使用、交渉、プロモーション活動をBに委託し受諾した。契約期間中にAが移籍する場合には、両者で協議する。」からは、B社以外の者に許諾しないということを窺わせる文言は見当たらず「独占的」であることが明示されているとまではいえないような気がします。

 

 したがいまして、「不法行為」に基づく損害賠償請求の可否は、B社の契約が「独占的」であることを如何に立証するかが重要なポイントではなかろうかと思われます。

 

 (なお、「委託」契約ではなく、著作権の「譲渡」の契約であれば、その後はB社が著作権者となりますので、Aに対して不法行為に基づく損害賠償ができ、また、譲渡の登録までしているのであれば、第三者であるC社に対して差止請求も可能となります(著作権法77条1号、78条1項)。)

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