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カテゴリ: 特許・商標・著作権
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日本テレビのドラマを社内研修(談話)のテーマとしたいと考えております。 社内研修にはインターンシップ生も参加します

解決済みの質問:

日本テレビのドラマを社内研修(談話)のテーマとしたいと考えております。
社内研修にはインターンシップ生も参加します。

ドラマをそのままコピー、上映するのではなく、話題にしたい部分のみを、文書で要約し、雰囲気を出す為にドラマの「その場面」を写真化したものを添付したいと考えています。
出典等はきちんと明記する予定ですが、著作権上の問題が発生しますか?
投稿: 3 年 前.
カテゴリ: 特許・商標・著作権
専門家:  patent777 返答済み 3 年 前.

知的財産権を専門とする者です。

 

結論から申しますと、著作権法上の「引用」(著作権法32条)に該当する場合は、著作権者の承諾を受けずに利用することができます。

 

以下、詳細についてご説明しますが、只今、インターネットの通信状況がよくないところにいますので、通信状況のいいところに移動しますので、もう少しお待ちください。

専門家:  patent777 返答済み 3 年 前.

先ほどの続きをご説明します。

1.話題にしたい部分を文書で要約する場合

 

 テレビドラマは映画の著作物(著作権法10条1項7号)となるわけですが、そのドラマに用いられている、小説、脚本についても言語の著作物(同法10条1項1号)として、著作権が生じています。

 

 そのため、ドラマで用いられているセリフを文章で要約しますと、言語の著作物の翻案権(同法27条)に抵触する可能性があります。

 

 翻案とは、質問者様が要約した文章が、それより先に創作されたテレビドラマの脚本等に修正増減を施し、新たに創作性のある表現を付加しても、質問者様の要約が、原著作物であるテレビドラマの脚本等に依拠し、かつ、原著作物の表現上の本質的な特徴を直接感得することができる場合をいいます。

 

 すこし、ややこしい表現で理解し難いかもしれませんが、大雑把に言いますと、デッドコピーといえるほどには原著作物と近似していないが、全く別の著作物ともいえない著作物、あるいは、デッドコピーといえるほどではないが、それでもなお、要約から原著作物を直接想起させるほどに似ているといったようなものです。


 実際には、どのような行為が翻案に該当するかは、著作物の種類や表現態様などによって異なり、確定的な基準は存在せず、ケース・バイ・ケースで判断せざるをえません。
 

 

 そのため、その要約が、単にドラマの一場面の台詞をそのまま利用したに過ぎないものである場合には、翻案になると思われます。一方、利用しようとするドラマの部分をご自分の表現で新たに創作した場合には、翻案には該当しないこととなります。


したがって、翻案に該当しない場合は著作権者の承諾を得ずに利用できますが、翻案に該当する場合には、後述する「引用」に該当する場合に限り利用することができます。

2.ドラマの特定の場面を写真化する場合

 ドラマのシーンを写真化する行為は、複製権(同法21条)と抵触します。

 

 著作権法上、複製とは、「印刷、写真、複写、録音、録画その他の方法により有形的に再製すること」をいいます(同法2条1項15号)。

 

 そのため、ドラマのシーンを写真化する行為は、「複製」となります。

 

3.引用について

 

 著作物を複製する場合や翻案する場合であっても、著作権法上の「引用」(同法32条)に該当する場合には、著作権者の承諾を得ずに、利用することができます。

 

 この「引用」に該当するには、①公表された著作物であること。②公正な慣行に合致していること、③報道・批評・研究その他の引用の目的上正当な範囲内であること、の3つの要件を満たす必要があります。


 この要件を踏まえた上で、裁判上認められた引用基準というものがございます。以下の5つの要件を全て満たした場合です。

①明瞭性→引用する側の著作物(質問者様の要約・写真を掲載した研修テキスト等)と、引用される側の著作物(テレビドラマ)との区別が明瞭であること。例えば、引用部分をかぎかっこで括るなどです。

 

②付従性→引用する質問者様の研修テキスト等が主体で、引用される要約・写真が従たる存在であること。要するに要約や写真が質問者様の研修テキスト等の中に吸収されており、引用や写真がメインであるような内容になっていないこと。例えば、要約や写真が大きく掲載されており、それに対する質問者様の文章、コメントが付け足しのような感じで記載されているような場合ですと引用にはならないということです。

 

③必要最小限→引用の範囲が引用の目的上必要最小限の範囲であること。例えば、美術作品・写真・俳句のような短い文芸作品であれば、全部の引用が可能ですが、学説・論文等については全部の引用はできないというようなことです。本事案では、ドラマの一部のみのご使用ということのようですので、この要件は問題とはならないと思われます。

 

 ④人格権への配慮→著作者の人格権侵害や名誉棄損とならないように配慮する必要があります。

 ⑤ 質問者様の研修テキストなども著作物であることを要します。高度な独創性は不要ですが、説明文などにおいて何らかの独自な表現を用いていればいいという程度のものです。

 そのため、あえて「研修テキスト等」と表現しましたが、引用する質問者様におきましても、何らかのテキストや冊子のような体裁としたものを作成して、その中に要約や写真を吸収するようなものとする必要があります。

 

 結構、細かい条件ですが、この判例の条件を全部満たすことで引用が可能になると思われます。

 

 また、すでに質問者様もご存知のようですが、著作物を引用するにあたりましては、出所を明示する必要があります(著作権法48条1項1号)。例えば、著作者名(氏名、筆名、雅号、サイン、略称など)、題号、出版社名などの明示が必要です。

 

 ここで、引用について、一言付け加えておきたいのですが、引用は、原著作物をそのままの形で引用するか、翻訳して引用する場合に可能であると条文上、規定されています(同法43条1号・2号)。

 しかし、過去の判例(「血液型と性格事件」~東京地裁判決平成10.10.30)では、要約して引用する場合の可否について、「・・・〔いわゆる明瞭区分性、主従関係〕の要件を満たすような形で、他人の言語の著作物を新たな言語の著作物に引用して利用するような場合には、他人の著作物をその趣旨に忠実に【要約】して引用することも同項(著作権法32条1項)により許容されるものと解すべきである」と判示しています。


 そのため、要約して引用する場合も可能であると予想されます。
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