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カテゴリ: 特許・商標・著作権
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私の手元に多数の他人の論文コピーがあります。口コミで、他の研究者の要望により、さらにそれをコピーして渡す行為は、目的

質問者の質問

私の手元に多数の他人の論文コピーがあります。口コミで、他の研究者の要望により、さらにそれをコピーして渡す行為は、目的外利用で著作権法違反とのことですが、あえて私が行った場合、それが知れたとき、警察の捜査をうけるのでしょうか、有罪となれば罰則はどうなりますか。
投稿: 3 年 前.
カテゴリ: 特許・商標・著作権
専門家:  patent777 返答済み 3 年 前.

はじめまして、知的財産権を専門とする者です。

 

 質問者様のおっしゃるとおり、当該行為は目的外利用となり著作権の侵害となります(著作権法49条1項1号、21条)。

 

 侵害行為をした場合、民事上の責任と刑事罰の適用を受ける可能性があります。

 

 民事上の責任としましては、差止請求(著作権法112条)と損害賠償請求(民法709条)の可能性があります。

 

 差止請求に関しましては、コピーを渡す行為を差し止められると共に、その侵害行為によって作成された物(他人の論文)の廃棄も請求される可能性があります。

 

 損害賠償につきましては、当該行為によって相手方の被った損害額を賠償することになります。

 

 一方、刑事罰つきましては、著作権法119条1項のいわゆる侵害罪の対象となります。

 

 刑罰内容は、10年以下の懲役もしくは千万円以下の罰金又はこれらの併科となります。

 

 ただし、刑事罰につきましては、親告罪が適用されます。これは、利害関係人(著作者、著作権を譲り受けた者など)が、検察官に「告訴」しなければ、検察官は公訴提起(裁判所に対する訴え)をしません。

 

 そのため、警察の捜査を受けるかどうかは、利害関係人が告訴するか否かによるものと思われます。または、告訴を受けた検察が動くかどうかにかかってきます。

 

 したがって、この場で申し上げることができるのは、少なくとも、刑事罰の適用対象にはなるということだけです。

 

 

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質問者: 返答済み 3 年 前.

有難うございます。理解できました。


 では、複写ではなく、私が他の研究者に私の手元ににある他人論文を、閲覧させ、さらに短期間の貸与をする行為は違法になるでしょうか。

専門家:  patent777 返答済み 3 年 前.

 質問者様の手元にある他人の論文は、コピーして入手したものですが、そのコピーは私的使用の目的で、かつ、質問者様ご自身でコピーされたものである限りにおいて、著作権者の複製権が制限され、侵害とはなりません(著作権法30条1項)。


 この制限規定(30条)は次のように規定されています 「著作権の目的となっている著作物・・・は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とするときは、・・・その使用する者が複製することができる。」


 この規定における「その他これに準ずる限られた範囲内」につきましては、その解釈について様々な学説がありますが、大方は次のように説明されています。「複製する者の属するグル ープのメンバー相互間に強い個人的結合関係のあることが必要で、部数を限定して友人に配布するような場合は該当しない。

 典型的には、社内の同好会とかサークルのように10人程度が1つの趣味なり活動なりを目的として集まっている限定されたごく少数のグループということ」、「これに準ずる限られた範囲内に該当するためには、相手方との間に家族に準ずる程度の親密かつ閉鎖的な関係があることが必要であり、相手方が不特定の者であってはならない。」


 この解釈に基づいて本件について検討しますと、手元にある論文を閲覧させる相手との間に家族に準ずる程度の強い人的関係があるか、少人数のグループである場合には、問題ありませんが、少人数でも不特定者に閲覧させる場合には、私的使用目的外の利用となり、著作権法49条により、複製権が及ぶことになります。

 

 したがいまして、短期間であっても、貸与する行為は、私的使用の目的とはいえませんので、著作権が及びます。

質問者: 返答済み 3 年 前.

有難うございます。


 閲覧、貸与が違法とのこと理解しました。


私の研究が終わり、手元に数百点の他人の論文(学会誌などから複写したもの)が残りました。学術発展のため有効に活用したいと思いましたが、断念です。では、有望な研究者(複数かも知れません)を探し、そっくり譲渡したいとおもいます。これも違法でしょうか。お伺いします。


 

専門家:  patent777 返答済み 3 年 前.

結論から申しますと、譲渡する行為も著作権と抵触します。

 

 正規に購入した著作物を譲渡することにつきましては、譲渡権(著作権法26条の2第1項)は及びません(同法26条の2第2項1号)。

 

 いわゆる著作権の「消尽」という考え方に基づき、著作権者は、購入時に対価を得ているので、その時点で著作権は用い尽くされたという国際的な考え方です。

 

 

 しかし、私的使用の目的の範囲内(同法30条1項)でコピーした著作物(論文)につきましたは、正規に購入した著作物ではございませんので、この「消尽」という考え方を用いることはできません。

 

 コピーした著作物につきましては、前回ご説明したように、私的使用の目的外で頒布(譲渡や貸与)した場合は、複製権の侵害となってしまいます(同法49条1項1号)。

 

 したがいまして、「有望な研究者」が30条1項に規定しているところの「家庭内その他これに準ずる限られた範囲内」という要件に該当yしない限りは、譲渡をすることはできません。

質問者: 返答済み 3 年 前.

最後の質問です。


 複写も駄目、貸与も駄目、譲渡も駄目、八方塞がりです。非営利であり、学術振興発展に寄与する行為が、過剰な規制によって実現できない不条理が残念です。


  そこで私は、ともかく将来有望な研究者を探し、その方に譲渡したいと思います。その場合、罰せられるのは、私でしょうが、相手方に何か罰が科せられるでしょうか。お伺いします。


 


 

専門家:  patent777 返答済み 3 年 前.

譲渡した場合には、質問者様の行為が著作権と抵触します。

 

譲り受けた者は、ご自分で使用する限りは問題ありませんが、①譲受けた著作物(論文)が著作権を侵害する行為によって作成されたものであることを知っており、かつ、②その著作物(論文)を頒布し、頒布の目的をもって所持し、頒布の申しでをし、輸出し、輸出の目的で所持する行為は、著作権の侵害とみなされます(著作権法113条1項2号)。

 

論文を譲り受けた研究者がそれを研究のために使用する限りにおいては、その研究者の行為は著作権とは抵触しません。

 

わが国の著作権法は、権利者への保護が強すぎるかもしれません。著作権法の目的は「文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もって文化の発展に寄与する」ということです(著作権法1条)。

 

もう少し保護を緩和し、文化の発展の方に 重きを置くような内容とするほうが日本国民ないし日本国にとって好ましいかもしれません。

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