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patent777
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カテゴリ: 特許・商標・著作権
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スクエアダンスの音楽利用について。 スクエアダンス(以下SDという。)では、「コーラー」と「ダンサー」とに役割が分かれます。 「コーラー」と呼ばれる、即興振付師が、アメリカ

質問者の質問

スクエアダンスの音楽利用について。

スクエアダンス(以下SDという。)では、「コーラー」と「ダンサー」とに役割が分かれます。
「コーラー」と呼ばれる、即興振付師が、アメリカの「国際コーラー協会」の定めたルールに則って、ダンサーの動き方を瞬時に音楽に乗せて命令を出し(これを、コールと言います。)、ダンサーはそのコールを聞いて瞬時に動くというダンスです。旗揚げゲームというのがありますが、それのダンス版とでも言えば良いでしょうか。

 使用する楽曲は、ブルーグラス、カントリー、ポップスなど幅広く使われています。しかし、テンポは126~132bpm 。64カウント7部分に編曲されています。未だ、レコードが多く使われており、米国のレコード制作会社でプレスされたレコードや、CD、mp3という形で、輸入しています。
制作会社は米国、英国、ドイツ、豪州にありますが、ディーラーは基本的に米国にあります。
最近は、購入した音源を、PCやメモリーレコーダーに写して、ダンス例会で利用しています。一般社団法人日本スクエアダンス協会に登録している、ダンサーは、14、000人余、500余クラブで、平均25名ほど。1名あたり約3平米の会場で踊られています。

そこで、次の点について、お尋ねします。
① 購入した音源を、PCやI-Pod等に保管する。
② 購入した音源を、家族で個人利用する。または、数名のクラブの友人と共有する。
③ ①を利用して、コールする。(一部歌詞を使いますので、替え歌になります。)
④ ②を利用して、コールする。
⑤ 自分でパソコンを利用して、各種楽曲を編曲する。
⑥ ⑤を利用して、コールする。
⑦ ダンスの様子を、動画サイトにUPする。

◎ どのような、形態での利用が違法なのか。
◎ コンプライアンスの範疇から留意すべきこと。
◎ アメリカでは、コーラーが年間何曲を利用するかを予め申告し、著作権料を払っていますが、
そのようなことが、日本でも可能か。

よろしくお願いいたします。
投稿: 3 年 前.
カテゴリ: 特許・商標・著作権
専門家:  patent777 返答済み 3 年 前.

知的財産権を専門とする弁理士です。

 

 楽曲は著作物となりますので、著作権及び著作隣接権が発生します。

 

 そのため、レコード、CD、mp3に録音されている楽曲を他の固定媒体に録音しますと、原則として、著作権者(作詞家・作曲家)の複製権(著作権法21条)と、実演家(歌手・演奏家)の録音権(同法91条)と、レコード製作者(原盤権者)の複製権(同法96条)と抵触します。

 

 また、録音(複製)した楽曲を公に再生しますと、著作権者の演奏権(同法22条)と抵触します。

 

 また、替え歌を作成したり、編曲したりして、それを演奏しますと、著作権者の翻案・編曲権(同法27条、28条)と、抵触します。

 

 さらに、楽曲を動画サイトにUPしますと、著作権者の複製権、公衆送信権(送信可能化を含む。同法23条)と、実演家の送信可能化権(同法92条の2)と、レコード製作者の送信可能化権(同法96条の2)と抵触します。

 

「(複製)

2条1項15号 印刷、写真、複写、録音、録画その他の方法により有形的に再製することをいい、次に掲げるものについては、それぞれ次に掲げる行為を含むものとする。」

 

「(録音)

2条1項13号 音を物に固定し、又はその固定物を増製することをいう。」

 

「(演奏等)

2条7項 この法律において、「上演」、「演奏」又は「口述」には、著作物の上演、演奏又は口述で録音され、又は録画されたものを再生すること(公衆送信又は上映に該当するものを除く。)及び著作物の上演、演奏又は口述を電気通信設備を用いて伝達すること(公衆送信に該当するものを除く。)を含むものとする。」

 

「(複製権)

21条 著作者は、その著作物を複製する権利を専有する。」

 

「(複製権)

96条 レコード製作者は、そのレコードを複製する権利を専有する。」

 

「(録音権)

91条1項 実演家は、その実演を録音し、又は録画する権利を専有する。」

 

「(演奏権)

22条 著作者は、その著作物を、公衆に直接見せ又は聞かせることを目的として(以下「公に」という。)上演し、又は演奏する権利を専有する。」

 

「(翻案権、編曲権)

27条 著作者は、その著作物を翻訳し、編曲し、若しくは変形し、又は脚色し、映画化し、その他翻案する権利を専有する。」

 

「(公衆送信権)

23条1項 著作者は、その著作物について、公衆送信(自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。)を行う権利を専有する。」

 

「(送信可能化権)

92条の2第1項 実演家は、その実演を送信可能化する権利を専有する。」

 

「(送信可能化権)

96条の2 レコード製作者は、そのレコードを送信可能化する権利を専有する。」

 

「(公衆送信)

2条1項7号の2 公衆によつて直接受信されることを目的として無線通信又は有線電気通信の送信(電気通信設備で、その一の部分の設置の場所が他の部分の設置の場所と同一の構内(その構内が二以上の者の占有に属している場合には、同一の者の占有に属する区域内)にあるものによる送信(プログラムの著作物の送信を除く。)を除く。)を行うことをいう。」

 

「(自動公衆送信)

2条1項9号の4 公衆送信のうち、公衆からの求めに応じ自動的に行うもの(放送又は有線放送に該当するものを除く。)をいう。」

 

「(送信可能化)

2条1項9号の5 次のいずれかに掲げる行為により自動公衆送信し得るようにすることをいう。
  イ 公衆の用に供されている電気通信回線に接続している自動公衆送信装置(公衆の用に供する電気通信回線に接続することによ り、その記録媒体のうち自動公衆送信の用に供する部分(以下この号及び第四十七条の五第一項第一号において「公衆送信用記録媒体」という。)に記録され、又は当該装置に入力される情報を自動公衆送信する機能を有する装置をいう。以下同じ。)の公衆送信用記録媒体に情報を記録し、情報が記録された記録媒体を当該自動公衆送信装置の公衆送信用記録媒体として加え、若しくは情報が記録された記録媒体を当該自動公衆送信装置の公衆送信用記録媒体に変換し、又は当該自動公衆送信装置に情報を入力すること。
  ロ その公衆送信用記録媒体に情報が記録され、又は当該自動公衆送信装置に情報が入力されている自動公衆送信装置について、公衆の用に供されている電気通信回線への接続(配線、自動公衆送信装置の始動、送受信用プログラムの起動その他の一連の行為により行われる場合には、当該一連の行為のうち最後のものをいう。)を行うこと。」

 

 

 

 ただし、私的使用の目的の複製(同法30条、102条)、営利を目的としない演奏(同法38条)の場合には、著作権や著作隣接権は制限され、権利者から許諾を得なくても、その楽曲を利用することができます。

 

「(私的使用のための複製)

30条1項 著作権の目的となつている著作物(以下この款において単に「著作物」という。)は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とするときは、次に掲げる場合を除き、その使用する者が複製することができる。」

 

「(営利を目的としない演奏等)
38条1項 公表された著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金(いずれの名義をもつてするかを問わず、著作物の提供又は提示につき受ける対価をいう。以下この条において同じ。)を受けない場合には、公に上演し、演奏し、上映し、又は口述することができる。ただし、当該上演、演奏、上映又は口述について実演家又は口述を行う者に対し報酬が支払われる場合は、この限りでない。」

 

 

以上を踏まえた上でご質問にお答えしますと、

 

 ①は、私的使用の目的の複製(同法30条1項)であれば、侵害とならず、その目的外での複製であれば、複製権の侵害となります。

 

 ②は、家族で個人利用する場合は、私的使用の目的となります。また、10人程度が一つの趣味・活動を目的として集まっているごく限られた少数のグループで使用する目的の場合も、私的使用の目的となります。そのため、ご質問にあります「数名のクラブ」が上記のような少数のグループであれば、問題ありません。

 

 また、演奏(再生)は、「公衆」に演奏するものでなければ、演奏しても問題ありません。この「公衆」には、不特定かつ多数のみならず、特定かつ多数の者も含みます(2条8項)。したがいまして、少数で利用する場合であれば問題ありません。

 

 ③は、私的使用の目的での複製に伴う替え歌の作成であれば、問題ありません(同法43条1号)が、ご質問には「それを利用してコールする」とあり、少数グループでの使用の範囲を超えるようでしたら、翻案権(27条、28条)の侵害となります。

 

 また、「利用する」とは、録音した楽曲を再生すること、すなわち「演奏」することになります。そのため、その演奏が「公衆」でない場合または、公衆での演奏であっても営利目的でなければ問題ありません(同法38条1項)が、営利目的でない場合は、演奏権の侵害となります(同法22条)。

 

 「営利を目的としない演奏」(同法38条)についてご説明しますと、
公表された楽曲であって、営利を目的とせず、聴衆・観衆から料金を受けず、かつ、演奏を行う者に対して報酬が支払われない場合には、許諾を得ずに、無償で利用できます。

 これは、著作物を原曲のままで利用する場合に限られ、一部の省略やアレンジして演奏(再生)するような翻案・編曲利用は認められません(同法43条)。


 改変して利用すしますと、同一性保持権同法20条)の問題も生じてきます。


 (1) 「営利を目的とせず」という要件は、演奏(再生)という行為によって直接的には利益を得なくても、間接的に利益が得られる場合には、営利目的になってしまうということです。

 例えば、入場は無料であっても、演奏会場で何らかの商品の販売や何らかの営利目的のサークル、クラブ、組織への入会、会員の募集をするような場合、ある商品の購入者に入場を限定しているような場合には、その演奏会が、それらの集客を目的に行われていると判断され、営利目的と判断される可能性があります。

 

 また、演奏行為によって第三者が利益を得るような場合、例えば、ある企業の宣伝のために行われる演奏会のような場合にも、営利目的と判断される可能性があります。

 (2) 「聴衆等から料金を受けない」場合の「料金」は、演奏会での会場整理費、クロークでの一時預かり料金、プログラム料金、飲料料金など、演奏とは関係なく提供されるものの実費ないし通常の料金の範囲内であれば料金ではないと考えられています。


 いずれの名目をもってするかを問わないので(著38条1項かっこ書)、例えば、聴衆から入場料の名目ではなく、寄付金というような形で徴収される場合には、その寄付金は「料金」に当たるとされた東京地裁の判例があります。


 (3) 演奏を行う者に対して報酬が支払われない場合の「報酬」は、金銭による報酬だけでなく、豪華な記念品や通常の飲食を超える接待なども「報酬」に該当する可能性があります。

 

 一方、通常の花束、記念品、食事代、交通費の実費などは「報酬」ではないと考えられています。


 本件では、録音物の再生ということになるようですので、「報酬」が支払われることはないようですので、この要件は関係がないと思われます。

 (4)出所の明示義務(著48条1項3号・2項)


 上述しましたように、営利を目的とせずに演奏する場合には、原則として、その著作物(楽曲)の出所を明示する義務が発生します。


 出所の明示は、演奏するにおいて、そのような慣行がある場合に限られますが、著作物を利用するほとんどの場合、明示の慣行があると考えていいと思われます。


 出所の明示義務に違反しますと著作権侵害とはなりませんが、出所明示義務の違反の罪(著122条)が科されます。また、損害賠償を請求される可能性もあります。


 この出所の明示は、基本的事項として、利用する楽曲の曲名、作家名など必要となるのかもしれません。

 


 ④も、③と同様で、大勢の前で演奏(再生)すると、私的使用の目的の複製ではなくなり複製権の侵害となります。また、演奏権の侵害となるかいなかは、公衆又は営利目的かどうかで決まります。

 

 ⑤と⑥は、私的使用の目的(同法30条)であれば問題はありませんが、「コールする」とありますので、大勢の前で利用する目的であれば、私的使用の範囲を超えますので編曲権の侵害とまります(同法27条、28条)。また、利用は公衆または非営利かどうかで決まります。

 

 ⑦は、ダンスの様子をアップロードするのは構いませんが、ダンスに使用される楽曲ファイルをアップしますと、著作物である楽曲のサーバへの録音となり、複製権や公衆送信権、送信可能化権の侵害となります。これは、私的使用目的や非営利目的であっても侵害となります。

 

 なお、日本の楽曲を利用する場合は、JASRACや原盤権者、プロダクションなどから使用料の支払いとともに許諾を得れば利用できるはずです。また、JASRACは、世界の120近い団体と管理契約を締結していますので、ご使用になる外国の楽曲が管理の対象となっていればJASRACに利用申請することで利用できるのではないかと思われます。

 

 

patent777, 弁理士資格を取得
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質問者: 返答済み 3 年 前.

ご回答ありがとうございます。過去に目を通した関係書物と、異なった部分がありましたので、もう少々具体な回答をいただければ幸いです。


 


 


前質問の①~⑥について、共通する少人数であれば問題ない。という内容ですが、少人数とは、具体にどの程度の人数を言うのでしょうか。関係書物には50名。と、いうような記載があるものもありますが、具体な人数があれば、ご教示ください。


 


 


また、その人数を超える、パーティや例会を行っている場合、著作権の支払い義務は、音楽を使って指導をしている、指導者にあるのでしょうか。あるいは、クラブやパーティを主宰している側にあるのでしょうか。


 


 


また、ある本には、いかなる金品を受け取ることもご法度のような書き方をされていた書籍があったように記憶しております。当協会では、倫理規定を設け、ボランティア活動にも制限が課しております。通常の花束、記念品、食事代、交通費の実費などは「報酬」には当たらないと解釈でよろしいのですね。なお、このダンス指導には、かなりの事前準備が必要で、物品の購入も多額に及ぶ場合がございます。こういった場合、税法上の日当等にあたる小額な金品を受けることは、可能なのでしょうか。


 


 


⑦については、音楽を抜いて、動作だけをアップロードすることは良いが、曲が入っていると、違法行為となるということでしょうか。


 


 


なお、替え歌問題ですが、これは、すでに、アメリカ国内の著作権はクリアーされ、日本では、それを輸入しております。替え歌は米国ですでに行われている行為であり、日本では、それをそのまま利用します。この場合も、替え歌という範疇に含まれますでしょうか。


 


 


しかしながら、加盟していない指導者の方には、高額な謝金を受け取っている例もあり、誤解を招いている点もあります。


早期に、この問題を明快にして、備えたいと、存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。


 


 


 


 

専門家:  patent777 返答済み 3 年 前.

1.私的使用を目的とする複製(著作権法30条1項)で許される人数

 同法に規定する「個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内」の具体的な人数について法律で規定されているとか、裁判例で示されたというようなことはありません。

 

 そのため、学説に基づいて判断することになろうかと思われます。

 有力な学説では、先にご説明したように「10人程度が一つの趣味・活動を目的として集まっているごく限られた少数のグループで使用する」場合ということになります(加戸守行『著作権法逐条講義〔5訂新版〕』[著作権情報センター 2006]など)。


 そもそも、複製の例外が認められている趣旨は、著作物を少人数で使用する程度であれば、著作権者の経済的利益を損なわないというものですので、これを多数人が複製して無償で使用するということになりますと著作権者の経済的利益が損なわれる虞があるので、それは認められないということです。
      

 そのような趣旨から判断しますと、ご質問にございますような「50名」という人数は、「これに準ずる限られた範囲内」とはいえないのではないかと思われます。

 

 具体的な人数が定められていないため、著作権関係の書物には、その著者独自の考えが記載されていることがよくあります。そのような場合には通説的な見解や多数説に従った方が無難ではないかと思われます。

 

 

 もっとも、裁判所は学説に拘束されるわけではありませんので、最終的には裁判所によって様々な事情を考慮して判断されることになります。そのため有力的な学説であっても、それとは異なる判断が裁判所でなされることはあります。

 

2.演奏で許される人数


 法22条に「公衆」とありますので、「公衆」ではなくて、「少数」で演奏(再生)するのであれば、侵害となりませんが、その「少数」の具体的な人数も法律で定められているとか、裁判例で示されているというようなことはありません。

 この人数について判断するには、本件と類似するケースの裁判例が存在しますので、それが参考になろうかと思われます。

 

 ここでご紹介する判例は、ダンス教室において、CDを再生してダンスを教授するという「社交ダンス教室事件」(名古屋高判平16.3.4)という判例です。

 

 ここでは、具体的な人数については示されてなく、様々な状況をを考慮して、各事案ごとに判断するというものです。

 

 「一般に、『公衆』とは、不特定の社会一般の人々の意味に用いられるが、法は、同法における『公衆』には、『特定かつ多数の者』が含まれる旨特に規定している(同法2条5項)。法がこのような形で公衆概念の内容を明らかにし、著作物の演奏権の及ぶ範囲を規律するのは、著作物が不特定一般の者のために用いられる場合はもちろんのこと、多数の者のために用いられる場合にも、著作物の利用価値が大きいことを意味するから、それに見合った対価を権利者に環流させる方策を採るべきとの判断によるものと考えられる。かかる法の趣旨に照らすならば、著作物の公衆に対する使用行為に当たるか否かは、著作物の種類・性質利用態様を前提として、著作権者の権利を及ぼすことが社会通念上適切か否かという観点をも勘案して判断するのが相当である。

 

 これを本件についてみるに、Y(ダンス教室の経営者)による音楽著作物の再生は、本件各施設においてダンス教師が受講生に対して社交ダンスを教授するに当たってなされるものであることは前記のとおりであり、かつ、社交ダンスはダンス楽曲に合わせて行うものであり、その練習ないし指導に当たってダンス楽曲の演奏が欠かすことができないものであることはYの自認するところである。そして、・・Yは、格別の条件を設定することなく、その経営するダンス教授所の受講生を募集していること、受講を希望する者は、所定の入会金を支払えば誰でもダンス教授所の受講生の資格を得ることができること、受講生は、あらかじめ固定された時間帯にレッスンを受けるのではなく、事前に受講料に相当するチケット を購入し、レッスン時間とレッスン形態に応じた必要枚数を使用することによって、営業時間中は予約さえ取れればいつでもレッスンを受けられること、レッスン形態は、受講生の希望に従い、マンツーマン形式による個人教授か集団教授(グループレッスン)かを選択できること、以上の事実が認められ、これによれば、本件各施設におけるダンス教授所の経営主体であるYは、ダンス教師の人数及び本件各施設の規模という人的、物的条件が許容する限り、何らの資格や関係を有しない顧客を受講生として迎え入れることができ、このような受講生に対する社交ダンス指導に不可欠な音楽著作物の再生は、組織的、継続的に行われるものであるから、社会通念上、不特定かつ多数の者に対するもの、すなわち、公衆に対するものと評価するのが相当である。

 

 この点につき、Yは、①本件各施設におけるCD等の再生は、Yとダンス指導受講の契約を結んだ特定の生徒に対し、ダンス技術の指導に伴ってなされるものであり、両者の間には密接な人的結合関係に依存した継続的な関係が存することに照らせば、本件各施設におけるCD等の再生は特定の者に対してなされるものであること、②Yのダンス指導は個人レッスンを基本としているところ、その生徒数は数名、多くとも10名程度であるから、多数の者に対する演奏ともいえないこと、などを理由に、公衆に対するものではないと主張する。なるほど、・・・顧客である受講生らとYとの間にダンス指導受講を目的とする契約が締結されていること、この契約は、通常、1回の給付で終了するものではなく、ある程度の期間、継続することが予定されていること、本件各施設において、一度にレッスンを受けられる受講生の数に限りがあること、本件各 施設におけるダンス教授が個人教授の形態を基本としていること、以上の事実は否定できない。しかしながら、受講生が公衆に該当するか否かは、前記のような観点から合目的的に判断されるべきものであって、音楽著作物の利用主体とその利用行為を受ける者との間に契約ないし特別な関係が存することや、著作物利用の一時点における実際の対象者が少数であることは、必ずしも公衆であることを否定するものではないと解される上、①上記認定のとおり、入会金さえ支払えば誰でも本件各施設におけるダンス教授所の受講生資格を取得することができ、入会の申込みと同時にレッスンを受けることも可能であること、②一度のレッスンにおける受講生数の制約は、ダンス教授そのものに内在する要因によるものではなく、当該施設における受講生の総数、施設の面積、指導者の数、指導の形態(個人教授か集団教授か)、指導日数等の経営形態・規模によって左右され、これらの要素いかんによっては、一度に数十名の受講生を対象としてレッスンを行うことも可能と考えられることなどを考慮すると、受講生である顧客は不特定多数の者であり、同所における音楽著作物の演奏は公衆に対するものと評価できるとの前記判断を覆すものではないというべきである。」

 

 本件と全く同一の状況ということではありませんが、類似するケースとして、この判例を参考にして申しますと、ご質問にありますような50名という人数は、裁判所では「少数」とは判断されないのではないかと思われます(もちろん、本件に特有の諸事情が考慮され、「公衆」には当たらないと判断される可能性もあるとは思いますが)。


3. 「著作権の支払い義務は、音楽を使って指導をしている、指導者にあるのでしょうか。あるいは、クラブやパーティを主宰している側にあるのでしょうか」

 

 実際に録音された楽曲を再生しているのが、指導者であれば、理論的には、指導者が演奏をしているということになります。

 しかし、結論から申しますと、これも諸般の事情次第という条件は付きますが、クラブ等の主催者が演奏していると判断されるのではないかと予想されます(したがって、その場合には主催者に支払義務が生じる)。

 

 いわゆる間接侵害というのですが、これは著作権法に規定されているものではなく、多くの裁判例でいわゆる「カラオケ法理」という考え方に基づいて、「実質的な」演奏者である経営者・運営者を侵害者とするものです。

 

 「カラオケ法理」という考え方を最初に持ち出した有名な最高裁の裁判例の一部をご紹介します(「クラブキャッツアイ事件」~最判昭63.3.15)。

 

 この事案は、経営するスナック等において、カラオケ装置と(音楽著作物たる楽曲が録音された)カラオケテープを備え置き、ホステス等従業員においてカラオケ装置を操作し、客に曲目の索引リストとマイクを渡して歌唱を勧め、客の選択した曲目のカラオケテープの再生による演奏を伴奏として他の客の面前で歌唱させ、また、しばしばホステス等にも客とともにあるいは単独で歌唱させ、もって店の雰囲気作りをし、客の来集を図って利益をあげることを意図していた、というものです。

 

 「ホステス等が歌唱する場合はもちろん、客が歌唱する場合を含めて、演奏(歌唱)という形態による当該音楽著作物の利用主体はY(スナック経営者)であり、かつ、その演奏は営利を目的として公にされたものであるというべきである。

 けだし、客やホステス等の歌唱が公衆たる他の客に直接聞かせることを目的とするものであること(著作権法22条) は明らかであり、客のみが歌唱する場合でも、客は、Yと無関係に歌唱しているわけではなく、Yの従業員による歌唱の勧誘、Yの備え置いたカラオケテープの範囲内での選曲、Yの設置したカラオケ装置の従業員による操作を通じて、Yの管理のもとに歌唱しているものと解され、他方、Yは、客の歌唱をも店の営業政策の一環として取り入れ、これを利用していわゆるカラオケスナツクとしての雰囲気を醸成し、かかる雰囲気を好む客の来集を図って営業上の利益を増大させることを意図していたというべきであつて、前記のような客による歌唱も、著作権法上の規律の観点からはYによる歌唱と同視しうるものであるからである。」

 

 この判決が出された以降、多くの裁判でも、この「カラオケ法理」が適用され、例えば、音楽CD等の複製に係る電子ファイル交換サービスの運営者を侵害主体とした(ファイルローグ事件~東京高裁H17.3.31)、海外居住者に日本のTV番組の録画・送信環境を提供するサービス事業者を侵害主体とした(録画ネット事件~知財高裁H17.11.15)、レストランでJASRACの管理楽曲を演奏等する行為に対しその主体を経営者であるとした(デサフィナード事件~大阪高裁H20.9.17)・・・等が存在します。

 

 この「カラオケ法理」が適用される重要なポイントは、①実質的な支配・管理をしており、かつ、②それによって利益を得ている、点にあるようです。


 したがいまして、主催者が実質的な管理をしており、かつ、それによって利益を得ている場合には、主催者が侵害主体と判断される可能性があると予想されます(最も、上述した裁判例と異なる事情が考慮され、侵害ではないという判断がされ得ることは否定できませんが)。

4.営利を目的としない演奏等(38条1項) における「演奏を行う者に対し報酬が支払われる場合は、この限りでない。」について

 

 通常の花束、記念品、食事代、交通費の実費などは「報酬」には当たらないとの解釈で結構です。これも有力な学説の考え方です。


 ただし、税法上の日当等を受け取ることにつきましては、直接、演奏の報酬というものではないとしましても、交通費などとは異なり、「報酬」に該当すると判断される可能性は否定できないと思われます。
 日当の計算根拠の中に、演奏報酬に該当するような要素が入り込む余地も考えられ、日当と主張しても、裁判所としてはそれが報酬でないか否かの判断が難しいのではないでしょうか。となれば、その日当が「報酬」と判断される可能性があるような気がします。

5.「音楽を抜いて、動作だけをアップロードすることは良いが、曲が入っていると、違法行為となるということでしょうか」について

 

 基本的には、そのようなご理解で問題はないのですが、即興のダンスにつきましても、そのダンスに創作性が認められますと、その即興ダンス自体も振付師ないしダンサーの著作物となり、著作権や著作隣接権が発生するということもありますので、振付師やダンサーの許諾を得てからアップロードした方がよろしいかと思われます。


6.米国での替え歌が適法(すなわち、米国の著作権者の承諾を得て行われたもの)なものであれば、日本においてその替え歌を「そのまま」利用するのであれば問題はありません。

 

 その替え歌が外国語の歌詞であって、それを更に日本語に翻訳したり、訳詞したり、メロディやリズムなどをアレンジしたりしますと、編曲・翻案権(著作権法27条)に抵触すると思われます。

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    行政書士 知的財産修士 1級知的財産管理技能士 2級FP技能士
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    patent777

    弁理士資格を取得

    満足した利用者:

    434
    特に特許法、実用新案法、意匠法、商標法、パリ条約に精通しています。
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    satohk555

    弁理士

    満足した利用者:

    20
    2010年弁理士試験合格
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    supertonton

    行政書士

    満足した利用者:

    3322
    中央大学卒平成14年行政書士登録離婚・相続等の法務手続の専門家
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    rikonnsouzoku

    行政書士

    満足した利用者:

    181
    弁護士事務所事務員行政書士事務所所長
 
 
 

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