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カテゴリ: 特許・商標・著作権
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社長からの命令として、上司からストリーミング映像をダウンロードできるソフトを入手し、その使い方を教えてほしいと言われ

解決済みの質問:

社長からの命令として、上司からストリーミング映像をダウンロードできるソフトを入手し、その使い方を教えてほしいと言われました。ちなみに、そのソフトを使うのは社長ではなく上司です。そこで、『クレイビングエクスプローラー』というソフトをダウンロードし、社内で使っているグループウェア(社内だけで使うメールや掲示板およびスケジュール管理のソフトです)の掲示板にアップしました。すると、それを閲覧した同僚から『ス トリーミング映像をダウンロードできるソフトを誰もが使えるように紹介するのは問題だ。もしも勝手に使われたら著作権違反や違法ダウンロードになるのではないか。もしそうなったら会社の責任になる』と言うのです。ちなみに、『クレイビングエクスプローラー』というのは広く知られたソフトで、いわゆるアングラソフトや違法ソフトではありません。ネットで簡単にダウンロードできるフリーウェアです。ユーチューブなどの動画サイトの映像をコンピュータに取り込む機能を有する、いわゆるブラウザの一種です。同僚の言うように法的な問題や責任が発生するのでしょうか?
投稿: 4 年 前.
カテゴリ: 特許・商標・著作権
専門家:  patent777 返答済み 4 年 前.

知的財産権を専門とする弁理士です。


 インターネット上にアップロードされた著作物(音楽や動画等のコンテンツ)を受信する行為について、以下に分けてご説明します。

 

 (1) 違法にアップロードされたコンテンツでなければ、私的使用の目的で録音・録画する限り、侵害とはなりません(著作権法30条1項柱書)。

 

 そのため、違法でないストリーミング映像を私的使用の目的でダウンロードしても問題はありません。

 

 ただし、違法でないストリーミング映像であっても、それを仕事に利用するためにダウンロードしますと「私的使用の目的」とはならず、複製権(同法21条)の侵害となります。

 

「(複製権)

第21条

 著作者は、その著作物を複製する権利を専有する。」

 

「(私的使用のための複製)

第30条第1項柱書

 著作権の目的となつている著作物(以下この款において単に「著作物」という。)は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とするときは、次に掲げる場合を除き、その使用する者が複製することができる。」

 


(2) (国内・国外で)違法にアップロードされた著作物(コンテンツ)であって、その事実を知りながら、デジタル方式の「録音」又は「録画」をする行為は、例え、私的使用の目的であっても、複製権の侵害となります(同法2条1項15号、21条、30条1項3号)。

 

 そのため、違法にアップロードされたストリーミング映像であって、違法にアップロードされた事実を知りながら、ダウンロードする場合は侵害となります。

 

 一方、違法にアップロードされたストリーミング映像であっても、その事実を知らなければ、私的使用の目的でダウンロードする限り、侵害とはなりません。

 

 そのため、違法にアップロードされた映像であって、その事実を知らない場合であっても、私的使用以外のの目的でダウンロードした場合には、侵害となります(同法21条)。


「(複製)

 

第2条第1項第15号

 

 複製 印刷、写真、複写、録音、録画その他の方法により有形的に再製することをいい、次に掲げるものについては、それぞれ次に掲げる行為を含むものとする。」

 

 

「(私的使用のための複製)

 

第30条第1項第3号

 

著作権を侵害する自動公衆送信(国外で行われる自動公衆送信であって、国内で行われたとしたならば著作権の侵害となるべきものを含む。)を受信して行うデジタル方式の録音又は録画を、その事実を知りながら行う場合(は複製することができない)」

 

 (3) また、その著作物が「有償著作物等」(CDやDVD等で販売されているコンテンツ、有料オンデマンド配信、有料ダウンロード販売されているコンテンツ等をいい、無料放送のみされているテレビ番組は該当しない)であれば、更に刑事罰が科されることになります(119条3項)。

 

 具体的には、以下の要件を全て満たす場合には、刑事罰の対象となります。

 

⒧ 有償著作物等であること

 

 そのストリーミング映像が有料である場合です。

 無料であれば、刑事罰の対象とはなりません。

 

 

⑵ 著作権又は著作隣接権を侵害する自動公衆送信を受信するものであること

 

 そのストリーミング映像が違法にアップロードされていたものである場合には、刑事罰の対象となり、適法にアップロードされていたものである場合には、対象とはなりません。

 

⑶ デジタル方式の録音又は録画であること

 アナログで録音する場合は刑事罰の対象とはなりません。例えば、パソコンのスピーカーから再生した音楽をラジカセでアナログ録音するような場合です。

 

 

 もっとも、ストリーミング映像をハードディスクにダウンロードする場合は、デジタル方式の録音・録画となりますので、この要件は満たしてしまう場合がほとんどではないかと思われます。

 

⑷ 自ら侵害の事実を知りながら行うこと


 この「知りながら」とは、ⅰ)著作権又は著作隣接権を侵害する自動公衆送信(ストリーミング映像のネット配信など)からのダウンロードであること、及びⅱ)ダウンロードするコンテンツ(ストリーミング映像など)が「有償著作物等」であること、について知りながら行うことと解されています。

 

 以上の4つの要件を全て満たしてしまうと、刑事罰の対象となります(同法119条3項)。

 

「(罰則)

第119条第3項

 

第30条第1項に定める私的使用の目的をもつて、有償著作 物等(録音され、又は録画された著作物又は実演等(著作権又は著作隣接権の目的となつているものに限る。)であつて、有償で公衆に提供され、又は提示されているもの(その提供又は提示が著作権又は著作隣接権を侵害しないものに限る。)をいう。)の著作権又は著作隣接権を侵害する自動公衆送信(国外で行われる自動公衆送信であつて、国内で行われたとしたならば著作権又は著作隣接権の侵害となるべきものを含む。)を受信して行うデジタル方式の録音又は録画を、自らその事実を知りながら行つて著作権又は著作隣接権を侵害した者は、2年以下の懲役若しくは2百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」

 



 








質問者: 返答済み 4 年 前.

 

迅速にご回答頂き有難うございます。

ケース別に著作権の侵害行為に当たるか否かを分かりやすくご解説いただき、全くの素人である当方にとって大変参考になります。ご回答を 踏まえまして、あえて質問をさせて頂きますが、ダウンロード可能なソフトを社内の掲示板にアップした行為については、それ自体としては問題 ないものとして差し支えないでしょうか?たとえば、掲示板からソフトを手に入れた社員が、家で悪用して違法にアップされたドラマ等をダウンロードしたとしても、それは社員個人の違法行為であって、ソフトを紹介した社員や会社が責任を問われることはない、とみて宜しいでしょうか?また、デジタルでの録音・録画が違法とありますが、例えばプロジェクタで上映しているストリーミングをデジタルビデオカメラで撮影することも『デジタルでのコピー=違法』となるのでしょうか?

専門家:  patent777 返答済み 4 年 前.

1.「ダウンロード可能なソフトを社内の掲示板にアップした行為について」

 

 結論から申しますと、ソフトを紹介した社員ないし会社の責任が問われることになると思われます。

 

 その理由として、ソフト自体が著作物となり得る(著作権法10条1項9号)ので、ご質問のような行為は、

 

 (1) 社内の掲示板用サーバ内のハードディスク上に複製物(プログラムのデジタルコピー)を作成するため複製権の侵害となります(同法21条)。

 

 

 なお、社員に頒布する目的で複製する場合には、私的使用の目的とはなりません(30条1項)。

 

 (2) サーバに蓄積された著作物(プログラムのデジタルコピー)は、掲示板にアクセスしてきたユーザ(社員)に対して自動的に送信され、これは、公衆からの求めに応じて自動的に行われるものであり、「自動公衆送信」となります(2条1項9号の4)。そのため、公衆送信権の侵害となります(23条1項)。


 (3) 実際にユーザに対して送信されなくても、サーバに情報が入力された時点で送信可能化され(2条1項9号の5)、(自動)公衆送信権の侵害となります(23条1項)。


 なお、「公衆」には、不特定かつ多数の者だけでなく、特定かつ多数の者も含まれるので(2条5項)、例え、社員のみを対象とした送信であっても、それが多数であれば「公衆送信」になると思われます。

 

 

「(公衆送信)

 

2条1項7号の2

 

 公衆によつて直接受信されることを目的として無線通信又は有線電気通信の送信(電気通信設備で、その一の部分の設置の場所が他の部分の設置の場所と同一の構内(その構内が二以上の者の占有に属している場合には、同一の者の占有に属する区域内)にあるものによる送信(プログラムの著作物の送信を除く。)を除く。)を行うことをいう。」

 

 

「(自動公衆送信)

 

2条1項9号の4

 

 公衆送信のうち、公衆からの求めに応じ自動的に行うもの(放送又は有線放送に該当するものを除く。)をいう。」

 

 

「(送信可能化)

 

2条1項9号の5

 

 次のいずれかに掲げる行為により自動公衆送信し得るようにすることをいう。

  イ 公衆の用に供されている電気通信回線に接続している自動公衆送信装置(公衆の用に供する電気通信回線に接続することにより、その記録媒体のうち自動公 衆送信の用に供する部分(以下この号及び第四十七条の五第一項第一号において「公衆送信用記録媒体」という。)に記録され、又は当該装置に入力される情報を自動公衆送信する機能を有する装置をいう。以下同じ。)の公衆送信用記録媒体に情報を記録し、情報が記録された記録媒体を当該自動公衆送信装置の公衆送信用記録媒体として加え、若しくは情報が記録された記録媒体を当該自動公衆送信装置の公衆送信用記録媒体に変換し、又は当該自動公衆送信装置に情報を入力すること。

  ロ その公衆送信用記録媒体に情報が記録され、又は当該自動公衆送信装置に情報が入力されている自動公衆送信装置について、公衆の用に供されている電気通信回線への接続(配線、自動公衆送信装置の始動、送受信用プログラムの起動その他の一連の行為により行われる場合には、当該一連の行為のうち最後のものをいう。)を行うこと。」

 

 

「(公衆送信権等)

第23条

 著作者は、その著作物について、公衆送信(自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。)を行う権利を専有する。

2 省略」

 

 

 

「(公衆)

 

2条5項

 

 この法律にいう『公衆』には、特定かつ多数の者を含むものとする。」

 

 

 

2.「プロジェクタで上映しているストリーミングをデジタルビデオカメラで撮影する行為」

 

 結論から申しますと、この行為も昨日ご説明したストリーミング映像のダウンロードと基本的に同じ考え方です。パソコンのディスプレイで動画(著作物)が表示されるか、プロジェクタで表示されるかの違いにすぎません。

 

 そして、デジタルビデオカメラで撮影することもデジタルでのコピーとなりますので、パソコンのハードディスクなどにコピーする場合と同じような考え方になると思われます。

 

 したがいまして、違法にアップロードされたものでなければ、私的使用の目的で複製する限りは問題ありません。

 

 違法の場合には、昨日ご説明したように、一定の要件の下、複製権の侵害となったり、刑事罰の対象になるということです。

 

 

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