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カテゴリ: 特許・商標・著作権
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外国から木製の模型キットを輸入して販売しております。最近、並行輸入品が目立ち始め、ついには組立制作プラン(インストラ

解決済みの質問:

外国から木製の模型キットを輸入して販 売しております。最近、並行輸入品が目立ち始め、ついには組立制作プラン(インストラクション+図面)を翻訳したものまで、販売するようなところが出始めました。
メーカーから許可がなくとも、これらは合法なのでしょうか?

ちなみに非常にマイナーな商品ですので、商品について若干情報を追加しますと、模型の対象物は新しくとも、100年くらいのもので、通常、これらのプランは博物館のキュレーターや社内・社外の模型デザイナーと呼ばれる人が作ります。日本では模型というとプラ模型のようですが、これらの模型は木工品+鋳造製品といいったようなもので、組立制作プラン(インストラクション+図面)は、メーカーにもよりますが、海外では、単体でも、発売・流通しています。
投稿: 4 年 前.
カテゴリ: 特許・商標・著作権
専門家:  patent777 返答済み 4 年 前.

知的財産権を専門とする弁理士です。

 

組立制作プラン(インストラクション+図面)が法的に保護されるとすれば、著作権法による保護が考えられます。

著作権法で保護されためには著作権が生じていなければなりません。


そして、著作権が生じるためには、「著作物」であることが必要となります。


この「著作物」とは、著作権法では「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。」と規定されています(著作権法2条1項1号)。


そのため、「著作物」であるためには「創作性」のある「表現」であることが必要であり、アイディアや着想は保護されません。


そこで、本件について考えてみますと、インストラクションと図面は別々の物として、各々について、それが「創作的」な「表現」であれば、著作物となり、各々に著作権が生じます。


そのため、著作物に該当するか否かについて、インストラクションと図面を分けて考えてみたいと思います。


1. インストラクション


インストラクションとは、模型キットの組立の手順、方法などを内容とする取扱説明書と理解した場合、その記載は、そのキュレーターや模型デザイナーなどのその分野の専門家であれば、誰が作成しても同じような表現の記述になるのではないでしょうか。


イラストや写真など視覚に訴えるような特殊な表現を多用しているとか、文章表現や文章構成が特殊であるとか、何か通常とは異なる独創的な表現を用いていない限り、「創作性」のある「表現」とはいえず、「著作物」とは認められないと思われます。


その場合の創作性とは、インストラクションの表現の創作性をいい、その対象となる模型キットの創作性ではないと考えるのが、学説、判例では多数意見となっているようです。


組立制作プランには、インストラクションの他に図面も添付されているとのことですので、インストラクション自体には、イラスト等の視覚的効果を発揮させるような内容ではないのかなと推測しますと、そのような創作性のないインストラクションは著作物とはいえず、著作権は生じていないのではないかと予想されます。


2. 図面


図面につきましても、それが「創作的」な「表現」であれば著作物となります。


図面については、その判断が難しく、学説、判例でも判断が分かれています。

 

これは図面(特に設計図)の創作性を判断する要素を、作図上の工夫にのみ求めるか(第一説)、あるいは、設計対象物自体が有する形状や寸法、色彩等についてもその創作性を判断するか(第二説)という見解に分かれています。

近時の裁判例をみますと、図面の著作物性を判断するに際し、対象物自体の表現は、これが著作物性を有するかどうかにかかわらず、考慮しない、すなわち、第一説の作図上の工夫のみに創作性を求めるという判例が多いようです(あくまでもその傾向にあるというだけであり、必ずそうだとは限りませんが)。

このことから判断しますと、木製キットの図面についても、その対象物である模型自体に創作性があるか否かにかかわらず、その表現である図面自体に創作性があるか否かで判断されるものと予想されます。

 

そうだとすれば、対象物が同一であれば、図上に表現される直線、曲線等からなる図形、補助線、寸法、数値、材質等の注記は、その分野の専門家が描けば、大同小異のものにならざるを得ないのではないかと思われます。

そうであるならば、図面もまた創作的な表現とはいえず、著作物ではないのではないと予想されます。

以上は、一般論としてのご説明ですので、インストラクションや図面に創作性のある表現が含まれていれば、著作物と判断され、著作権が生じることもありえます。

著作権が生じている場合には、著作権者に無断で組立制作プランを翻訳する行為は、著作権のうち、翻案権の侵害となります(著作権法27条)。また、その翻訳したものを有償・無償を問わず、譲渡しますと譲渡権の侵害となります(同法26条の2)。

そして、差止請求(同法112条)及び損害賠償請求(民法709条)の対象となり、また、刑事罰の対象ともなります(著作権法119条等)。

 

質問者: 返答済み 4 年 前.

結局


「著作物」であるためには「創作性」のある「表現」であることが必要ということのようですが、何をもって「創作性」ありとするのか、具体的な内容がわからず、また表現していても、かなり狭い範囲でしか成立しないようなので、


(「文章表現や文章構成が特殊であるとか、何か通常とは異なる独創的な表現を用いていない限り」)私自身が判断も納得もできず、問題が解決できなくて考え込んでしまいます。


他方、私が判断するとなると、身びいきで判断してしまいそうで、これにも、こまったものです。


 


 


 


図面ですが、専門家以外にもわかりやすいように機械図面だけでなく、イラスト図もりこまれています。また、インストラクション部分は、専門用語を避けて、できるだけ専門家以外でもつくれるように配慮して書かれています。



それとイラストは、模型ですから小さなものですので、ほんものと同じ製作工程をとるわけにはいきませんので、多くの工程上の工夫がなされており、それを説明したものです。


 


なお、インストラクションは、図面の工程にそって、説明されていまして、今回問題になったメーカーは、図面の上にインストラクション部を書き込んでいます。


 


海外では、これらは「プラン」として、本と並べて模型屋で販売されています。 また、愛好家が、編み出した特殊な工程や工夫、ジグ等を紹介した同好会の自費出版本や、学芸員の書いたような小冊子も販売店が冊子化して販売していたりしています。


価格的には、こういう本を書く様な人の歴史考証や工程の工夫等の塊です。


 


著作権は成立しないのでしょうか


(著作権がないとすると、非常に違和感を感じます。以前、帆船模型店が、東京の伊東屋にあったため、愛好家の皆さんは医者とか社長が多いのですが、そういう良識のある方が、著作権ありと信じ込んでおります。)



これらのコピー品が中国からも入ってきそうなのですが・・・


 


 



 

専門家:  patent777 返答済み 4 年 前.

 先ほどは、模型の製作工程を単に機械的に記述したもの、また、一般的な模型図面と思いご説明したものですが、今回のご質問内容を伺いますと、当方が想定していたものと大分異なるものです。

 

 ご質問にありますような組立制作プランと申しますのは、随所に創作的な表現が盛り込まれているようであり、著作物に該当するものと思われます。

 

 本プランには、イラスト図も盛り込まれており、そのイラストには多くの工程上の工夫がなされ、また、インストラクション部分は、専門用語を避けて、できるだけ専門家以外でもつくれるような配慮がなされ、そのインストラクションは、図面上に記載されているとのことですので、ご質問者様のおっしゃるように、創作的な表現のある著作物であると思われます。

 

 そして、インストラクションと図面が一体となっており、小冊子ないし書籍の形式で製作されていますので、そのような書籍全体として、あるいは書籍の中の個々の創作的な表現の部分について、著作権が生じていると思われます。

 

 我が国では、外国の著作物でもそれがベルヌ条約などの加盟国の著作物であれば保護する義務があり(著作権法6条)、主要先進国のほとんどは加盟していますので、本件の外国の組立制作プランも保護対象となるものと思われます。

 

 そして、著作権者の許諾を受けずに、組立制作プランを翻訳して、譲渡する行為は、先程も申しましたが、著作権侵害となります。

 

 また、著作権は、原則的には、著作物を創作した者に発生します(著作権法2条1項2号)。

 

 メーカー(そのメーカーの従業員、デザイナーなど)が製作したのであれば、そのメーカーが著作権者ということになります。

 

 このような組立制作プランは、海外では模型屋で販売されているとのことですが、メーカー自身がプランを出版しているのであれば、そのメーカーに許諾をしたのか否かの確認すればよいのですが、メーカーとは独立した出版社が販売しているのであれば、その出版社に許諾の確認をするという方法もあるのではないでしょうか。

 

 

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