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カテゴリ: 特許・商標・著作権
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この度はたいへんお世話になります。 私の会社ではインターネット上で提供するサービスを営んでおりますが、最近になって

解決済みの質問:

この度はたいへんお世話になります。
私の会社ではインターネット上で提供するサービスを営んでおりますが、最近になって全く同一のサービスを提供する業者が現れ、そのサイトに付け られたサービス名が私の会社のものと似ているため、たいへん困惑しています。

状況として例示しますと、

私の会社のサイト名兼サービス名: e印影コム
※「e印影コム」について標準文字による商標登録してあるものとします。

後から現れた業者(後発業者)は、私の会社の登録商標と同一の区分、指定役務でサービスを提供しているとき、

後発業者のサイト名兼サービス名(パターン1): 印影.com
後発業者のサイト名兼サービス名(パターン2): 印影.net

のように名付けられているとします。

これらのような業者に対して、私の会社が商標権を主張し、名称の変更等を求めることは法的に有効なことでしょうか?
あるいは他に何か該当するような法律があるのでしょうか?

商標の類似性に関する判断になるのだと思いますが、専門家の皆さんにお願いできればと質問いたしました。
お忙しいと思いますがよろしくお願いします。
投稿: 3 年 前.
カテゴリ: 特許・商標・著作権
専門家:  patent777 返答済み 3 年 前.

知的財産権を専門とする弁理士です。

 

 商標権の侵害とは「正当理由・権原なき第三者が指定商品若しくは指定役務又は類似商品若しくは類似役務に登録商標若しくは類似商標を使用し又は一定の予備的行為をすること」をいいます(商標法(以下「商」とします)25条、37条等)。

 

 すなわち、①相手方に正当な権原等がないこと。②「使用」であること、③指定役務等が同一・類似であること、④登録商標が同一・類似の範囲であること、の4つの要件を全て満たすときは、侵害となります。

 

 まず、①の正当な権原についてですが、相手方が先に使用していたとか、ライセンス契約をしている、といったものですが、ご質問内容から想定しますと、このような権原はなさそうですので、以下は、相手方に正当な権原等がないものとしてご説明します。

 

 ②の「使用」についてですが、サイトに商標を表示してサービスを提供しているようですので、「使用」に該当すると思われます。

 

 役務でサービスを提供しているとのことですので、形式的には「使用」になります。

 商2条3項7号には「電磁的方法により行う映像面を介した役務の提供に当たりその映像面に標章を表示して役務を提供する行為」という規定があり、これに該当します。


 相手方が、営業と関係なく商標を表示している態様であれば使用にはなりませんが、顧客のコンピュータディスプレイに表示されるインターネットサイト上に標章を表示して、サービスなどを提供する場合には、通常は営業との関わりをもって使用しているはずですので、実質的にも「使用」になると思われます。

 

 続きまして③の指定役務についてですが、ご質問内容には、「私の会社の登録商標と同一の区分、指定役務でサービスを提供している」とありますので、質問者様の指定商品と同一の範囲での使用ということになります。

 

 次に④の登録商標と同一・類似範囲の使用についてですが、


 商標が類似しているか否かは、原則として、商標の構成自体によって判断します、すなわち、商標の外観・称呼・観念を要素として、これら三つの要素のうち一以上で類似と判断されれば、商標の構成上は類似と判断されます。

 「外観類似」とは、商標の構成を視覚により観察した場合にその外観形象が識別標識として相紛らわしいことをいいます。


 例えば、「ライオン」と「テイオン」、「P&K」と「P&R」、「LINDE」と「LINDA」などは外観類似となります。


 「称呼類似」とは、商標を構成する文字・図形等から生じる呼び名が相紛らわしいことをいいます。


 例えば「NHK」と「MHK」、「エトワール」と「エトラール」などは称呼類似となります。この例では、外観も類似と判断される可能性があります。


 「観念類似」とは、商標を構成する文字・図形等から生じる意味・内容において相紛らわしいことをいいます。


 例えば、「キング」と「王様」、「OCEAN」と「大洋」等は観念類似となります。

 ただし、需要者等が直ちに理解し直感し得るものでなければなりません。例えば「椿」と「カメリヤ」のごとく、辞書を引いて初めて同様とわかるようなものは観念類似とはなりません。

 

 質問者様の登録商標が「e印影コム」であり、相手方が使用しているものは「印影.com」「印影.net」ですので、原則としては、外観、称呼、観念が異なります。

 しかし、本件のケースでは、結合商標となりますので、別の観点からの類否判断も必要と思われます。

 

 すなわち、2以上の単語が組み合わされた商標はいわゆる結合商標と称して、さらに別の審査基準が定められています。すなわち、結合商標の結合状態において、

 

①構成上一体的でない場合
②全体の構成から一定の外観、称呼又は観念が生じない場合

③自他商品役務識別力を有する部分とそうでない部分がある場合

④一部に特に需要者に印象付ける部分がある場合

⑤淀みなく一連に称呼し得ない場合


 などのような結合商標は、自他商品役務識別力を有する構成の一部(要部)を分離ないし抽出して、その部分より生ずる外観、称呼又は観念により類否判断が行われます。

 

 本件で申しますと、「e印影コム」は、「e」と「印影」と「コム」は構成上一体的ではないと思われますので、分離観察がされ、その中で特に注意を引く部分(要部)は「印影」と思われます。

 一方、相手方のものも同様に「印影」が要部となると思われます。

 

 そうしますと、要部において共通しており、また、他の構成部分からは特別な観念や、強い印象を与えることはないので、商標は類似と判断されると予想します。

 

 商標が類似と判断されますと、相手方の行為は商標権の侵害となりますので、質問者様は相手方の使用行為を差し止めることができることとなります(商36条)。





質問者: 返答済み 3 年 前.

お忙しいところ的確なご回答を頂きまして感謝いたします。


 


④の登録商標と同一・類似範囲の使用につきまして、


相手方のサイト名兼サービス名が


「印影ドットネット」



「INEI.NET」


だった場合はどのような判断になりますか?

専門家:  patent777 返答済み 3 年 前.

 「e印影コム」と「印影ドットネット」、「INEI.NET」を分離観察せずに、全体で対比しますと、外観、称呼、観念がいずれも異なるので、類似とはなりません。

 

 先の「印影.com」や「印影.net」の場合、「印影」と「com」「net」の文字の大きさ、種類が異なり、「.」を境界として直ちに「印影」と「com」「net」の部分は構成上一体でなと認識でき、かつ、「com」「net」はドメイン名を表示するものと認識され、識別力を有しないので、要部(識別力を有する部分)が「印影」部分であること認識しやすいので、要部である「印影」が共通するため、商標が類似すると判断される可能性が高いと申しました。

 

 一方、「印影ドットネット」の場合も、全体で一定の観念は生じず、かつ、「印影」は漢字であり、「ドットネット」はカタカナであり、文字の種類は異なります。そのため、「印影」と「ドットネット」は分離観察されるものと思われます。

 

 分離観察された場合、「ドットネット」は先の「.net」と異なり、その字体そのものはドメイン名とはいえないものの、ドメイン名の呼び名をカタカナで表示したものに過ぎず、ネットサービス分野では、頻繁に使用されるカタカナ名称でもあることからしますと、やはり識別力はないものと判断され、要部は「印影」となって、「e印影コム」の要部である「印影」の部分と、「印影ドットネット」の要部である「印影」を対比した場合、外観、称呼、観念はいずれも共通するので、商標は類似すると判断される可能性は高いと思われます。

 

 これに対し、「INEI.NET」の方は、判断が難しいですね。あくまで私見として申しますと、類似と判断される可能性が高いのではないかと推測します。

 

 商標の類否判断で有名な最高裁の「氷山印事件」の判決(昭和43年2月27日)では、次のように判示しています。

 「商標の外観、称呼または観念の類似は、その商標を使用した商品につき出所の誤認混同のおそれを推測させる一応の基準にすぎず、従って、右3点のうちその一において類似するものでも、他の2点において著しく相違することその他取引の実情等によって、なんら商品の出所に誤認混同をきたすおそれの認めがたいものについては、これを類似商標と解すべきではない。」

 

 「INEI.NET」も構成上一体ではなく、全体として一定の観念が生じないので、分離観察がされ、そのうち「.NET」の部分は、ドメイン名であり、ネットサービス分野では頻繁に使用される文字なので識別力はなく、したがって、要部は「INEI」と判断され、そうすると「e印影コム」の要部である「印影」と「INEI」を対比した場合、外観は異なるものの、称呼と観念は共通するので、原則的には、商標が類似となります。

 

 ただし、先の最高裁の判例にありますように、称呼・観念が類似しても外観が「著しく」異なると判断されて、需要者が出所の混同を生じないと判断された場合には、商標は類似しないと認定されます。

 

 一方で、「INEI」は単に「印影」をローマ文字として表現したものに過ぎず、「e印影コム」と「INEI.NET」を対比した場合、需要者は「印影」、「INEI」に注意が向く結果、称呼、観念の共通性から需要者は出所混同を生じると判断される可能性もあります。

 

 以上は、商標の構成のみから類否判断をした場合ですが、それ以外に商標の周知著名性(商標が周知著名である場合は、構成の近似する他の商標に接した需要者が周知著名商標を想起する可能性が高まり、出所混同のおそれも大きくなる傾向がある)、商標の一般的使用態様(商標は通常、商品・画面のどこに付されているか、明瞭に表示されているか、大きく表示されているかなど)、流通形態、商標が選択されたときの事情などの諸般の事情も考慮されて類否判断されます。

 

 したがいまして、構成上の類似に加えて、相手方が質問者様と同じサービスに、後発的に、しかも要部である「印影」を含む商標を使用して、質問者様の商標に化体した信用にただ乗りしたり、希釈化して、需要者の出所混同を生じさせる意図をもって使用していると判断された場合には、商標が類似すると認定されると思われます。

 

 質問内容からは詳しい事情は分かりませんが、おそらく相手方は質問者様の商標に便乗しようとしている意図が感じられ、また、商標の構成も要部において称呼、観念が共通していますので、商標は類似すると判断されると予想します。

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