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patent777, 弁理士
カテゴリ: 特許・商標・著作権
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医療系の国家試験に関する教科書が出版されています。 この分野では一社しか出していません。 それを用いて講義な

解決済みの質問:

医療系の国家試験に関する教科書が出版されています。
この分野では一社しか出していません。

それを用いて講義などをいたしますが、
「テキストを朗読するにも当社の許可が必要だ」
として出版社が著作権隣接権を主張しております。

当方も講義における著作権隣接権の使用を申請いたしましたが、
半年以上過ぎた今なお返答を頂けない状況です。

そのため、この分野の教育環境が著しく立ち遅れております。

質問が二点あります。

そもそも、この教 科書に、その出版社が主張するような著作権があるのでしょうか?
例えば、人体解剖図などが掲載されておりますが、ライターが実際に人体を解剖したわけではなく、どこかの図表をコピーしたものか、トレースしたもののはずです。

それにも関わらず、この教科書には引用図書が全く書いてありません。

この点について、著作権を管轄する文部科学省に質問すると、指摘の通りに教科書は著作権を侵害しているとの回答を得ました。

また、医療分野を管轄する厚生労働省に問い合わせましたが、教科書の認定は行っておらず、大学の講義の教科書のように単なるテキストの扱いであり、特別扱いは何もないとのことでした。


二つ目です。
この教科書をリライトして、教育しやすい新たな教科書を作成しようと思います。
リライトには20%程度の加筆が必要と聞きますが、どの程度加筆すればリライトした新たな教科書として新たに出版できますか?
投稿: 3 年 前.
カテゴリ: 特許・商標・著作権
専門家:  patent777 返答済み 3 年 前.

知的財産権を専門とすr弁理士です。

 

1.医療系教科書に著作権が発生しているかについて

 

 著作権が発生するためには、「著作物」でなくてはなりません。著作物とは、「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。」(著作権法2条1項1号)と、規定されています。

 

 そのため、「表現」に「創作性」がなければなりませんので、他人の模倣したものは著作物とは言えず、著作権は生じません。

 

 その教科書には、例えば、コピー又はトレースしたような人体解剖図が、引用図書を記載せずに掲載されているとのこですが、その場合、人体解剖図等が著作物で著作権が生じているのでしたら、著作権者の許諾を受けて掲載しているものであれば、著作権の侵害とはなりません。

 著作物に該当する人体解剖図以外の図表すべてについての許諾があれば侵害となりませんが、そうでなければ、侵害ということです。

 

 一方、著作物に該当する図表等の著作権者の承諾を得ていない場合は、質問者様のご指摘のとおり「引用」(著作権法32条)に該当するのであれば、侵害とはなりませんが、引用に当たらなければ侵害となります。

 

 「引用」の要件は後述しますが、その一つに引用元と引用先の区分を明瞭にする必要があるのですが、ご質問内容から察しますと、引用の要件を満たしていないように思われます。

 

 したがいまして、掲載されている図表等に創作性がない場合、創作性があり著作権は生じているが著作権者の承諾を得て掲載している場合は、著作権の侵害となりません。

 

 しかし、承諾を得ずに掲載しているのであれば著作権の侵害ということです。

 

 また、その教科書が図表等の著作権を侵害しているものであっても、その他の部分(文章表現部分など、教科書の著者が独自に創作した部分)については、その著作権が発生している可能性がありますので、その部分を無断で自己の教科書に掲載した場合は複製権(著作権法21条)の侵害となり、その掲載が「引用」であれば侵害になりません。

 

2.新たな教科書の出版について

 

 まず、20%とかいうような数値、割合で決められているものではありません。

 先に少しお話しましたが、「複製」すなわちデッドコピーをした場合には複製権の侵害となります。この場合、教科書の一部の文章の複製であっても、その部分に「創作性」があれば、複製権の侵害となり、その部分に創作性がなければ侵害となりません。

 

 よく用いられるようなありきたりの文章表現や、一般的な表現の図表であり、単なるデータの統計であったり、単なる事実を何の工夫もせずにありきたりの表現で掲載しているものには創作性がなく、著作権は生じていませんので、そのような部分のデッドコピーは侵害となりません。

 

 一方、既存の教科書をリライトする行為が「翻案」に該当すれば、翻案権の侵害となり(著作権法27条)、翻案に該当しなければ、侵害となりません。


 翻案とは、質問者様が自分より先に創作された教科書に修正増減を施し、新たに創作性のある表現を付加しても、質問者様の創作した教科書が、既存の教科書(原著作物)に依拠し、かつ、原著作物の表現上の本質的な特徴を直接感得することができる場合をいいます。そして、そのように翻案されたのであれば、質問者様の教科書は、既存の教科書を原著作物とする二次的著作物となります(著作権法2条1項11号)。

 すこし、ややこしい表現で理解し難いかもしれませんが、大雑把に言いますと、複製(デッドコピー)といえるほどには原著作物と近似していないが、全く別の著作物ともいえない著作物。あるいは、複製といえるほどではないが、それでもなお、二次的著作物から原著作物を直接想起させるほどに似ているといったようなものです。

 実際には、どのような行為が翻案に該当するかは、著作物の種類や表現態様などによって異なり、確定的な基準は存在せず、ケース・バイ・ケースで判断せざるをえません。また、複製と翻案の厳密な境界も存在しないのが実情です。

 

 翻案を理解する上で間違いやすいのは、ストーリーやアイディアなどは著作権法の保護対象外ですので、その部分が似ていても問題はないのであり、著作権法は「創作性」のある【表現】を保護するものですので、アイディア等が似ていてもその【表現】が異なっていれば、翻案になりません。

 

 例えば、「ハリー・ポッター」の基になっている“魔法使いの少年が登場するファンタジー小説”という抽象的なアイディアは【表現】ではないので、保護されません。そのため、そのアイディアを模倣しても侵害にはならないということです。

 

 そのため、【表現】を異なるようにしてリライトすることが必要となります。


 仮に、質問者様の教科書が、既存の教科書を翻案して作成された二次的著作物に該当する場合には、質問者様はその二次的著作物の著作者(著2条1項2号)となり、その二次的著作物について著作権等を有します。


 しかし、二次的著作物については、原著作物の著作者にも同様に著作権等が生じます(法28条)。そのため、質問者様は自己が製作した教科書(二次的著作物)を利用するに際しては、原著作物の著作権者(出版社が著作権を有している場合には出版社)の同意を得なければなりません。


 また、引用の要件に該当すれば、既存の教科書の創作性ある部分を許諾なく掲載することができます。

 ①引用する著作物と引用される著作物を明瞭に区分すること、②引用する著作物(質問者様の教科書)が主で引用される著作物が従の関係となること(前者が質量ともに主体となり、後者は一部分ということ)、③引用文献の出所を明示すること、この要件をすべて満たせば、引用と認められる可能性が高まります。

質問者: 返答済み 3 年 前.

ご返答ありがとうございました。


 


程度問題、ケースバイケースの部分が大きいようですので、具体的にお話したいと思います。


 


 


医療系の教科書とは、へるす出版『救急救命士標準テキスト』のことです。



http://www.herusu-shuppan.co.jp/book/700_749/744_748.html




救急救命士とは、救急車内および救急現場において医師の具体的指示を得た場合のみ限定的な医療行為ができる国家資格です。



救急医療関連資格として、医師・看護師・救急救命士があります。


 


日本の救急医療は「メディカル・コントロール」体制下にあります。


これは、医師を頂点とする指揮命令系統です。


医師の指示を外れた看護師・救急救命士の処置はあり得ず、電話等で医師の具体的指示を受けないと、救急救命士は医療行為をすることができません。



それぞれ国家資格ですが、資格取得条件は以下の通りです。



・医師:医学部6年間+病院実習2年間


・看護師:専修学校3年間


・救急救命士:消防職員は研修半年、一般人は専修学校2年間


 


医療の知識とスキルに圧倒的な差があり、これらがメディカル・コントロール体制の基盤となっています。


 


 


看護師の教科書は何社か出していますが、代表的なものはこちらです。


 


http://kango.igs-edu.net/keikan.html


 


 


全66巻あります。


 


これに対して、救急救命士の唯一の教科書である、へるす出版『救急救命士標準テキスト』は全5巻であり、1冊の分量も看護師のものより少ないです。


 


つまり、看護師課程と救急救命士課程を比較すると、看護師課程は救急救命士課程の十数倍〜20倍程度のボリュームがありということになります。


 


医師課程との比較であれば、さらに格差は広がります。


 


 


日本の救急医療体制の根幹をなすメディカル・コントロール体制とは、医師課程>看護師課程>救急救命士課程というヒエラルキーを前提としています。


 


つまり、医師課程や看護師課程を外れた救急救命士課程はあり得ず、医師課程テキストや看護師課程テキストに倣わない救急救命士課程テキストはあり得ないということになります。


 


 


このような背景がありますので、へるす出版社『救急救命士課程テキスト』は看護師課程テキストや医師課程テキストの要約・抜粋・リライトに過ぎないという見解を私は持っています。


 


その一例が人体解剖図ですが、自分で解剖した患者の内蔵の写真を見ながら書いたわけではなく、既にある医師課程テキストや看護師課程テキストのコピーかトレースによるものと思われます。


 


文章部分に関しても、医学書ですので創作性や独自性があってはならず、また医師課程や看護師課程を外れるものであってはならないため、そこにおいて何の文献も示すことなく自らの著作権を主張なさる、へるす出版社の見解に疑義を持っています。


 


 


話は遡ってこの件の発端ですが、当方で次のような救急救命士課程の学習教材を作成いたしました。


 


https://www.youtube.com/watch?v=duDqxeuGBrE


 


救急救命士国家試験対策として、救急救命士が専修学校等で講義する様子を収録して、そのままデジタルコンテンツ化したものです。


 


唯一の教科書である、へるす出版『救急救命士標準テキスト』を用いております。


実際の講義では、多くの講師と同様に、テキストをまとめたレジュメを用意して配布したり黒板に書き、テキストを朗読・説明していきます。


 


この教材においては、テキストの文章・図表等は一切登場せず、講師が独自に作成したレジュメが黒板部分に板書として流れていきます。


 


テキストを朗読しながら、分かりにくい部分をかみくだいて説明してます。


普通の講義と同じ形式です。


 


 


公開にあたって教科書の発売元である、へるす出版に問い合わせたところ、7ヶ月も回答を待たされた上に、独自の著作権を強硬に主張しておられます。


 


執筆者は94名おり、それぞれが著作権を持つのでそれぞれの承諾が必要と主張されるのですが、人体解剖図などは自分で患者を解剖して書いたものではないでしょうから、何かのコピーかトレースと思われます。



また「お腹には胃や腸がある」「老化すると視力が落ちて白内障などが多くなる」「胸骨圧迫(心臓マッサージ)と人口呼吸の割合は30回:2回の割合で実施すべき」といった医学的知識は万国共通であり全人類に普遍の事実であり、そもそも上位資格の医師課程や看護師課程に基づかなければならない制度ですので、そこにおいて「引用元は一切示していないが、この記事を書いたのは俺だから、俺に著作権がある。この教科書を使って講義するなら、俺の承諾が必要だ」と主張するのは無理があるように思われます。



国家試験の教科書の著作権を主張する例は、他にないと思うのですが。




救急救命士は救急医療の最前線に立ち、日本の救命率向上の鍵を握る国家資格ですが、致命的な制度的問題を抱えています。



救急車内と救急現場でのみ使える資格なので、救急車を抱える消防署に就職できないと意味のない資格ですが、3年間(法的には2年で良いのですが、大半の学校は公務員試験対策を並行するので3年制です)と約400万円を費やして救急救命士資格を取得した学生の約半数が消防署に就職できず、一生資格を役立てることがない「救命士ニート」になります。


 


年間で数千人の「救命士ニート」が発生していると思われますが、この94人の先生方は何も感じておられないのか不思議ではあります。


 


 


へるす出版は「何ページの何行、どの図を用いるのか全て書いて提出せよ。94人の権利者の承諾を得てから考える」と回答しています。


 


これについて答えるなら「通常の講義と同様に、本文はほぼ全て読みながら説明しています。図表はテキストのものを参照するよう話すことがありますが、画面には一切出ません」ということになりますが、1名の担当者から以上の回答を得るまでに7ヶ月掛かりました。


 


94人の執筆者の回答を待つなら、一体いつになることやら分かりませんし、1人でも反対者がいれば不可ということになれば、救急救命士に関する教材を出すことは不可能ということになります。


 


これでは害悪でしかないので、新たに教科書を制作した方が現実的ですし、世のためになると思っています。


 


 


頂いたご回答の中に引用元を示せば良いとありましたが、独自レジュメを用いた映像教材というオリジナル作品を発表する中に引用元として教科書を明記することで問題ないようにも思われます。


 


 


まとめますと


 


・国家試験の教科書がある。


・その内容は上位資格に準ずるものであり、科学的医学的事実が主である。


・教科書に基づいた独自レジュメによる映像教材を作成。


・教科書の音読をしているが、図表は一切使わない。参照指示はしている。


・94人の執筆者の承諾を得ないと不可との回答。


・その執筆者の記事も上位資格のコピー・トレース・リライトと推測され、引用元を一切明記していないため、それ自体が著作権違反でありそもそも自らの著作権を主張する権利はないのではないか?


 


 


へるす出版側は弁護士らと相談しているとのことですが、7ヶ月経ってこの程度の回答しかできない弁護士がいるものなのでしょうか?


名前も分からないのですが、本当に弁護士なのか確認したいのですが。


 


偽物なら問題ですし、本当に弁護士だとしても、相手方に7ヶ月間業務を中止させるようなら充分に不作為犯と思うのですが、この辺りはどうなのでしょうか?


 


以上長くなりましたが、ご回答お願いいたします。


 

専門家:  patent777 返答済み 3 年 前.
先に回答した弁理士です。

 必ずしも、要約イコール著作物性がないということにはならず、要約であっても表現に創作性が認められれば、二次的著作物としての著作権が発生します。

 そのため、『救急救命士課程テキスト』が看護師課程テキストや医師課程テキストの要約であっても、表現に創作性があれば著作権は生じます。


  

 その判断を厳密に行うには、両者のテキスト比較しながら精読した上で行う必要がありますので、ここでは一般論にとどめさせていただきます。


 

 「医師課程や看護師課程を外れた救急救命士課程はあり得ず、医師課程テキストや看護師課程テキストに倣わない救急救命士課 程テキストはあり得ない」ということであれば、おのずと救急救命士課程テキストの表現は、医師課程テキスト等の枠内で表現しなければならず、また、独自の研究成果を発表する学術論文とは異なり、授業用のテキストであり、その内容が医療行為という性質上、質問者様のおっしゃる通り、既に確率されている医療方法を忠実に表現しなければなりないという性質を有している限り、その内容において創作性や独創性があってはならないことになります。


 

 一方で、著作権法はアイディアは保護せず、その「表現」を保護するものですので、その「表現」に「創作性」があるか否かで著作物性を判断するということは先に述べたとおりです。


 ここで、表現の創作性は、あるアイディアを表そうとする場合に、その「表現の選択の幅」が狭い場合には、すなわち誰が表現しても同じような表現となってしまうものや、ある事実そのものには著者の個性が発揮されたものとはいえず、創作性が認められないので、著作物とはなりません。


 

 本件のような医療行為の学習用テキストは、小説などのように表現の選択の幅が広いものではなく、記述内容の正確性が重視される限定的なものですので、その場合にはその表現の選択の幅も狭くならざるを得ない傾向にあります。


 ご質問には、「その一例が人体解剖図ですが、自分で解剖した患者の内蔵の写真を見ながら書いたわけではなく、既にある医師課程テキストや看護師課程テキストのコピーかトレースによるものと思われます。」とありますが、そのような人体解剖図の表現には創作性があるとはいえず、図表等はむしろ忠実に再現する必要があるものであって、そこに創作性があってはならない性質のものと思われます。


 当該救急救命士課程テキストに用いられているその他の図表もその性質上、その表現に創作性があってはならないものと思われます。


 文章部分につきましても、医師課程テキスト等の枠内において、定められた医療行為から導かれる当然の事項を一般的な言葉で表現せざるを得ず、また、医師課程テキスト等に記述されている表現と必ずしも同一ではない表現が用いられている部分も含まれているとしても、その表現自体がありふれたものにならざるを得ないものであることからすれば、当該救急救命士課程テキストがその著者の個性を表現したものということはできないと思われます。


 そのため、当該救急救命士課程テキストに著作権があるということにはならない可能性が高いのではないかと思われます。


 ただし、過去の裁判例におきまして、著作権法の保護が受けられない著作物であっても、それを相当数に渡り、利用した場合には、不法行為(民法709条)として侵害になると判断したものがあります。


 

 以下に一部抜粋します。


 

 「各文献を構成する個々の表現が著作権法の保護を受けられないとしても、故意又は過失により各文献に極めて類似した文献を執筆・発行することにつき不法行為が一切成立しないとすることは妥当ではない。執筆者は自らの執筆にかかる文献の発行・頒布により経済的利益を受けるものであって、同利益は法的保護に値するものである。そ して、他人の文献に依拠して別の文献を執筆・発行する行為が、営利の目的によるものであり、記述自体の類似性や構成・項目立てから受ける全体的印象に照らしても、他人の執筆の成果物を不正に利用して利益を得たと評価される場合には、当該行為は公正な競争として社会的に許容される限度を超えるものとして不法行為を構成するというべきである。」(「通勤大学法律コース事件」~知高判平18.3.15)。


 この判決の事例では、被告の各文献が原告の各文献に依拠して執筆され、両文献が、単に基本的構成や章立ての順序が類似しているにとどまらず、各章内における項目立て や記載順序も酷似しており、また、個々の表現も、文章や図表が類似する箇所が文献全体の相当部分を占め、中には、1頁ないし2頁にわたって類似し、実質的に同一である箇所も存在します。そしてこれらを総じてみれば、原告が原告の各文献を執筆するに当たり、一般人に理解しやすいように平易化・単純化したり、記述の順序や分類の仕方を工夫したり、図表化した部分が、ほぼそのまま被告の各文献に取り入れられていて、被告による表現の組み換えや書き換えが介在するとしても、原告が執筆に当たり工夫した点の多くが両文献の類似点なっていたというものです。


 デジタルコンテンツ化した学習教材を拝見しましたが、動画には当該救急救命士課程テキストがそのまま全体が写しだされているというものではなく、それを要約して独自に作製したレジュメを映し出していますので、上記判例のようなケースとは異なり、表現態様が大分違いますので、上記判例のような不法行為にはならないと思われます。


 以上見解を述べましたが、救急救命士課程テキストの著作物性については、厳密にはやはり医師課程テキスト等と救急救命士課程テキストの両者の内容を読んだ上での比較判断をする必要があると思われます。

したがいまして、本見解はあくまでも参考程度にとどめていただきたいと思います。

質問者: 返答済み 3 年 前.

ご返答ありがとうござす。


 


テキストを音読することによる著作権隣接権について、どう解釈すべきでしょうか?


 


厳密には、著作物を音読して報酬を得るだけでも著作権侵害とされています。


学校での教材の使用には特例があるようですが、著作権侵害にあたる朗読行為は日常的にあるように思われます。


 


 


・介護士が目の不自由なお年寄りに頼まれて、愛読書を音読してあげた。


 それによって給料をもらっている。


 また、感謝されてチップをもらうこともある。


 


・孫がおじいいさんのために新聞を読んであげた。


 ご褒美に100円をもらった。


 


・声の綺麗な主婦が、子供に絵本を読んであげる動画が人気になった。


 その動画に広告が付き、広告収入を稼いだ。


 


・学習塾の先生が教科書を朗読しながら説明する。


 


・家庭教師が参考書を朗読しながら説明する。


 


・消防士が後輩のために救急救命士の教科書を朗読して説明し、お礼としてジュースをおごってもらった。


 


 


いずれも一見微笑ましくも見える光景ですが、著作権隣接権である朗読権を侵害しているように思われます。


どう解釈すべきなのでしょうか?


 


 


当方が制作した教材について、画面に表現している部分については、独自レジュメのみであり、著作権侵害にはあたらないと考えています。


 


しかし説明として教科書を朗読しているため、朗読権の侵害とされる可能性はあります。


ただ、文章は「である」調ですが、朗読は視聴者が理解しやすいように随時補足説明を入れた「ですます」調になっており、表現としては違うものとなっています。


 


そもそものテキスト文章が、引用元を明記しないまま上位資格テキストをリライトしたに過ぎない内容であり、その内容がオリジナリティなどあってはならない医学的処置・科学的知識であるため、著作権と言えるものではないと考えていますが。


 


 


著作権隣接権である朗読権について、


 


(1)制作した教材の画面に、教科書は一切登場しない。


(2)教材の画面には独自レジュメだけが流れる。


(3)教科書を朗読している。


(4)朗読しているが、教科書の「である」調でなく随時補足説明を入れた「ですます」調。


 


このような状態ですが、どう解釈すべきでしょうか?


 


 


何度もすいませんが、ご回答よろしくお願いいたします。

専門家:  patent777 返答済み 3 年 前.

 繰り返しになりますが、救急救命士課程テキスト(以下「テキスト」とします)が著作物でなければ、著作権及び著作隣接権は発生しないわけですので、その場合には質問者様がレジュメを作成し、それを動画にて表示し、説明しても問題にはなりません。

 

 仮に、テキストに著作物性があり著作権が生じていれば、教材の内容次第ではそのテキストの著作権と抵触する可能性があります。

 そのため、以下のご説明は、そのテキストに著作権が発生していることを前提にしてお話します。

 

 まず、著作権とは複製権(著作権法(以下「法」とします)21条)をはじめとする複数の支分権を束ねたものをいいます。

 

 テキスト(言語)の著作権に関しましては、複製権の他に、公衆送信権(法23条 インターネットなどへ掲載する権利)、口述権(法24条 公に朗読する権利)、譲渡権(法26条の2 販売する権利)、貸与権(法26条の3 レンタルする権利)、翻訳・翻案権(法27条)、二次的著作物の利用権(法28条)があります。

 

 また、著作隣接権とは、実演家、レコード製作者、放送事業者が有する権利であり、録音権や放送権などがありますが、テキストは言語の著作物であり、音楽や映像で表現されているものではないので、著作隣接権は発生せず、著作権のみ、発生しているということです。

 

 例えば、そのテキストを朗読したものを収録したCDやそのテキストで講義している様子を映像化したものを収録したDVDが存在するのであれば、その朗読者や講義者が実演家となり、著作隣接権が生じますが、単に言語としてのテキストが存在しているに過ぎない場合は、著作隣接権は生じません。

 

 そこで、以下は著作権に限定して、ご説明します。

 

 

 著作物を無断で利用する場合であっても、一定の場合には、著作権の行使が制限されます。

 

 

 ご質問にあるように、著作物を朗読する場合に限って申せば、営利を目的としない口述等の場合には、一定要件の下で著作権が制限されます(法38条)。

 

 「朗読」は、著作権法上、「口述」に該当しますのが(法2条1項18号)、公表された著作物であって、営利を目的とせず、聴衆・観衆から料金を受けず、かつ、口述を行う者に対して報酬が支払われない場合には、許諾を得ずに、無償で利用できます。

 これは、著作物を原作のままで利用する場合に限られ、一部の省略やアレンジして朗読するような翻案利用は原則、認められません。


 これを更に詳しくご説明しますと、


 ① 「営利を目的とせず」という要件は、朗読という行為によって直接的には利益を得なくても、間接的に利益が得られる場合には、営利目的になってしまうということです。


 例えば、入場は無料であっても、朗読会場で何らかの商品の販売や何らかの営利目的のサークル、クラブ、組織への入会、会員の募集をするような場合、ある商品の購入者に入場を限定しているような場合には、その朗読会が、それらの集客を目的に行われていると判断され、営利目的と判断される可能性があります。


 また、朗読行為によって第三者が利益を得るような場合、例えば、ある企業の宣伝のために行われる朗読会のような場合にも、営利目的と判断される可能性があります。


 ②「聴衆等から料金を受けない」場合の「料金」は、朗読会での会場整理費、クロークでの一時預かり料金、プログラム料金、飲料料金など、朗読とは関係なく提供されるものの実費ないし通常の料金の範囲内であれば料金ではないと考えられています。


 料金はいずれの名目をもってするかを問わないので(著38条1項かっこ書)、例えば、聴衆から入場料の名目ではなく、寄付金というような形で徴収される場合には、その寄付金は「料金」に当たるとされた東京地裁の判例がある点に注意してください。


 ③朗読を行う者に対して報酬が支払われない場合の「報酬」は、金銭による報酬だけでなく、豪華な記念品や通常の飲食を超える接待なども「報酬」に該当する可能性があります。


 一方、通常の花束、記念品、食事代、交通費の実費などは「報酬」ではないと考えられています。


 また、朗読を職業としている朗読者(現実に存在するかは別としまして)が、何処かの組織や団体に所属しており、そこから給与を得るような場合には、「報酬」に該当する可能性があります。


 さらに、出所の明示義務があります(著48条1項3号・2項)。


  上述しましたように、営利を目的とせずに朗読する場合には、原則として、その著作物の出所を明示する義務が発生します。


 出所の明示は、朗読するにおいて、そのような慣行がある場合に限られますが、朗読の場合に出所明示の慣行があるかは定かではありませんが、著作物を利用するほとんどの場合、明示の慣行があると考えていいと思われます。

 

 
 この出所の明示は、基本的事項として、利用する著作物の題号と著作者名が必要となります。


 また、出版社名や発行年月日の表示もした方がいいと思われます。


 ただし、出所の明示に伴って、著作者名が明らかになる場合や著作物が無名のものである場合には、著作物に表示されている著作者名を明示する必要はなくなります(著48条2項)。


 例えば、「○○著作集」のように小説の題号中に著作者名が含まれているような場合です。


 以上の要件を満たす場合には、著作権者の許諾なく、朗読ができることとなります。

 

 本件では、生徒さんから受講料を徴収すると思われますので、本規定では著作権は制限されないこととなります。

 

 そのため、質問者様が作成した教材がテキストの翻案とならなければ、複製権、口述権、翻案権等の著作権の侵害にはならないということです。

 

 その教材はテキストに基づいて作成したレジュメを口述している映像で構成されていますので、そのレジュメが原著作物であるテキストの複製でも翻案でもないものであれば、著作権の侵害にはならないということです。

 

 そして、複製はデッドコピーであり、翻案は先に申しましたように原著作物を直接感得させるものですので、そのような表現でないものを作成する必要があるということです。

 

 ただし、先にも述べましたように、医療行為の学習用のレジュメですので、どうしても内容は似てしまう可能性が高いと思われます。反対解釈として、原著作物であるテキストも表現の選択の幅が狭く、創作性が認められないと思われます。

 

 「創作性」のない「表現」は法で保護されませんので、その部分の複製では侵害とならず、また、アイディア自体や事実も保護されませんので、レジュメとテキストの章立て・構成や医療行為の内容、ありふれた表現の図表が同じであっても侵害とはならないということです。

 

 複製や翻案が問題となるのは、あくまでもテイストの「創作性」がある「表現」部分について、その複製や翻案が認められないということであって、「表現」に「創作性」のない箇所を複製・翻案しても侵害にはならないということです。

 

 

 表現の創作性の判断は下級審と2審で判断が異なることもままあり、判断が難しいのは確かですので、なるべく、レジュメの「表現」をテキストと思い切って変えた方がよろしいかと思われます(事実に過ぎ、ありふれた表現の図表や内容自体は一緒でも構いません)。

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  • 法律などの専門家や弁護士が身近に居なかったわけではありませんが、事案発生が連休中や土休日、深夜早朝にかかるなど、次の行動に移る前に冷静な判断が必要な場合があり、また個人的なことでありますが、深刻化、長期化し、また経済的に家族にも迷惑をかけることで、結果として自身の公務に影響が及ぼすことを大変危惧いたしました。結果、このたびの利用となりまして、貴社より、迅速な回答をいただくことができました。事案発生後一両日のうちに、先方と連絡をとり、適宜支払い手続きへと話をすすめております。またこの経験を同業の者とも共有し、今後ネットを通じた活動へ生かせるように務めます。 山形県 青木
  • まずは親身になって回答をして頂ける専門家であったこと。説明が簡潔でわかりやすく、質問者が気持ちの整理をしやすい配慮が伺えた。 岐阜県 石川
  • 短時間で的確なアドバイスを受けることができ、かつ、回答に対する質問に対しても直ちに真摯な回答が得られました。 大阪府高槻市 川嶋
  • 専門知識のある経験豊富な方に出会う機会のない人でも、このサイトで実現出来ることは素晴らしいことだと思いました。 専門家が辛抱強く回答をしてくださる姿勢にも感謝いたしました。 茨城県日立市 池田
 
 
 

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