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カテゴリ: 特許・商標・著作権
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市販のアンパンマンDVDを複製して、教室で生徒にみせました。著作権の違法にはならないでしょうか?

解決済みの質問:

市販のアンパンマンDVDを複製して、教室で生徒にみせました。著作権の違法にはならないでしょうか?
投稿: 3 年 前.
カテゴリ: 特許・商標・著作権
専門家:  patent777 返答済み 3 年 前.


知的財産権を専門とする弁理士です。

 著作権のうち、DVDを複製する行為に対しましては複製権(著作権法(以下「法」とします)21条1項)が、教室で生徒に著作物であるアンパンマンアニメの複製物を見せる行為に対しましては上映権(法22条の2)との関係が問題となります。


 以下に場合分けをしてご説明します。


1. 複製権について


 DVDに記録されている著作物であるアニメを他の記録媒体に固定(録画)することは複製となりますが(法2条1項14号、15号)、私的使用の目的で複製する場合には、著作権者の有する複製権が制限されます。すなわち複製権の侵害にはならないということです(法30条)。


 この制限規定(30条)は次のように規定されています 「著作権の目的となっている著作物・・・は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とするときは、・・・その使用する者が複製することができる。」


 この規定に本件が妥当するかをみますと、教室(小学校の教室と思われますが)で上映することを目的としていますので、「個人的」や「家庭内」とはいえません。


 また、「その他これに準ずる限られた範囲内」につきましては、その解釈について様々な学説がありますが、大方は次のように説明されています。「複製する者の属するグル ープのメンバー相互間に強い個人的結合関係のあることが必要で、部数を限定して友人に配布するような場合は該当しない。


 典型的には、社内の同好会とかサークルのように10人程度が1つの趣味なり活動なりを目的として集まっている限定されたごく少数のグループということ」、「これに準ずる限られた範囲内に該当するためには、相手方との間に家族に準ずる程度の親密かつ閉鎖的な関係があることが必要であり、相手方が不特定の者であってはならない。」


 このことから判断しますと、質問者様(先生でしょうか)と生徒さんの関係は、家族に準ずる程度の閉鎖的な関係が認められるとは思われませんので、「・・・限られた範囲内」には該当せず、私的使用のための複製とはいえないと考えられます。


2. 上映権について


 教室で著作物であるアニメを映写幕その他の物に映写する行為(法2条1項17号)は、上映となりますが、営利を目的としない上映であれば、上映権は制限されます(法38条1項)。


 この制限規定は、①公表された著作物(アンパンマンアニメ)であって、②営利を目的とせず、③聴衆・観衆から料金を受けず、かつ、④上映を行う者に対して報酬が支払われない場合に適用されます。


 そのため、この要件をすべて満たしているのであれば、上映権の侵害とはなりません。


 本件について考えてみますと、


 ①アンパンマンはすでに公表されているものであると思われます。


 ② 「営利を目的とせず」という要件は、上映によって直接的には利益を得なくても、間接的に利益が得られる場合には、営利目的になってしまうということです。


 例えば、入場は無料であっても、会場で何らかの商品の販売や何らかの営利目的のサークル、クラブ、組織への入会、会員の募集をするような場合、ある商品の購入者に入場を限定しているような場合には、その上映会が、それらの集客を目的に行われていると判断され、営利目的と判断される可能性があります。

 

 また、上映行為によって第三者が利益を得るような場合、例えば、ある企業の宣伝のために行われる上映会のような場合にも、営利目的と判断される可能性があります。


 本件では、教室で生徒さんに対して上映しているので、上記のような特別な事情がない限りは、営利目的ではないと思われます。


 ③「聴衆等から料金を受けない」場合につきましては、生徒さんから料金を受けていないと思われますのでこの要件は満たすと考えられます。


 ただ、料金はいずれの名目をもってするかを問わないので(著38条1項かっこ書)、例えば、生徒さんから入場料の名目ではなく、寄付金というような形で徴収される場合には、その寄付金は「料金」に当たるとされた東京地裁の判例がある点に注意してください。


 ④上映したのが質問者様であると思われますので、上映を行う者に対する報酬につきましては問題ないと思われます。


 上述しましたように、38条の規定上の解釈としては問題ありませんが、教室での上映が頻繁にかつ大規模に行われますと、著作権者に不利益となりますので(DVDの販売が減少するなど)、制限規定が適用されず、上映権の侵害と認定される可能性があります。


3.結論


 以上より、複製権につきましては侵害している可能性があり、上映権につきましては非侵害と思われます。


 複製せずに直接購入されたDVDを上映すれば問題ないともいえますが、先にも申しましたように、著作権者の利益を損なうような場合には制限規定(法38条)が適用されない状況も生じ得えますので、大規模な上映にはご注意してください。



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